自動車業界に転職したいと思っている人は、まず自分が完成車メーカーとサプライヤー、どちらに向いているのか志向をチェックしてみよう。AとB、合わせて20の項目で当てはまるものにすべてチェック。チェックの数であなたの志向が分かる。

ここ数年、自動車業界の求人ニーズは高い水準で安定している。トヨタ自動車に代表される完成車メーカーの好業績、それに伴う開発サイクルのスピード化がその大きな要因。不景気だった90年代半ば以降、業界全体で採用数を控えていた事情も手伝って、現在の開発現場は常に人手不足の状態だ。 とはいえ、人材の流動性が高くないのが自動車業界。そこで各メーカーは、異業種人材に活路を見出そうとしてきたわけだが、「最近、異業種エンジニアに対するニーズの質が変わってきた」と技術者専門の人材紹介会社テクノブレーンでキャリアコンサルタントを務める鍛冶景介氏は語る。 「3?4年前はメーカー側も手探りの状態で幅広く人材を集めていたのですが、現場が求めるエンジニアのスペックが明確になってきて、『この技術、この経験を持つ人』といったピンポイントの求人が増えていますね」 ただし、異業種人材が充足しているのかといえば、やはりそうでもない。「いい人がいれば常に採用したい」というのが自動車関連メーカーの本音だ。 こうしてニーズの盛り上がる自動車業界に向けて「いざ転職活動！」というときに注意したいのが、完成車メーカーとサプライヤーの違い。ココを見落としてうかつに転職すると、入社後、イメージとのギャップに悩まされる可能性が高まるとキャリアデザインセンターのキャリアドバイザー山田理人氏は語る。 「完成車メーカーに対して、『クルマの開発に広く関われる』と考えている方は多い。それぞれの企業や職種によっても変わりますが、大きな組織ゆえに役割が細分化されているケースもある。逆にサプライヤーでは、少人数ゆえに幅広い業務を任せてもらえることが多い」 作るものを決めるのが完成車メーカーであり、決められたものを作り込むのがサプライヤーという違いもある。どちらが自分の志向に合っているかをよく考えて応募先を決めたいところ。下に志向チェックリストを参考に、どちらに向いているのか判断する際の参考にしてほしい。 Column ニーズ急騰中の異業種人材はコレ！ 生産技術者とソフトウエア開発者 盛り上がる自動車業界の転職市場において、特にニーズの高い職種として挙げられるのが、生産技術職とソフトウエア関連職種だ。生産技術の場合、好景気に伴う生産量増加に加えて、新しい人材もある程度の業務経験がないと仕事にならず、新卒採用では補充しにくいという事情がある。一方のソフトウエア関連職種に対する引き合いは今後さらに強まると鍛冶氏は話す。 「自動車に占めるソフトウエアの割合は確実に増えていきます。今はその初期段階で、現場では開発の効率化が大きなテーマ。プラットフォーム作りを担えるような経験豊富なエンジニアが求められています」 軽量化、環境負荷の低減、騒音の抑制など開発課題に事欠かないのが、自動車開発。材料や燃料電池、パワーエレクトロニクス、ITSといったキーアイテムに関連する要素技術を持つエンジニアにとっては、依然ビッグチャンスの時期が続いている。 電化製品を使ってみると、「こんな機能があったらなぁ」とよく思い付く 忙しくなればなるほどアドレナリンが出てくる 揉め事、ケンカの仲裁が得意だ 飲み会では相手を立てることが多い 何か問題が起こったときに、「そもそも論」で議論することが多い クロスワードパズルや将棋など頭を使うゲームが得意だ 突然スピーチを任されても、アドリブで何とかするタイプだ 後輩にあなたの熱狂的ファンがいる、または、いたことがある 旅先での行動はこれでもかというくらい綿密に計画する 場の空気を読めない人をどうしても好きになれない   「○○といったらアイツ」と人から第一人者扱いされるとうれしい サッカー日本代表はジーコジャパンよりトルシエジャパンの方が好きだった ファッションはデザインよりも機能優先である 400mチームリレーの選手になるより、100m走の選手になりたい 期待されると、それ以上の成果を残そうと頑張ってしまう 学生時代のテストでは、制限時間が過ぎても粘るタイプだった 「事件は現場で起こってる」のセリフはまったくそのとおりだ 大学受験のときには、なるべく友人とも遊ばずに勉強に集中していた ユーザーの評価もさることながら、専門家からの評価に大きな喜びを感じる セミプロレベルに到達している趣味がある 部分最適から全体最適を見つけていく完成車の開発。開発工程の効率化を考える、対立する意見の妥協点を見出すなど、全体を考えたうえで行動できる人が求められている。持ち前のバランス感覚で調整役もでき、人を引っ張るバイタリティも持つあなたは完成車メーカー向きかもしれない。 「完成車メーカーが求める品質」という明確な目標に対して、全力を尽くせるのがサプライヤー。現場の開発を幅広く担当でき、技術的な貢献が期待されるのが特徴だ。特定分野で秀でたいという志向があり、複雑な仕事よりひとつのことに集中できる仕事を求めるなら、サプライヤー向きだ。