転職の適性検査で落ちない方法とは?どのくらい採用の合否に影響する?

公開日:2022年01月26日 #転職知識 #転職準備 #応募・選考

転職の適正検査で落ちない方法とは?どのくらい採用の合否に影響する?
多くの企業が採用活動の一つとして採用している「適性検査」。適性検査には、さまざまな種類があり、行う目的や対策方法も異なります。

企業によって適性検査がどれくらい合否に影響するかは違いますが、全く合否に関係がないという企業は少ないでしょう。

中には、面接やその他の選考結果は良くても、適性検査の結果が悪く不採用になってしまうというケースもあります。

そこで本記事では、転職のプロが適性検査についての詳しい情報や、具体的な対策方法を紹介します。

適性検査とは?企業が採用活動に使用する目的は?

適性検査は応募者の基礎的な能力や人柄・性格を評価するために採用活動に導入されています。適性検査の結果が合否の全てではありませんが、企業の導入目的に沿った回答や対策は必須と言えるでしょう。

適性検査とは?

適性検査とは、企業が採用活動を行う際に導入する、人材の能力や性格を見極めるための検査です。面接や書類選考では見極められない部分を客観的に判断する材料として用いられます。

適性検査は大きくわけて2種類あり、性格や人柄などを見極める「性格検査」と基礎的な学力や判断力などを見極める「能力検査」があります。

応募先企業で実施される紙受験形式と、場所を問わずWEBで受ける形式の二種類あります。

企業が適性検査を導入する目的とは?

企業が面接や書類選考に加えて、適性検査を導入する目的は以下の二つがあると言われています。

1.社会人としての基礎能力があるかを確認
2.社風に合う人柄かどうかを見極める

上記の能力を適性検査で判断し、その結果を元に面接を行う企業や、応募者の潜在的な能力を見極め、自社の業務に活かせるかをチェックする企業もあります。

それぞれの項目について、具体的にどのような検査が行われるのかを見ていきましょう。

社会人としての基礎能力があるかを確認

社会人としての基礎能力を確認する「能力検査」は、具体的に以下のような項目をチェックしています。

・基礎学力
・業務遂行能力
・論理的思考力
・情報処理能力
・対応力
・柔軟性

このように、社会人として働く上での基礎であり、重要な能力を備えているかを判断されます。

専門知識に関する調査は別ですが、一般的な能力検査に関しては難易度はそれほど高くないため、しっかりと点数を取れることが前提になっています。

企業によっては、専門知識がどれくらいあるかを見極めるために、オリジナルテストを用いて検査をすることも少なくありません。

事前に企業の過去問題やネットで情報をリサーチし、対策を練ると良いでしょう。

社風に合う人柄かどうかを見極める

「性格検査」は、応募者が社風に合う人材か、どのような性格をしているかを見極めるための検査です。

具体的には、以下のような項目をチェックしています。

☑自社に合う性格の人材か?
☑自社で活躍できそうか?
☑早期退職してしまわないか?
☑コミュニケーション能力に問題はないか?
☑仕事に対して向上心を持っているか?

など、企業によって社風や求めている人材の性格が異なるため、性格検査を通して事前にミスマッチを防ぎたいという意図があります。

また、検査結果を元に面接を行い、「自己分析がどの程度できているか?」「応募書類に記載されている内容と相違がないか?」などもチェックされます。

自分がどんな人間かを自己分析を通して判断した上で、性格検査に臨みましょう。

適性検査はどの程度合否に影響する?

面接や書類選考と比べて、適性検査の結果はどれくらい合否に影響するのでしょうか?

新卒採用の場合は、多くの応募者の選考を行うため、面接に進む応募者を絞り込むために活用する場合があります。

中途採用では面接の際に適性検査の結果を参考にする場合が多く、適性検査だけで合否を判断されることは少ないと言えそうです。

ただし、著しく能力検査の結果が良くない、自社が望む人物像と全く一致しない場合は選考に落ちてしまう可能性もあります。

どちらかと言えば、中途採用よりも新卒採用の方が適性検査の重要度は高いことが多いと言えるかもしれません。

選考が進み、他の応募者と評価が拮抗した場合、適性検査の結果で合否を決定することもあるので、楽観視せず真剣に挑むことが大切です。

適性検査の種類とそれぞれの対策法

適性検査で良い結果を残すために、「適性検査の種類と対策方法」を知っておきましょう。適性検査にはさまざまな種類があり、一つひとつ検査内容や対策方法が異なります。

しかし、社会人としての基礎的な能力を測る能力検査に関しては、企業が採用しやすい代表的な6つの検査があります。ここでは、それぞれの基本的な対策方法や注意点を解説します。

代表的な能力検査の種類と対策法

本記事で紹介する6つの代表的な能力検査は、以下の通りです。

SPI

SPIとは、「株式会社リクルートマネジメントソリューションズ」が開発した、「社会人としての基礎的な能力」を確認する検査です。出題された課題に対して論理的、合理的な判断ができるかが求められます。

名称 SPI
特徴 特に難しい専門的な課題が出ることは少なく、どんな仕事をする上でも大切な「課題処理能力」や「知識・スキル習得能力」などを確認する検査。主に「言語分野」「非言語分野」の2分野が出題される。

言語分野は「語彙、文章読解」に関する課題が出される。
例:日本語の使い方や、意味など

非言語分野は「計算、推論」に関する課題が出される。
例:確率問題、割合、比率計算など
対策方法 言語分野の対策は、国語の試験をイメージし、正しい文法や漢字の読み方をおさらいしておく。普段から小説や新聞などを読んでおくとよい。

非言語分野の対策は、数学の試験をイメージし、決まった答え方を暗記する。問題によって量や数は違う場合があるが、回答を導き出す方法はほとんど変わらない。

SPIに関する参考書や対策問題集を用いて繰り返し問題を解き、知識をつける。
回答の正解率も大事だが、時間内での回答率(何問解答できたか)も重要。
所要時間 約30分(言語・非言語)
※企業によってはSPI英語(ENG)が出題されるケースがある(約20分)

玉手箱

玉手箱とは、「日本エス・エイチ・エル(SHL)株式会社」が販売している適性検査の一つです。日本の大手企業が多く採用しており、SPIと並びメジャーな適性検査と言えます。

名称 玉手箱
特徴 玉手箱はWEB形式の検査なので、場所を問わず受験可能。SPIと比べて時間制限が短いため、短時間で問題を理解し、回答する能力が求められる。

出題難易度に一貫性がなく、小学校レベルから大学レベルまで幅広い難易度の問題が出題される。

同じ問題形式が連続で出題されるため、一つの問題形式が解ければ、残り複数の問題も同じように解ける。
対策方法 問題形式は合計で8種類と少ないため、回答パターンを把握することで正解率、回答率が上がる。※問題形式の内訳は「計数」「言語」各3種類ずつ、英語」2種類の計8種類

玉手箱の問題集を繰り返し解く。出題形式が少なく、過去の問題を使い回している傾向が強いため、反復練習をするのが効果的。

玉手箱対策アプリやツールを利用し、本番と同じ状況を体験しながら、テスト内容の勉強を行う。ただし、アプリやツールで出題される問題は偏りがあるため、問題集と併用して利用するのがおすすめ。
所要時間 【計算テスト】
・四則逆算:9分/50問
・図表の読み取り:15分/29問or35分/40問
・表の空欄の推測:20分/20問or35分/35問

【言語テスト】
・GAB形式(論理的読解):15分/8長文×4問=計32問
・IMAGES形式(趣旨判定):10分/8長文×4問=計32問
・論旨把握:12分/10問

【英語テスト】
・GAB形式(論理的読解):10分/8長文×3問=計24問
・IMAGES形式(長文読解):10分/8長文×3問=計24問

【性格テスト】
20分/68問

GAB

GABとは、主に「新卒総合職の採用」を目的として開発されたもので、紙を使ったマークシート形式、WEBを使ったテスト形式の二つがあります。

名称 GAB
特徴 テスト形式が豊富で、以下の4種類がある。
・「GAB」→マークシート形式のテスト
・「C-GAB」→テストセンターでテストを行う
・「WEB-GAB」→自宅等のPCを使いWEB上でテストを行う
・「GAB Compact」→「GAB」の難易度を上げたテスト。制限時間もGABより短く採用試験の他にも昇進試験等で実施される。
対策方法 GABに関する問題集を繰り返し解く。
実際のテストを元に作られた問題集があり、実際の制限時間を計りながら本番と同じ状況で勉強可能。
言語理解、計数理解共に問題数が多いため、素早く問題を理解し、解く力が必要になる。

計数理解に関しては、電卓の使用が禁止されているため、頭の中で計算処理をする練習をしておいた方が良い。

言語理解に関しては一文が長いため、文章の要点を素早く見つけて回答する練習が必要。一文約2分での回答が目安となる。
所要時間 【GAB(マークシート)】合計約90分
・言語理解:25分
・計数理解:35分
・性格適性検査:30分

【WEB-GAB(WEBテスト)】合計約90分
・言語理解:25分
・計数理解:35分
・性格適性検査:約20分(時間制限はなく、全ての問題の平均回答時間が20分)

【C-GAB(テストセンターで受験)】合計40分
・言語理解:15分
・計数理解:15分
・英語:10分
性格適性検査もあるが、自宅のPCで受験するため、制限時間はない

【GAB Compact(GABの高難易度版テスト)】合計57分
・言語理解:12分
・計数理解:15分
・性格適性検査:30分

CAB

CABとは、「IT・エンジニア」の企業が導入することが多く、SPIとは違い基礎学力を測るものではなく、論理的思考力を測るために用いられます。

名称 CAB
特徴 暗号・暗算・法則性・命令表・性格診断の5種類の試験内容がある。
出題形式は、「WEB形式」「ペーパー形式」の2種類があり、それぞれ問題数、所要時間が異なる。

非常に短い制限時間の中で、論理的かつ素早い思考力が試されるため、IT系の企業で導入されることが多い。
他の適性検査と違い、図形や表を用いた問題が多く、IQテストに近い特徴がある。
対策方法 StudyProの「SPI学習サイト」で暗号問題の問題集や、回答例がわかりやすく、回答に辿り着くまでの考え方まで詳しく解説しているため、こちらを活用すると良い。

暗算問題は約10分間で50問の計算を解く必要があるため、スピードが求められる。電卓が使えないため、単純計算の反復練習をして、計算処理のスピードを上げておく。

四則逆算問題は、四則計算の逆算問題が出題される。四則逆算のコツは「50×5=◻️×4+9」という問題形式を「◻️=◯+◯」の形に直して計算する。※数字の前の符号は「=」を越えると変化する。
「+」は「-」に変わり「×」は「÷」に変わる。この逆も同じように変化する。
例えば、◻️+8=10を◻️=10-8に変化させるとわかりやすい。

法則性問題は、5つの図形の法則性を推測する問題で、例題を繰り返し解くことで法則性のポイントが掴める。

命令表問題は、出題された命令を行っていき、最終的にどの図形に変化するかを推測する問題。4〜5個の命令が出題されるが、「命令の取り消し」「図形の消去」を優先して実行することで、スムーズに答えが推測できる。
所要時間 【ペーパー形式】
・暗号:20分/39問
・暗算:10分/50問
・法則性:15分/40問
・命令表:20分/50問
・性格診断:30分/68問

【WEB形式】
・暗号:16分/30問
・四則逆算:9分/50問
・法則性:12分/30問
・命令表:36分/15問
・性格診断:30分/68問

CUBIC

CUBICとは、「株式会社エージーピー」が開発した適性検査で、5種類の能力検査と性格検査を行い、応募者の能力や性格を判断します。

名称 CUBIC
特徴 CUBICは、ペーパー形式とWEB形式の二種類にわかれており、WEB形式は自宅でPCを使い検査を受けられる。ペーパー形式は、応募先企業で紙を用いて受けるのが基本。

検査項目は「言語」「論理」「数理」「図形」「英語」「性格検査」の6種類。
他の適性検査に比べて難易度は高くない。中学高校レベルの学力問題が出題される。
対策方法 企業によって出題される課題が異なるため、過去問題をリサーチし繰り返し解いて傾向を見つける。

性格検査では、自分を偽らずにありのまま回答すること。検査の回答に矛盾が生じたり、一貫性がない場合、マイナス評価を受けてしまう可能性が高い。
所要時間 ・言語:4〜10分
・論理:15〜40分
・数理:15〜40分
・図形:5〜15分
・英語:10〜15分
・性格検査:30分〜時間制限なし

クレペリン検査

クレペリン検査とは、簡単な計算を用いたテストを行い、応募者の仕事をする上での特徴や性格を判断する適性検査の一つです。多くの企業が導入しており、約90年もの間採用試験や人材教育などに用いられています。

名称 クレペリン検査
特徴 クレペリン検査では、
「発動性(環境への適応力)」
「可変性(応用力、柔軟性)」
「亢進性(行動力の強さ)」
などが判断できる。

テスト内容は一列に並んだ一桁の数字の足し算をひたすら繰り返すという単純なもの。1分ごとに次の行に移り、同じように計算してく。
クレペリン検査では消しゴムは使用できず、回答を間違えた場合は斜線を引き訂正する。
対策方法 単純作業なので、とにかく量をこなすことが重要。ただし、回答した行の量をこなせば良いというわけではなく、一行につき半分以上は回答してから次の行へ移るようにする。一行ごとの回答量が少ないと、作業にムラがあると判断されマイナス評価になる。

作業曲線の形も意識する。作業曲線とは、各行の最後に回答した数字を繋いで線にしたもので、理想とされる形がある。
・1行の回答数が60個以上
・前半の作業曲線がU字型になっている
・前半よりも後半の作業量が多い
・後半の作業量は徐々に減っていく
この理想曲線を目指してアプリやツールなどを使い反復練習を行う。
所要時間 前半:15分
後半:15分

性格検査の対策方法

性格検査の対策方法は、とにかく嘘をつかないことが大切です。

自分を良く見せようとして嘘の回答をしてしまうと、性格検査を元にした面接の際に矛盾が生じてしまい、嘘がバレてしまいます。

運良くバレなかったとしても、企業が求める社風や人物像と実際の自分は異なるため、入社後のミスマッチに繋がる可能性があるので注意しましょう。

応募先の企業に合わせたくなる気持ちもわかりますが、嘘の回答はその場しのぎの対応でしかありません。正直にありのままの自分を見せましょう。

まとめ

転職の適性検査は多くの企業が採用している選考方法で、合否の重要なポイントになります。入社後のミスマッチングを起きにくくする目的もあるため、しっかりと対策をしておきましょう。

適性検査に関する本や問題集で勉強をしながら、アプリやツールを使って実践を行うのが効率の良い学習方法です。企業によって同じ適性検査でも課題内容や所要時間が違う可能性もあるため、事前のリサーチも行ってください。

適性検査で落とされてしまうと次の面接に進めないので、事前準備を念入りに行い、合格を目指しましょう。

転職の適正検査で落ちない方法とは?どのくらい採用の合否に影響する?
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