エンジニアが仕事に求めるもの、そのすべてを高い次元で叶えてくれるのが自動車業界だ。「待遇」「開発環境」「将来性」、いずれをとっても他業界とは一線を画する優位性を誇っている。
まず大きな前提として、自動車業界は成熟産業でありながら、依然成長を続けている業界であるということ。たとえば、同じ成熟産業である半導体業界と比べるとその元気のよさがよく分かる。2005年1月から12月までに日本の半導体の平均価格は19%も下落(世界半導体出荷統計調べ)。日系の半導体メーカーは苦戦が続く一方、日本の自動車メーカーは好調を維持している。トヨタ自動車の売上を例にとれば、2002年の15兆円から2006年では20兆円へと大幅に増加。部品関連メーカーも軒並み業績を伸ばしている。特に中国・東南アジア向けの輸出は絶好調で、これらの地域ではオリンピック特需やODA開発援助によって急速に道路網が整備されており、今後も「ハード(道路)が整う」→「ソフト(車)が売れる」という流れは続く。
世界的にCO2の削減・省エネ化の流れが加速中。この分野の技術力で他業界に先んじている日本の自動車関連メーカーには、今後も長期的な成長が見込まれている。
しかし、この好況下で自動車業界では技術者が不足しているのが現状だ。そこで異業種で経験を積んだ人材の出番となるわけである。詳細は次頁に譲るが、自動車開発で必要とされる技術分野は幅広い。異業種人材が活躍できるフィールドは限りなく広がっている。
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