総務職の志望動機をスムーズに書くための第一歩はその仕事内容を知ることです。ここでは総務職の仕事内容と求められる適性をご紹介しますので、それらを踏まえて志望動機を書いていきましょう。
総務職の仕事内容
売上を作る営業部門や販売部門、モノを作る製造部門が直接部門と言われるのに対し、総務職は企業の中で間接部門に位置づけられており、いわば後方支援部隊です。営業や製造の現場と経営層との架け橋として、企業にとって必要不可欠な業務のすべてを請け負っていると考えてよいでしょう。消耗品などの社内物品の手配、社員の福利厚生に係るレクリエーションの企画や慶弔対応、安全や防災に係る避難訓練や設備の管理、受付などの来客応対、取締役会や株主総会の運営など、その業務は多岐にわたります。あらゆる方面に配慮を要し、また時期によっては定時内で終わらないこともあり、決して簡単な仕事ではないことだけは理解しておきましょう。また、他部門は「総務に言えば何とかしてもらえる」と認識しています。便利に使われると思う時もあるかもしれませんが、他の人の役に立ち、人に喜んでもらえることにやりがいを感じられる点が魅力の職種でもあります。
総務職で求められる適性
ポイント1.法律の基礎知識
法律に関わる業務の担当は法務部門として独立させている企業もありますが、総務の業務としている企業も多く存在します。特別に法務担当となっていなくても、契約事に関する法律などの基礎的な知識は持っていた方がよいでしょう。また、たとえば最近はセクハラやパワハラ対策が急速に進められていますので、少なくとも「してはいけないこと」、「言ってはいけないこと」を把握し、各部署からの問い合わせに答えられるくらいのスキルは求められそうです。
ポイント2.交渉事の経験や交渉能力
総務は、自社のすべての部門と関わる職種です。経営層の考えを基に会社の全部門とさまざまな交渉をすることがあります。設備投資の予算分配を説明し納得してもらわなければならないとき、新入社員の現場研修受け入れをお願いするとき、会社の行事に協力を仰ぐときなどに、交渉能力が必要です。また、逆に相手が何かを要望してくることもあります。総務としては会社全体のバランスを考慮して、時には断る必要もあるでしょう。こちらの要望を相手に飲んでもらったり、事情を相手に理解させたりした経験や能力は総務職として存分に活かせるものです。
総務職の志望動機の例文?30歳男性、総務職未経験者の場合?
私は現職にて培った経験を活かし総務に関わる仕事に就きたいと考え、貴社の総務職を志望いたしました。現職の飲食業においては、長年自店舗の新人教育に携わったり、ここ数年は本部スタッフとして新規店舗立ち上げにおいて契約等の手続き業務を行ったりと、多岐にわたる業務を経験してまいりました。その経験の中で、幅広い業務であるのに専門的な業務である総務職とはどのようなものか興味を抱くようになりました。そして貴社が食品を扱う会社であること、今後、新入社員の教育や新規店舗立ち上げが計画されており、その業務を行う総務職を募集していると知りました。そして中途採用で入社された多くの方々が第一線で活躍できる社風であろうとする貴社の理念に大変共感いたしました。飲食業の経験しかない私ですが、お客様からのご要望や社員からの希望に真摯に向き合ってまいりました。お客様や社員が満足する形でこちらの提案を理解して受け入れていただいた経験で養った交渉能力や、新規店舗立ち上げ手続きで学んだ法律の知識を存分に活かせる職種であると確信しております。
彼のアピールポイント
前職も現職も飲食業である人がアピールすべき大きなポイントは、交渉能力やコミュニケーション能力です。いろいろなお客様からさまざまな要望を持ちかけられる中で、その要望に沿った提案をした経験や、要望に沿えない旨を穏便に伝え理解してもらった経験などをアピールしていきます。また、新規店舗立ち上げに際し契約書を扱った経験から基礎的な法律知識を得たこともアピールできます。飲食業と総務は全く関係のない職種なので未経験者である立場を認識しつつ、店長や本部スタッフとして総務的な仕事を行ってきたことで、全くの素人ではないところは彼にとっては大きな強みです。