“断わっていい仕事の境界線”を4人のオトナに聞いたら、「無駄なことはしたくない」若手に必要な習慣が分かった
働き方改革が進み、「効率よく働くこと」が推奨されるようになってきた。とはいえ、会社の中にはまだまだ「これって本当に必要?」と言いたくなるような仕事、慣習も残っているのでは?
「無駄なことはしたくない」。それが20代の本音だけど、そうとも思っていない先輩たちもいるし……。
そこで20’s typeでは、特集「20代の『いい断り方』って何?」を実施。断っていい仕事、だめな仕事、どうやって見極めるべきなのか、各分野で活躍している4人に聞いてみた。
本記事では「断わっていい仕事の境界線」はどこにあるのか、改めて4つの記事から紐解いてみよう。
【産業医・大室正志】なんでも“無駄な業務”と切り捨てる若手と、仲良くなりたい人はいない
産業医として長年さまざまな企業の若手社員を見てきた大室正志先生。
大室先生自身は「頼まれた仕事は基本断らずにすべて受けてきた」そうだが、産業医としては「ときには業務を断わって、ワークライフバランスを保つことも大切」だとアドバイスする立場。
そんな大室先生に話を聞くと、「全てを“無駄な業務”だと切り捨てるのは、実は一番自分へのリターンが少ない行為」という答えが返ってきた。その言葉の意味とは……?
自分の成長のためだけに仕事をしている人間って、ウザくないですか(笑)? 「俺が成長したいから」「俺が成長できないから」とか、そんなことばっかり言う“脳みそマッチョ”なんかと、仲良くなりたい人なんていないですよ。そうやって自分にしか興味がないと思われることって、何度も言いますが中長期的には大損です。
記事を読む>>産業医・大室正志流“断る/断らない仕事”のボーダーライン「“無駄な業務”を切り捨てる20代を、誰も助けようとは思わない」
【編集者・箕輪厚介】実力がないうちは「断る/断らない」なんて次元にいない
次に話を聞いたのは、幻冬舎の編集者・箕輪厚介さん。
てっきり「意味がない仕事は全部断れ」なんて答えが返ってくるかと思いきや、箕輪さんの口から出たのは至極まっとうな話。
“型破り”なイメージが強い箕輪さんが今あえて、“普通の話”をしてくれた真意とは……?
そもそも実力がないうちは、「断る/断らない」なんて次元にいないんです。僕やホリエモンが「やりたいことをやれ」みたいな論調をつくっていて、それはそれで真実ではあるんですけど、最初は「やるべきこと」をやるしかない。
記事を読む>>「変な若者が生まれ過ぎ」幻冬舎・箕輪厚介に20代のいい断り方を聞いたら“普通の話”が返ってきた
【文筆家・塩谷 舞さん】自分にとっての心地よさとは何なのか、諦めずに考え続けよう
3人目に登場したのは、文筆家の塩谷 舞さん。「断わる/断わらないは人それぞれ違っていい」というのが、塩谷さんの意見だ。
さらに断わる基準をつくる上で、「自分にとっての心地よさとは何なのか、諦めずに考え続けること」が大事だとアドバイスをくれた。
一番悲しいのは「あの人が断ってるから断わる」とか「若手なんだから断わらずに雑用をするのは当然」みたいに思考停止してしまうこと。自分の価値観に蓋をして思考停止モードを続けてしまうと、それが知らないうちに自分自身を蝕んで、感性が鈍ってしまいます。
記事を読む>>20代の頃はどんな仕事も引き受けていた塩谷舞が「仕事を断わる」ようになった理由
【プロ営業・高山洋平さん】誰かに損をさせるくらいなら断ってもいい。ただしカバーすることも忘れずに
特集の最後に登場したのは、株式会社おくりバントの代表で「プロ営業師」の異名を持つ高山洋平さん。
営業職というと「お客さまの仕事はできるだけ断らない」というイメージも少なくないが、高山さんからは「若者なら頼まれた仕事は何でも引き受けなくちゃいけない、という考え方は不健全だ」という回答が返ってきた。
結局のところ「断る/断らないの基準」って、「自分が納得できる仕事かどうか」だと思うんですよ。納得している仕事なら断わらないし、成果も出しやすい。でも何のためにやるのか分からない仕事って断わりたいし、断われなかったら嫌々やるから、高いパフォーマンスが出にくい。
記事を読む>>プロ営業師が教える20代が‟断ってもいい”3つのパターンと、関係が円滑に続く断り方
自分にとってのボーダーラインは、「考える癖」を身に付けることで見えてくる
今回の特集に登場した4人の「断るボーダーライン」はさまざまだったものの、共通していたのは、全ての仕事において「こんな業務、無駄じゃない?」と短絡的に判断するのは危険だということ。
さらにそれぞれのアドバイスには「頼まれたものが、自分にとってどんな仕事なのか考えるべき」、「そうやって経験を積んでいくうちに自分のボーダーラインが分かってくる」という共通点もあった。
「言われた仕事だから」と何の目的もなく仕事を引き受けたり、逆になんとなく仕事を断ったりする人は、最終的に損をする。
なぜ自分はその仕事をするのか、相手にとってはどんな意味があるのか。「頼まれた仕事を自分がやる理由」を改めて意識してみよう。その都度考えることを習慣化できれば、自分だけの「断わっていい/断わっちゃダメな仕事のボーダーライン」が見えてくるはずだ。
企画・文/大室倫子
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