株式会社キャリアデザインセンター
人材紹介事業部
板高昌宏さん
空前の売り手市場といわれる今、大手企業の人材のハードルは、以前と比べて下がり気味になっていると、キャリアデザインセンター人材紹介事業部の板高昌宏氏は語る。
「以前は未経験者の採用など考えられなかった企業でも、ポテンシャル人材を採用し始めています。そういった企業に対し、あこがれを抱く第二新卒レベルの人が転職にチャレンジするケースが多く見られるようになりました」
ただし、採用を活性化する企業が増えた分、選択に迷う人材が増えたのも確か。
「行きたい会社とその理由がしっかりと定まっており、スキルも高い人は、すぐに決まるのが昨今の状況。しかし、スキルはあるのにターゲット企業を絞れないといった理由で、満足のいく転職活動ができない人も多いのが現実です」
転職対象企業を絞りきれないのは、いくつかの理由がある。まずは、転職者側にそもそもの“自分軸”が定まっていないということ。
「優先したい軸が定まっていれば、面接時の確認忘れも防げます。また、複数の企業が選択肢に並んだ場合、自信を持って1社に絞ることができるはずです」
ちなみに、転職理由で最も多いのは、「社格を上げたい」という理由。給与や待遇、働く環境、ブランド価値などにおいて、今の会社よりも一段上に行きたいという人が多いという。「社格を上げる」というのが転職理由でも全く問題ないが、軸として考えるためには、給与なのか環境なのか、優先順位をもう少し具体化することが必要だと、板高氏は話す。
「転職に際し、迷わない人などいません。辞めたいと思った直接的な理由ばかりが頭の中を占めてしまいますが、それ以外に本当の理由はないのか、早い段階から意思を明確にしておきましょう」
転職後の幸せを決める「3高」の条件
「自分は転職に何を求めるか」という軸を固めるために、辞めたいと思った決定的な理由を含め、譲れない3つの軸を固めてみよう。なお、この3つの順番や内容は、活動中に変わってもOK。初めは給与第一だったが、仕事内容にこだわりを持っていたなど、活動中に気付くこともあるからだ。まずは自分の軸を固めよう。
これが最高の組み合わせ!「3高企業の条件」
何を重視すれば良いのか分からない人のために、エンジニアtypeオススメの3軸を紹介。また、求人票からは見抜けない本音を探るためのチェックポイントを挙げてみた。企業の本当の姿を見極める一助にしてほしい。
技術力 “有名人”や“物語”の痕跡を探せ!
IT企業の場合、開発言語や手法に関する有名人が活躍している企業が狙い目。モノづくり企業は、「この部品に関しては大手も教えを請うてくる」といった物語があると良い。日頃からのリサーチが大切だ。
年収 年俸と月給制のカラクリを理解せよ
例えば年俸700万と、月給制で年収550万との違いは何か? 前者は残業代込みの年俸かもしれないし、後者は残業代が別かもしれない。月に35時間を超えるような残業をした場合、後者の年収が高い可能性もある。
社風 内定後なら現場チェックも可能
人間関係や開発環境は重要なポイントだが、人事との面接だけでは判断に迷う。内定獲得後なら、一緒に働く可能性のある人との面談を申し込むことも可能。ぜひとも本音を聞いてみたいところだ。
譲れない“自分軸”を見定めよ
転職対象企業を絞り込めないもう1つの理由として、企業側もアピールがしにくいという理由もある。
「環境の善し悪しや技術力の高さなどは、主観的な判断に左右されるため、どうしても万人受けしやすい表現に落ち着きがち。こういったことは、転職者側から聞き出してあげないと、良い情報に出会えない可能性があります」
その企業にとっては普通のことも、転職者にとっては得難い情報かもしれない。だからこそ、優先軸に応じて、『○○はあるか』、『○○はできるか』など、具体的に聞き出していく必要がある。
いずれにせよ、転職に必要なのは、“自分軸”。譲れない3つの軸を定め、転職を成功させよう。
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