仕事をして稼いだお金は、自分のために使いたいもの。では、「今一番欲しいものは?」と聞かれて何を思い浮かべますか? 若手ビジネスパーソンの『現在欲しい物』を調査した結果、多数の意見は納得の順位ですが、少数意見を見ると、年代によって欲しいものが変わってくるようです。
キャリアデザインセンターは25~34歳の若手ビジネスパーソンを対象に『現在一番欲しいものは何か』を尋ねた意識調査を行いました(キャリアデザインレポート2012 購買意向調査)。
グラフ:キャリアデザインレポート 現在一番欲しいものをひとつ挙げて下さい
男性の20代、30代は共に1位『家』、2位『車・バイク』、3位『お金』という結果になりました。特に『家』は20代で20.3%、30代で21.7%と非常に高く、家を欲しいと考えている若手ビジネスパーソンが多くいるということが分かりました。
『車・バイク』は20代で17.5%、30代で15.2%、『お金』は20代で11.1%、30代で9.7%と減少していきます。年収は20代よりも30代の方が高くなる傾向があるため、車・バイクは手に入れた人もいるでしょうし、お金も20代よりは欲しいと思わなくなるようです。
しかし30代になると上昇していく意外な『もの』もありました。30代で5位となったのは『時間』で7.4%。20代の5.5%から1.9ポイントも上昇しています。また30代の『自由・ゆとり・安心』は20代より2.2ポイント上昇して5.1%となっています。
男性は30代になると年収は上がる反面、その分仕事が忙しくなり『時間』や『自由・ゆとり・安心』といったものが手に入りにくくなるという現実が見えます。
女性のランキングからは、社会問題も見えてくる?
女性の場合、20代の1位は『お金』、2位『家具・洋服・小物』、3位『家』、30代の1位は『お金』、2位『家』、3位『家具・洋服・小物』となっています。
男性と共通して『お金』と『家』が上位にランクインしています。しかし『お金』に関しては男性とは違い、20代の18.3%から30代では19.4%と上昇傾向にありました。
これは日本が抱える女性の社会進出の遅れに問題があるのかもしれません。国税庁のまとめた民間給与実態統計調査によると、女性の平均年収は25~29歳で294万円、30~34歳で296万円、35~39歳で292万円と、年齢を重ねても年収は横ばいの傾向があります(規模別及び年齢階層別の給与所得者数・給与額 その3)。仕事を続けていても年収が上がらないことで「お金が欲しい」と思う人が増えていると思われます。
また男性では30代で大きく上昇した『自由・ゆとり・安心』の場合、女性の20代4.3%から30代では3.2%と減少していました。
女性の場合は30代になると『自由・ゆとり・安心』は手に入りやすいものの『お金』は手に入りにくいようです。
フリーワード回答の中には、頷ける回答もちらほら?
今回の調査はフリーワードによる回答をカテゴリー別に集計してあります。カテゴリー別集計からは、今のビジネスパーソンの年代による違いが見受けられます。
フリーワードでの集計ですので、『自分への絶対的な自身』『自由に使えるお小遣い』『ビンテージもののエレキギター』など、おもしろい回答もありますので、ぜひフリーワードでの結果もご覧ください。中には頷けるものがあるかもしれませんよ。