転職時に好印象な給与交渉方法は?やってはいけないNGポイントも紹介
転職で経験やスキルを評価され、年収アップに成功する人がいる一方、やりたい仕事が希望の年収に満たなかったり、年収が下がってしまったりする可能性もあるため、不安を感じる人も少なくないでしょう。
転職で給与アップを狙う人、給与ダウンを防ぎたい人のために、本記事では、次のような点について詳しく解説していきます。
・好印象な給与交渉の仕方・ポイント
・パターン別給与交渉の言い方・伝え方例文
・給与交渉で内定を取り消されることはある?
・給与交渉でやってはいけないこと
給与について不安なく転職できるよう、給与交渉の方法を学んでおきましょう。
目次
転職で給与は上がる?下がる?
実際、転職で給与は上がるのでしょうか?下がるのでしょうか?
厚生労働省の令和2年雇用動向調査(転職入職者の賃金変動状況)によると、 転職後に給与が増えた人の割合は34.9% という調査結果がでています。
逆に 減少した人は35.9% で、増加した人と同じくらいの割合ということがわかります。
転職後も変わらない年収を希望する場合や、給与アップを望んで転職する場合、応募先の企業と希望額を交渉する必要があるかもしれません。
転職活動で給与交渉は可能?
転職する際に給与交渉していいのかと悩む人も多いようですが、結論から言えば、 給与交渉はできますし、マナー違反ではありません。
給与はどのように決まるのか
給与は、主に次の2つの基準で決まります。
・企業の給与テーブルに合わせて決定
・前職の年収を参考に、スキルや経験を考慮して決定
企業には、役職、職務、年齢などを考慮した「給与テーブル」を設定しているところが多く存在します。転職者の給与は、給与テーブルと照らし合わせ、前職のスキルや経験を考慮して最終的な金額が決定されます。
給与交渉はしてもOK
給与交渉をしづらいと思う人が多いようですが、マナー違反とみなされる行為ではありません。特に給与面を1番に重視している場合、希望に合わないのに働き続けるのは無理が出てくるため、必要であれば交渉してもよいでしょう。
ただし、採用に影響する可能性があるので、 交渉の仕方には気をつける必要があります。
給与交渉する場合の最適なタイミングとは?
給与交渉する最適なタイミングは内定後、内定承諾前がベストです。しかし、企業は給与面も含めて採用を考えるため、面接中に希望年収を質問する場合があります。
転職活動中の給与交渉のタイミングはどちらも考えられるため、両方に備えておくと安心です。
内定後、内定承諾前のタイミングが交渉しやすい
給与交渉のタイミングは、内定後から内定受諾前のタイミングが望ましいです。理由は次の2つが挙げられます。
・内定前に給与交渉をすると、採用に影響する可能性がある
・内定後だと応募者が有利に交渉を進めやすい
また、内定後に入社後の条件や入社日を決定するオファー面談がある企業では、その前に伝えておくのがおすすめです。
ただし、これらを守ったとしても、募集要項を大幅に超える要望や、希望年収を低く伝えておいて、後から吊り上げるような行為は印象が悪くなるのでやめましょう。
面接中に希望年収を聞かれた時の答え方
企業は自社の採用条件に合っているかを確認するため、面接中に希望年収を聞くことがあります。その際、自身の 希望額をはっきりと伝えて問題ありません。
ただし、企業の募集要項と希望年収があまりにもかけ離れていると、採用には繋がりづらくなります。逆に希望年収が低すぎたり「いくらでもいいです」といった返答は、自身の価値を下げることになります。
希望を伝える場合は、前職の年収や、自身のスキルや経験などを踏まえ、希望とする金額の根拠を明確に示すことで相手に伝わりやすくなるでしょう。好印象な給与交渉の仕方・ポイント
給与は企業、応募者双方にとって大事なポイントです。ただし、「お金の話ばかりする」という印象を与えてしまっては、一緒に働きたいと思ってもらうことが難しくなってしまいます。
ここでは、応募企業へ悪印象を与えずに給与交渉をするために必要な準備や、考え方を詳しく解説していきます。
給与交渉前にしておくべき準備・希望年収の決め方
転職先と給与交渉を行う際、給与に対する具体的なイメージを持って説明をすれば、企業に納得してもらいやすくなります。
給与の交渉前にするべき準備として、希望年収の決め方を、5つに分けて詳しく解説していきます。
①求人情報から転職先の平均給与・年収などを確認
転職先の企業の平均給与や年収など、企業の給与水準を把握しておきましょう。事前に調べて、希望金額を伝える際の参考にしておけば、企業が採用を前向きに検討する材料となります。
求人情報に目安となる給与が掲載されていることが多いので、転職先の企業の給与を職種とともに調べるとよいでしょう。
②転職先の業界・職種の給与相場を事前に確認
給与は業界や、職種によってだいたいの相場が決まっています。転職先の業界や職種の相場を事前に確認しておき、相場を大幅に超えた金額を提示して不採用になることを避けましょう。
③自分の市場価値の目安をつける
交渉の際、自分の市場価値はいくらなのか知ることは大切です。市場価値がわかれば、根拠のある適正な金額で交渉可能です。
同業他社の求人情報を調べたり、複数の企業に応募する中で提示される給与を参考にしたりすることで、自分がどの程度の年収で転職が可能なのかの目安を付けられます。
④交渉に使える根拠を揃える
交渉の際、 どうやって希望金額を算出したのか、客観的な根拠を説明できるように準備しておきましょう。
前職の年収だけでなく、培ったスキルや経験から見合う金額であることを、データと共に具体的に説明できれば、面接官を説得できる可能性が高くなります。
⑤給与の最低ラインを決めておく
転職を考える際には、給与の最低額と希望額を決めておくことが大切です。
最低ラインを明確にしておくと、入社に悩んだ時の判断の一つにできるからです。やりたい仕事であっても、最低ラインを下回る給与では生活が成り立たないとわかっていれば、すぐに入社すべきか判断できるでしょう。
給与交渉の際には、 理想とする金額と最低ラインの金額の2つを考えておき、その範囲内で決着をつけられるように交渉することが大切です。
給与交渉をスムーズに進めるコツ
給与交渉をスムーズに進めるにはコツがあります。ここでは希望年収を決めたあとの交渉方法のポイントについて、4つに分けて解説します。
①給与に関する質問には即答を避ける
給与に関する質問をされたら、即答することは避けてください。面接ではっきりと答えることは大切ですが、給与は企業にとっても重要な問題です。
面接の場等で、希望額より低い金額を提示された場合、その場でOKの返事をしてしまうと後から覆すことは難しくなります。逆に、頭ごなしに「無理です!」と返事してしまうのも印象が良くありません。
もちろん、希望額以上の提示を受けた場合は即答して良いかもしれませんが、 「もう少し考えたい」「後日相談の機会が欲しい」などと返事をし、その場で決断しないのも選択肢の一つです。
②他の内定企業の条件を元に交渉する
給与交渉は、他社からの内定条件を元に交渉するのも一つの手です。
大切なのは伝え方で、「年収以外の条件では、御社に入社したいと思っているのですが、他の企業からは〇〇万円の年収を提示して頂いています。この給与水準に近づけていただけると嬉しいのですが、ご検討いただけますか?」などと交渉するとよいでしょう。
③自分の仕事を金額換算して伝える
希望額を提示する際には、その根拠を明確に示せることが大切です。
しっかりとした根拠のある金額ならば企業も納得しやすく、検討の材料となりえます。そのためには、 自分の仕事を外注した際の金額を出してみるのもおすすめです。
具体的な金額があれば、納得のいく説明ができ、交渉を有利に運んでくれるでしょう。
④転職エージェントを活用する
自分で交渉するか悩んでいる人は 転職エージェント経由で交渉してもらうのもおすすめです。
転職エージェントを利用すると、給与交渉の相談もしやすく、場合によっては交渉自体をエージェントがやってくれることがあるからです。
また、転職の専門家なので応募者の市場価値を判断し、条件や実績に見合う企業を紹介してくれるため、転職がスムーズに進みます。
転職を最大限手伝ってもらえるというメリットがあるので、不安や心配なことがあれば、相談してみるのも一つの手です。
【パターン別】給与交渉の言い方・伝え方例文
どのように伝えると、好印象のまま給与交渉ができるでしょうか?ここでは、給与交渉のパターン別に、4つの例文をご紹介します。
内定後に給与交渉を切り出す
前職でIT系の営業主任をしておりましたが、そこでの知識や経験は御社のWebサービス部門での業務に十分貢献できると考えております。
勝手ではありますが、現在480万円の年収があり、可能であれば転職後の年収も同等の金額でご検討いただければ幸いです。
面接時に希望年収を聞かれたら
理由としては、前職での新規開拓営業において常に目標の100~125%を維持しており、御社でも十分生かせる経験だと自負しております。
もしも、交渉の余地があれば、ご検討いただければ幸いです。
金額テーブルが決まっている場合
また、現実的にはどれくらいの期間で昇給があるかお伺いできますでしょうか?
面接で給与の話題が出ない場合
面接で給与の話題が全くない場合、最初から給与の話しをすると心証が悪いので、 逆質問で仕事について質問をした後に切り出します。
給与交渉で内定を取り消されることはある?
結論から言えば、 給与交渉をしただけでは内定を取り消されることはありません。
ただし、交渉の結果、応募者と企業の希望額が合わない場合は労働契約が成立しないため、不採用とするしかありません。
「最終的には決定に従いますが、ご一考いただけると幸いです。」などと、謙虚に伝えれば、企業からの印象も悪くならないでしょう。
給与交渉でやってはいけないことは?
給与交渉を好印象のまま行う方法をお伝えしてきました。ここでは、企業と給与交渉をする際に、やってはいけないNGな行為4つを解説していきます。
内定承諾書提出後に給与交渉を始める
内定承諾書を提出した後に給与交渉するのはNGです。
内定承諾書を提出するということは、企業が出した条件に合意したという意思表示になります。つまり、 内定承諾提出後に給与交渉を始めるというのは、一度合意した条件をひるがえすという信頼を失う行為なのです。
給与の面で交渉するのならば、合意をする前、内定承諾書を提出する前にしなければなりません。
自身のスキルや経験に見合わない高額な額を提示する
自分のスキルや経験に見合わない額を提示するのもよくありません。
客観的に物事を判断できない人、お金のことしか考えていない人と思われて印象が悪くなるからです。そうならないためにも、事前に自分の市場価値を調べておくことはとても大切です。
自分の希望だけではなく、客観的な数字を論理的に提示できるようにしておきましょう。
業界の水準からかけ離れた額を希望する
給与交渉をするには転職先の業界の水準に合わせた金額で交渉しましょう。
仕事内容が同じでも業界や企業によって給与水準が異なるため、知らずに希望額を提示して採用を見送られる可能性があります。
また、給与水準の高い業界から転職する場合、仕事内容が変わらなくとも業界が変わるだけで給与が低くなることがあります。
給与の希望は、転職先の水準を考慮して伝えるのがよいでしょう。
面接で待遇面の質問ばかりする
面接の段階で待遇面の話しばかりすると、企業側の心証が悪くなるので控えましょう。
業務内容や企業の将来の話よりも、福利厚生や年収、賞与の話ばかりしていては「待遇面だけで転職先を決めている応募者」とイメージづけられる可能性があるからです。
面接の段階では、待遇面の積極的な質問は控え、相手から聞かれた場合、もしくは内定後に詳細を聞くようにしましょう。まとめ
一つ一つは難しくありませんが、企業に悪い印象を与えずに給与交渉するのは大変なことです。
自信がある人は、自分で交渉して年収アップを狙えますが、うまく交渉できない場合はリスクも伴います。不安な方は転職エージェントに任せるのが安心です。
希望金額と合わないからと最初から諦めず、どんな働き方をしたいかを明確にして、納得できる転職先を考えましょう。
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