POINT1 手続きは同時進行で迅速に
新しい会社が決まったら、早速「退社願」を提出する。一方的と思われないよう、直属の上司と相談して退社予定日を決めるのが得策だ。特にエンジニアの場合、関連するプロジェクトのスケジュールも考慮すべきだろう。
退社時には身分証明書や健康保険証はもちろん、支給されたものはすべて返却するのが原則だ。逆に離職票、雇用保険被保険者証、年金手帳、源泉徴収票など、退社後に必要になる書類を受け取るのを忘れずに。また、確定申告など、自分ですべき事柄は忘れずにチェックすること。
「税金」「保険」「年金」などのお金に関わる手続きは、在職中は給料天引きのため、意外とルーズになりがちだ。ちょっとした不注意であとあと面倒が起こりやすいものだけに、面倒がらずにきちんと確認し、手続きを済ませよう。退職をしても、意外なところで前職と関わることもある。“立つ鳥跡を濁さず”が鉄則だ。
POINT2 税金
「住民税」は退職時に未納分を納入する必要がある。1?5月に退職した場合は5月までの未納分を退職時に一括納入。6?12月の場合は、退職時に一括か、年4回の分割のどちらかの支払い方法を選択できる。納入方法に疑問や問題がある場合には、会社に相談してみるのもひとつの手だろう。「所得税」は、納めすぎていれば源泉徴収票を提出すれば、年末調整の際に還付される。源泉徴収票の提出方法は2種類ある。退社年の12月までに再就職したのであれば、新しい会社に提出すれば、年末調整の手続きをしてくれる。一方、再就職が翌年以降に持ち越された場合には、翌年の確定申告期間(2月15日?3月15日)に、所轄の税務署に行って確定申告を行う必要がある。
POINT3 保険
失業時の保険で注意すべきなのは、失業期間の収入に関わる「雇用保険」と、医療に関連する「健康保険」の2つ。「雇用保険」の失業等給付には、(1)失業状態で被保険者の資格消失が確認できる。(2)離職日以前の1年間に満6カ月以上、雇用保険に加入していた。(3)ハローワークに休職申し込みをしている----などの受給条件が設けられている。受給期間は退職日の翌日から1年間だけなので、失業期間が発生したなら、すぐに手続きすべきだろう。「健康保険」には、「国民健康保険」(医療費の3割本人負担。退職日の翌日から14日以内に手続きが必要)とそれまでの健康保険を離職後2年間まで適用できる「任意継続被保険者制度」(本人負担が2割。ただし事業主負担分の保険料は本人負担。退職日の翌日から20日以内)の2種類がある。市町村役場でよく内容を確認して、速やかに手続きを済ませたいものだ。
年金
20歳以上60歳未満の人は国民年金への加入が原則。就業中は第2号被保険者(国民年金と厚生年金か共済年金に加入)だが、失業期間中は第1号被保険者(国民年金のみ)に変わるので、市町村役場で変更手続きをする必要がある。扶養義務のある配偶者も同様だ。未払い期間があると減額になったり、場合によっては年金が受け取れなくなることもあるので、必ず手続きしよう。