有名ヘッドハンター
小松 俊明さん
外資系ヘッドハンティング会社、ハドソン勤務。外資系のエグゼクティブをはじめ、多くの人材をヘッドハンティングしている。「デキる部下は報告しない」ほか著書多数
フリー人事コンサルタント
所 由紀さん
リクルートを経てHRM(人事)コンサルタントとして独立。最新のキャリア事情についての講演・執筆多数。著書に『偶キャリ。「偶然」からキャリアをつくった10人』がある
ベテランキャリアアドバイザー
酒井 康弘さん
『typeの人材紹介』のキャリアアドバイザー。コンサルティング業界、IT業界、サービス業界などを中心に多くのキャリア相談に乗っている
あなたの「キャリアノイローゼ度」をチェック!
同世代の同期がいない |
考えることは好きだが腰が重い |
キャリア目標は必要だと思う |
悩みは人に言わない方だ |
雑務でもとことん完璧にやらないと気が済まない |
自分の主張には説得力があると思う |
失敗を人のせいにしてしまう |
筋が通っていないことは嫌いだ |
自分の考えは突き通したい |
上司の言っていることに納得いかないことが多々ある |
チェックの数が・・・
8つ以上の人 : 今すぐ、キャリアアドバイザーもしくは医師に相談を!
4?7つの人 : あまり悩みすぎず、今の仕事に注力しましょう
3つ以下の人 : 何も問題はありません
▽チェックの数が多かった人は、今回のコンテンツは必読!▽
将来を真剣に考えて悩みは深まるばかり
大手商社に新卒で入社して7年目を迎えた村木隆氏(29歳・仮名)。仕事も社内の人間関係も良好だ。最近では部長からも「見込みがあるヤツ」と評価され始めた。「でも、評価されればされるほど、内心は落ち込んでしまうんです」
村木さんの悩みの種は、入社から一貫しての人事部勤務にある。「もともと僕は、海外で大きなプロジェクトに関わりたくて商社に入ったんです。だから、事あるごとに営業への配属希望を出してきた。いつかはかなうだろうと、人事の仕事を一生懸命やっていたら、もう今年で30歳に。焦って部長に直談判したら『お前はウチに必要なんだからいいじゃないか』と受け流されてしまって……」
仕事で手を抜けば、部長からダメなヤツと烙印を押される。かといって、これ以上人事部で評価されると営業はますます遠のく、というジレンマに陥ったのだ。人材紹介会社に相談に行ったところ、『人事のプロとして腹をくくったら?それともリスクは大きいけど転職する?いずれにせよ、年齢的に早く決めた方がいい』と言われ、悩みは深まるばかりだ。
村木氏と同じように、将来の仕事のことで悩み、「最近、仕事が手に付かなくなってきた」と言うのは食品メーカーに勤める中尾憲司氏(27歳・仮名)だ。
「就活時は氷河期で、やっと内定を取ったのが今の会社。かなり安定した会社なのでラッキーと思ったのですが、何年働いてもスーパーや卸店を回る仕事が好きになれない。最近は転職がしやすくなったので、自分の唯一の趣味である映画関係の会社に転職しようかと悩んでいるんです。でも、語学や業界経験が必須なので、そう簡単に映画会社には転職できそうもありません」
いっそアルバイトで映画会社へ入ろうかとも考えたという。「そもそも趣味を仕事にしてもよいのかという悩みもあります。考えれば考えるほど、今の仕事がつまらなく思えるんです」
“適職探しのワナ”に落ちる人が増加中
村木氏や中尾氏のように将来のキャリアに悩むのは、人材流動化が進み、キャリアが多様化した今、当然のことかもしれない。だが、悩みすぎて現職の仕事に支障を来したり、天職を求めて転職を繰り返すようになると事態は深刻だ。ここまで来ると、もはや「キャリアノイローゼ」というしかない。
その悩みはさまざまだが、タイプ別に見ると、「そもそも適職が分からないと悩む『自分探し』タイプの人が多い」と言うのはHRMコンサルタントの所由紀さんだ。
「こんな仕事がしたい、こんな会社に行きたいというのがなく、漠然と転職したいという人が増えています。こうなるとカウンセラーも困ってしまうのですが、よく聞くと『ちゃんとしたキャリアを作りたいから』という思いが根底にはあるのです」
ほかにも、冒頭のケースのように理想と現実のギャップに悩むタイプ、趣味を仕事にするかどうか悩むタイプ、あるいはやりたいことは明確だが現状の空回りに悩むタイプなどの人がいるという。
外資系転職を中心に、多くの転職相談に乗るヘッドハンターの小松俊明氏は、キャリアノイローゼをこのように説明する。
「典型的なケースは、今やっている仕事が将来どう役立つのか?という不安です。そんな不安を抱く原因としては、仕事にやりがいがあって頑張っているが評価されない、そもそもやりたいことをやらせてもらえない、上司や周囲と馬が合わず評価されない、頑張っているが単純に成果が出ないなど。これらの人がキャリアノイローゼになりやすいのです」
こうした悩みはあって当たり前。だが、それが増幅してしまう理由を、所さんはこう分析する。
「格差社会で負け組に入ったら人生おしまい。そうならないために、ちゃんとキャリアを描かなければ、という強迫観念が広く蔓延しているからでしょう。情報に惑わされている面もあると思います」
特に20代が陥りやすいと話すのはキャリアアドバイザーの酒井康弘氏だ。
「いわゆる就職氷河期世代は、就活の時にそもそも会社を選べる状況になく、選ぶことよりも働くことが優先でした。それが今は転職がしやすく選べる状況にある。もう会社選びで失敗はしたくないと完璧を求め、身動きが取れず悩みが増幅するのです。悩みを解消するために資格やMBA講座に走る人も増えています」
Q.将来の自分のキャリアについて悩んでいますか?
「はい」と答えた人の多くが、「これから先が全く見えない」など将来に対する漠然とした不安をその理由として挙げている
※キャリア転職サイト『type』会員へのアンケート結果(有効回答者数310名)
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