転職後に確定申告が必要なのはどんな人?申告をしなかったらどうなる?

公開日:2022年03月31日 #内定・退職 #転職知識 #その他

転職後に確定申告が必要なのはどんな人?申告をしなかったらどうなる?

転職後に確定申告が必要になる場合があります。本記事では、転職後に確定申告が必要かどうかを知りたい人に向けて、確定申告をした方が良いケースや確定申告が必要な人の特徴などを解説します。

確定申告と年末調整の違いを整理しよう

確定申告と年末調整の違いを把握しておけば、後述する確定申告が必要なケースを理解しやすくなります。確定申告とは、所得税などの納税額を申告するための手続きです。一方で、年末調整は、年間の所得税の総額と源泉徴収額の差額を調整するための手続きを意味します。詳細は、以下で解説します。

確定申告とは

確定申告とは、納税額を税務署へ申告するために必要な手続きのことです。対象の期間は、1月1日~12月31日まで。1年間の所得から納税額を算出する必要があります。

確定申告の手続きを行うのは年に1回で、翌年の2月16日~3月15日の期間中に必要書類を税務署へ提出しなければなりません。期限日の3月15日が土日祝のいずれかの場合は、次の平日が期限日になります。

年末調整とは

年末調整とは、源泉徴収額と実際に給与から差し引かれた所得税の差額を調整するための手続きのことです。給与所得者の場合、所得税は毎月会社から支払われる給与から徴収されるのが一般的です。

ただし、源泉徴収はあくまでも概算で算出した所得税を徴収しているに過ぎないため、年末にまとめて差額を調整しなければなりません。年末調整によって、所得税を多く支払っていたことがわかった場合は、従業員に差額分が還付されます。年末調整は会社が行うため、自分で確定申告する必要はありません。

給与所得者でも確定申告が必要・した方が良いケース

会社で年末調整が行われる給与所得者でも、確定申告が必要・した方が良いケースがあります。以下で詳しく解説します。

確定申告が必要な人

まず給与所得者の中で、確定申告が必要な人のケースを紹介します。以下のケースに該当する場合は、確定申告が必要です。

給与が2,000万円を超える場合

1年間の給与総額が2,000万円を超えている人は、確定申告をしなければなりません。給与収入が2,000万円以上の人は会社で年末調整されないため、自分で確定申告の手続き、所得税の納付を行う必要があります。

副業など給与以外の収入がある場合

給与収入以外に副収入がある場合は、確定申告が必要です。副業などで得た収入は源泉徴収の対象外になるため、所得税の申告が義務付けられています。ただし、副収入が年間20万円未満の場合は、確定申告は不要です。

2カ所以上から給与を受けている、不動産を売却した人など

2カ所以上の勤務先があり、それぞれから給与を受けている場合は源泉徴収されていても確定申告の手続きが必要です。また、土地や建物などの不動産を売却し、利益を得た人も確定申告の対象になります。

確定申告をした方が良い人

次に、確定申告は義務付けられていないものの、手続きしないと損をする可能性があるケースを紹介します。

10万円以上の医療費がかかった人

通院や入院、手術、薬代などの医療費が年間で10万円以上ある場合は、確定申告で医療費控除を受けられます。配偶者や子供などの扶養家族がいる場合は、家族の医療費を合算して申告できます。年末調整では医療費控除の申請は対象外のため、医療費控除を受ける場合は確定申告しましょう。

ふるさと納税などの寄附をした人

ふるさと納税や法律で定められた団体・組織へ寄付を行った場合は、寄附金控除を受けることができます。ただし、専業主婦(主夫)などの家族の扶養に入っている人が寄付を行っても、還付金は受け取れません。

その他のケース

上述したケース以外にも、確定申告をした方が良いケースがあります。例えば、以下の項目に該当する人です。

・株の売買で損をした人
・住宅ローンで住宅を購入した人
・配偶者と離別・離婚した人
・自然災害盗難などの被害で住宅・家財に損害があった人

転職で確定申告が必要になるのはどんな人?

転職後に確定申告が必要になるケースもあります。以下では、確定申告が必要な転職者のケースを解説します。

年末に入社し源泉徴収の提出が間に合わない人

給与所得者でも入社した時期が年末だった場合、前職の源泉徴収票の提出が間に合わず年末調整を受けられない人も少なくありません。

年末調整は毎年11~12月に実施されるのが一般的です。年末調整には前職の源泉徴収票が必要になるため、指定の期間中に提出できなかった場合は、自分で確定申告を行わなければなりません。

退職後、年内に就職しなかった場合

前職を退職し、年末調整が行われる時期に会社に所属していない人は、自分で確定申告しましょう。特に、年の途中で退職し、その後給与などの収入を得ていない場合は所得税を多く納めている可能性があります。確定申告することで、多く払いすぎている所得税を還付金として受け取れるかもしれません。忘れずに確定申告するようにしましょう。

フリーランスから転職した場合

フリーランスから会社員に転職した人も、確定申告が必要です。フリーランスは本来、自分で確定申告することが義務付けられています。ただし、年間の収入の合算額が20万円未満の場合は、確定申告の必要はありません。

転職後の給与収入は会社で年末調整してもらえますが、フリーランス時代の収入が年間で20万円以上ある場合は、必ず確定申告しましょう。

確定申告し忘れたらどうなる?対処法は?

万が一、確定申告の手続きを忘れてしまった場合は、罰則などがあるのでしょうか。また、忘れてしまった場合の対処法を知りたい人もいらっしゃるでしょう。ここでは、確定申告が必要にもかかわらず手続きするのを忘れてしまった場合のリスクと、具体的な対処法を紹介します。

申告し忘れるとペナルティを受けるハメに

確定申告が必要にもかかわらず手続きを忘れてしまった場合は、注意が必要です。特に、納税が必要な人が申告し忘れると、罰則が課せられる可能性があります。申告し忘れのペナルティとして、無申告加算税や延滞税の支払いを求められます。

無申告加算税とは、確定申告の提出期限までに申告をしなかった場合に発生する税金です。税額は、自主的に申告すれば納税額の5%、税務署から指摘を受けた場合は納付税額が50万円までは15%、50万円を超えると20%の倍率を乗じて算出されます。

このように、確定申告をし忘れると余計な税金を支払わなければなりません。さらに、意図的に確定申告を行わなかったと見なされた場合は、重加算税が課されるケースもあるため注意しましょう。

忘れたことに気づいたら即申告を

確定申告をし忘れたことに気づいた場合は、1日でも早く申告するようにしましょう。できるだけ早く申告すれば、上述した無申告加算税や延滞税などのペナルティを最小限に抑えることができます。

税務署から指摘を受けた後に申告した場合、自主的に申告したケースよりも支払うべきペナルティの金額が増える可能性もあります。また、自主的に申告して税務署が定める条件に該当する場合は、無申告加算税を免除してもらえる可能性があるため、すぐに最寄りの税務署に問い合わせてみてください。

このように、確定申告のし忘れに気づいた後の行動や条件次第で、ペナルティとして支払う金額を減らすこともできるため、できるだけ早く申告するようにしましょう。

まとめ

転職後は、転職するタイミングや前職の働き方、年収などによって、確定申告が必要になる場合があります。原則として、給与や副収入などの所得を得た人は、確定申告による所得税の申告が不可欠です。

確定申告の必要があるにもかかわらず手続きを怠れば、ペナルティによって高額な税金を支払わなければならなくなります。万が一、確定申告のし忘れに気づいた場合は、できるだけ早く税務署へ申告し、ペナルティを最小限に抑えるようにしましょう。

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