会議でスマートに見せる100の方法本気でマネしたら危険!周囲から「デキる人」に見られるためのテクニック(笑)

ユーモアを織り交ぜながら、周囲から「デキる人」に見られるためのテクニックを紹介している1冊を要約。会議中の行動からちょっとしたコミュニケーションテクニックまで、実際に使えるかは別として、ユニークなノウハウが詰まっています。気軽に読める内容です。

会議でスマートに見せる100の方法

タイトル:会議でスマートに見せる100の方法

著者:サラ・クーパー著、ビジネスあるある研究会訳

ページ数:184ページ

出版社:早川書房

定価:1,620円(税込)

出版日:2016年12月15日

 

Book Review

会議でスマートに見せる100の方法。周囲から「デキる人」に見られるためのテクニックが紹介されているなら、読まない手はない。少しよこしまな気持ちで本書を手に取った。はたしてその内容はどうか。
会議のときにはリーダーの隣に座って、一緒に会議を仕切っているかのように振る舞う、表情を徹底的に活用するなど、ふたを開けると、良い意味でちょっと拍子抜けするような「愉快な」テクニックが詰まっている。
本書で紹介されている100の方法のなかには、「そんなバカな!」と思うテクニックもあるかもしれない。しかしそこで目くじらを立てて怒ってはいけない。コメディ好きの著者がつづった、半分ジョークのような裏ワザ集なのだから。しかも、本書のもとになっているのは著者のブログであり、そのブログはビジネス文化やIT界隈をおちょくり、世界的な人気を博していたと言うから、ユーモアが多分に含まれていてもおかしくない。
著者はあのYahoo!やGoogleで勤務するなかで本書の裏ワザを編み出し、実践して、なおかつ大きな成果を上げたと言うのだから、あながち冗談と軽視するわけにはいかない。自分が周囲からどのように見えるかも含めて、自分の能力が測られていると考えることもできる。会議にあきたときや時間のムダにしか思えない会議に出席しなければならないときなどに、いくつかの裏ワザを試してみても損はしないだろう。

この本で一番伝えたいこと

トッププレイヤーへの近道

あなたの会社では、ふだんどのような会議が開かれているだろうか。苦痛な会議、不要な会議、退屈な会議だろうか。どんな会議であっても、著者にとって一番大事なことは、会議でスマートに見せることだという。なぜなら、それがトッププレイヤーになる一番の近道だからだ。
先人は「やみくもに働くのではなく、スマートに働け」と言うが、著者に言わせれば、「働く時間があったら昼寝しろ」である。要するに、効率よく働けということだ。そして著者は、こうも言っている。コロンブスは「見た目こそが真実である」と述べた。すばらしい能力がだれにも認識されなければ、会社のなかで地位が上がるスピードが遅くなってしまうだろう。周囲に自分の優秀さを印象づけることも能力のうちなのだ。
会議でスマートに見せようと言っても、会議中は眠くなったり、次の休暇やランチのことを考えて頭がいっぱいになったりして、むずかしいときもある。そんなときこそ本書の出番だ。本書には、「デキる人」の仲間入りができる100の裏ワザが紹介されている。

会議の時間は何に費やされているか

会議の時間は何に費やされているか

人はなぜ会議に出るのだろうか。みんなで協力するため、情報をシェアするため、自分の仕事が無用でないと証明するため、そしてなにより、欠席する言い訳がとっさに思いつかなかったため、といった理由が考えられる。
会議に費やされる時間は、労働時間の実に75%に及ぶ。そして、その会議時間の内訳を見ると、全体の6分の1はぼんやりしていたために、もう一度繰り返してほしいと頼むことに使われ、さらに6分の3は本来メールで済む話に使われている。そのほか、気まずい沈黙の時間や別の会議を計画する時間、早く会議を終わらせたいからと、やみくもに賛成する時間に多くが費やされている。

会会議は自分をアピールする絶好の機会

会議ではだれもがうわの空といってよい。よって、他の人より抜きん出るためには、だれよりもうまくうわの空になる必要がある。効率的かつ効果的に手っ取り早く、自分は仕事ができると周囲に印象づけるのだ。実は会議というのは、リーダーの素質や社交能力、分析能力、そしてクリエイティブな思考能力をアピールする絶好の機会である。
あなたがスマートに見えれば見えるほど、よりたくさんの会議に呼ばれるようになる。すると、自分をスマートに見せる機会がさらに増え、瞬く間に革張りの重役の椅子が近づいてくる。

会議室戦術帳

会議室に入る

自分をアピールするための作戦は、部屋に入るところから始まっている。会議中は言うまでもない。会議室のどこに座るのか、あるいは立つのか、はたまた寄りかかるのか。一挙手一投足が、あなたが将来の幹部候補と見なされるかどうかを決めるかもしれない。
知性の香りを漂わせる会議室での所作は、次のとおりだ。
まずは、会議が始まる直前に席を立ち、みんなに何か欲しいものはないかを聞く。その場にいるメンバーは、あなたが思慮深く、親切で、献身的だと思うだろう。だれにとがめられることなく部屋を出て、トイレに行ってゆっくりする。しばらくして部屋に戻るときには、何も頼まれていなくても、水とお菓子を持って戻る。その結果、みんな何となく飲み食いすることになり、まるであなたがみんなのニーズを予知していたように錯覚する。
会議室では、会議を仕切るリーダーの隣に座る。そうすれば、あなたが会議を主導しているように見える。次に、ホワイトボードにキーワードをいくつか書く。ホワイトボードの前に立ち、数本の矢印を描くだけで、あなたのリーダーとしての能力は10倍に跳ね上がって見える。つづいて、ライバルの目をまっすぐ見る。その後は、椅子の背もたれにもたれかかり、熟考しているように両手を頭の後ろで組んで、天井を見上げるとよい。

会議室を掌握する

いよいよ会議が始まると、途中で集中力が切れて眠気におそわれがちになる。周囲にそれを気づかれないように、これから紹介する裏ワザをいくつか組み合わせてやり過ごそう。
まずは、話を聞いているふりをしながら、食べ物をほおばる。そして左右を見て、会話に参加しているように見せよう。椅子から立ち上がって、会議室のなかを歩き回るのも、スマートに見せるのに効果的だ。話をしている人の後ろをうろつくと、みんなはあなたが何を考えているのか気になるはずだ。まさかランチのことを考えているなんて、夢にも思わない。
時には、みんなに背を向けて窓の外に目をやり、深くため息をつくとよい。また、電話のために中座するのも手だ。会議を「大事な」電話のために中座すると、みんなはあなたが忙しくて重要な人物であると思いこむ。会議を軽視しているとは思われない。電話が終わって会議室に戻っても、すぐにまた電話に出るかもしれないという雰囲気を出し、ドアのそばにいよう。または、最初とは別の席に座って、みんなをドギマギさせるのもよい。
そして、今話していることについて、CEOがどのように反応するだろうかと言ってみる。CEOとの親しさをにおわせることで、みんなはあなたを将来のCEO候補だとみなすようになるだろう。

会議室を出る

会議室を出る

あたかも自分が貢献したかのように印象づけるには、会議のラスト20分をめいっぱい活用することが大事だ。みんながあなたの貢献を心に刻んで会議室を去れるように、次に紹介する裏ワザを駆使してほしい。
まずは熱心にうなずきながら、ノートにメモをとる。メモをとっているのかと聞かれたら、これは個人的なメモなので、議事録はだれか別の人にお願いしてほしいと伝えるとよい。ホワイトボードに「ロードマップ」と書き、その周りを四角で囲む。そうすれば、みんなにはあなたが目標の達成を重視しているように見える。また、壁にもたれかかって、「自分たちは俯瞰的に考えているか」と問うのも有効だ。
問題を明らかにしたいときは、シンプルだが深遠そうなたとえを用いる。ケーキ作りなど、まったく関係のないことでたとえると、たとえ議題とどう関係するのかを理解できなくても、みんなはうなずいてくれるし、あなたがクリエイティブに見えるのはまちがいない。
「もう話し合うべきことはないか」とだれかが聞いてきたら、「いくつかあるけれど後でフォローアップする」と言う。あなたはみんなから時間を大切にしている人だと思われるだろう。
最後に、誰か二人に声をかけて、別の問題を話し合うために残るように言う。呼ばれなかった人は、あなたが極秘プロジェクトを隠し持っており、とてつもない重要事項を話しているにちがいないと思い込むだろう。

その他の会議の裏ワザ

電話会議で自分をスマートに見せる方法

電話会議に参加する場合、あなたが会議の間ずっとフェイスブックを見ていても、相手にはわかりようがない。その証拠に、著者は本書の裏ワザを電話会議の最中に書いていたと言う。
最初の裏ワザは、「全員そろっているかどうか聞く」ことだ。特定の人の名前を出して、その人がいるかどうかを電話越しに聞く。もしいなかったとしたら、会議に出席するべきではないかとたずねる。すると、あなたの細やかな配慮にみんなが感心し、あなたを真の社交家だと勘違いしてくれる。また、「全員が最新の資料を見ているか確かめる」という裏ワザも、スマートに見せるのに効果的だ。
そして資料を見るタイミングで、次のように言って会話に割って入ろう。「これは何度か改訂されている資料だ。みんな最新の資料を見てる?」そうすれば、全員が同じ資料を見ているかどうかの確認方法にあわてて、あなたの指摘に感謝するだろう。

奇襲攻撃的な会議をかわす方法

臨時の会議は、本当に価値ある必要最低限のものを除くと、奇襲攻撃と言うべきものである。うまく立ち回ってなるべく短時間で切り上げよう。もしあなたが話し合いに前向きで、やる気があるように振る舞うことができれば、相手はあなたのスマートさに驚き、足早に立ち去るだろう。
まずは、臨時の会議をはじめる前に、終了時間を決める。相手はあなたのスケジュールが分刻みできっちり管理されていると感じて、すぐに要点から話しはじめるはずだ。あるいは、話し合う代わりにメールを送ると言うだろう。
また、「だれか別の人を会話に引き込む」という手もある。だれか別の人を会話に引き込むことで、あなたはコネクターの立場になり、だれに何を話すべきかを知り尽くしているように見える。自分は別の会議があるのを忘れていたと言い、二人を残して自分はさっさと退散する。

チームの創造力の源泉だと思われる方法

ブレインストーミングでは、何か斬新なアイデアを思いつかなければならないというプレッシャーに押しつぶされそうになることが多い。しかしラッキーなことに、会社というものはたいてい新しいアイデアを好まない。したがって、ブレインストーミングで大事なのは、自分の存在感で場の空気を良くし、別の人のアイデアを、さも自分のアイデアのように思わせることだ。プロセス全体の効率性に疑問を呈して、自分が真のリーダーであるかのように振る舞おう。
たとえば、議題を紹介している間にふせん紙の束を取り出し、何かを書きはじめてみよう。すると、会議の目的が知らされる前にどうしてそんなにたくさんのアイデアが思い浮かぶのかと、みんなはあなたを畏怖するだろう。
また、だれかが良いアイデアを思いついたら、「何年も前から同じアイデアを温めていた」と言おう。そうすれば、良いアイデアを自分に関連づけることができ、間接的に自分の手柄にすることができる。

会議に出ていないときの裏ワザ

会議に出席していないときでも、周囲にスマートに見せる裏ワザがある。まず、パソコンからメールを送信するときには、末尾にいつも「携帯電話からの送信」という署名をつけよう。すると、相手にはあなたがいつも忙しく動き回っているように見えるし、誤字脱字があっても許されるだろう。
また、あえて会議に行かないという裏ワザもある。会議が始まっていると連絡が来たら、スケジュールに登録されていなかったと言おう。あなたが来るまで会議を開始できなかったという事実から、みんなはあなたを重要人物だと錯覚するだろう。
さらには、会議を開くことを自ら提案すれば勝者となれる。メールのスレッドが25通を超えたら、それは業務効率化コンテストのスタートである。そこでは、最初に会議の開催を提案した人が勝者となる。

一読の薦め

社内で自分の存在感を出し切れていないと感じているならば、もしかすると本書と出会ったことが転機となるかもしれない。会議に費やす時間は、わたしたちの労働時間の大部分を占めている。ただ座っているだけの会議の時間を、あなたのキャリアを輝かしいものに変えるチャンスとして活用できるとしたらどうだろう。すばらしいキャリアを手に入れる可能性がグッと高まるだろう。

※当記事は株式会社フライヤーから提供されています。
copyright © 2024 flier Inc. All rights reserved.

著者紹介

  • サラ・クーパー Sarah Cooper

    Yahoo!, Googleを経て、現在、無期限の休養中(本書の裏ワザを実践したため)。自身のブログTheCooperReview.comで、ビジネス文化やIT界隈、その他あらゆることをおちょくり、世界的な人気を博している。サンフランシスコ在住。90年代ロックとスタンダップ・コメディが好き。

  • flier

    《本の要約サイトflier フライヤー》は、話題の書籍や名著を1冊10分にまとめた要約が読めるサービスです。経営者や大学教授などの著名人・専門家などが「ビジネスパーソンがいま読むべき本」を一冊一冊厳選し、経営コンサルタントなどのプロフェッショナルのライターが要約を作成しているので内容の信頼性も安心。無料ユーザー登録をすれば、20冊分の要約を読むことができます。

会議でスマートに見せる100の方法本気でマネしたら危険!周囲から「デキる人」に見られるためのテクニック(笑)
この記事が気に入ったらいいねしよう!

その他のコンテンツを見る