| ここまで自動車業界のおける転職市場を見てきた。でもやっぱり成功のコツは、実際に転職を決めた人に聞いてみるのが一番手っ取り早い。転職活動時にどう自分をアピールしたのかを中心に異業種転職を果たしたエンジニアに聞いてみた。 |
| 「やっぱり自動車開発に関わりたい」 社会へ出て3年ほどが経過したころ、坂西毅氏はその思いを抑えきれず行動を起こす。まず、プログラマとして勤めていたIT企業を退職。その後公共の職業訓練校へ入校してCADツールの基礎を半年間みっちり勉強した。自動車業界未経験のまま、みずから退路を断ってキャリアをリセットしたのだ。 「当時30歳を超えていたので、ラストチャンスだと思っていました。正直なところ焦りも感じていました」 そんな03年4月、職業訓練校の紹介でイズミ工業(当時)の求人を知る。派遣会社を通じての募集だった。仕事内容はピストンの設計開発。小学校のときからモトクロスに惹かれて、自己流ではあるがボディやエンジン周りの分解や組み立てを何度も経験していた。 「未経験でしたので、『派遣』という働き方も選択肢のひとつだと考えていました。何とか自動車業界に潜り込みたい。その一心だった」が、好きという気持ちだけで転職に成功するのは難しいと思っていた。坂西氏は冷静に自分の置かれている立場を捉えていた。 「業界経験がないマイナス面は大きい。これを補う意欲を具体的に示すため、レース活動を通じてエンジン本体にじかに触れてきた経験をもとに、ピストンやエンジンの機構や構造を熟知していることをアピールしました」 図面を完成させる実技試験も好成績を収めた。退路を断って必死に勉強したことがここで活きた。こうして坂西氏は自動車業界で働くチャンスを得た。 坂西氏は04年に正社員として採用され、現在はディーゼルおよびガソリンエンジン用ピストンの金型設計を担当。温度調節や素材選び、鋳造のシミュレーションを繰り返すなかで、専門技術の奥深さを実感する毎日を送っている。 「アジアのマーレグループで初の最新金型設計にも携われ、各国技術者が集まる会議にも出席できた。可能性を信じたことが今につながっているんです」 念願だった自動車エンジニアの仲間入りを果たした坂西氏。未経験からの転職を成功させたのは、派遣から正社員というステップを踏んだ冷静さと、自動車開発そのものに対する情熱だった。 |
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