給与交渉
給与交渉は自分からしていいのか、誰もが気になるところ。するなら、いつの時点か。それは微妙な問題だ。
「内定が出た後にするのがよいと思います。また、会社によっては一次面接の時に確認されることも。人事担当者から話が出る前に、『いくらもらえますか?』などと面接で切り出すのはダメですね。『給料へのこだわりが強い人だな』と敬遠されます」
転職で年収アップを実現したいのは山々だが、キャリアが活かせる転職の場合か、会社の格が上がった場合でなければ年収アップは難しい。
「現状維持が相場です。例えば年収400万円の人なら、転職後も400万円。その人が、転職先に450万円の希望を出すなら、この春に昇給して450万円になるとか、内定が出たもう一社が450万円だとか、根拠を示す必要がありますね」
希望額として提示しても角が立たない線は、前職比50万円アップ程度を考えるといい。いつ譲歩するかなど、交渉には空気を読む力も必要だ。
退職交渉
転職先から内定が出たら、次の課題は、退職交渉をいかにスムーズに進めるかになる。辞める意思を伝えてから退職日までは2週間というのが法的な最低ライン。だが円満退職のためには、少なくとも1カ月は見積もるべきだろう。
「退職の意志を告げる前に、まず引き継ぎに必要な期間など計算し、転職先の人事に告げる入社予定日を決めるといいでしょう。また、『退職交渉をしてみないとわかりませんが、早ければ○月×日、遅くても○月×日には……』という話の進め方をするとリスクヘッジになりますね」
退職の意志は、まず直属の上司へ伝えること。そうすれば人事からアプローチが来る。気をつけなくてはいけないのが、いきなり人事に辞表を出すのはNGであること。上司がなかなか退職を認めてくれないなどの場合のみ、人事に辞表を持って行くなどの強硬手段を採るようにしよう。また、退職交渉でもめて、入社時期がずれ込む可能性が出た場合、転職先の人事に状況をマメに報告すると、トラブルを防げる。