<面接での逆質問の仕方>ポイント、回答例文

面接の最後では、面接官から「そちらから何か質問はありますか」と聞かれることが一般的です。いわゆる逆質問ですが、このときも自己アピールの場面と意識して、他の質問と同じく戦略的に質問を用意しておきましょう。

「最後に(何か)質問はありますか」と聞かれた時の答え方

逆質問の目的は、関心事や入社志望度のチェック

面接の最後に必ず来る「逆質問」での質問内容や態度で、面接官は応募者の「①関心事(関心の方向)」「②入社志望度(意欲)」あるいは「③企業研究の深さ」などを確認します。

もちろん、面接官によっては④応募者が悔いなく面接を終えられるように「疑問があるなら聞いておいて」と質問していることもあります。

どちらにしても最後の「逆質問」で、面接官の印象を良い方向へ逆転させたり、反対にガッカリさせたりもあり得るので、戦略的に準備しておきましょう。

回答のポイント

逆質問の一番のポイントは、あくまでも「仕事の内容、事業内容が中心」だということです。さらに言えば「自分が入社して働いたら」をイメージすると出てくる疑問や仮定を質問すると心得ましょう。

次におすすめの質問は、丁寧な企業研究に基づく一歩踏み込んだ質問です。これも入社意欲を感じさせるので好印象です。面接での対話の流れを想定して、いくつかの質問を事前に準備しておきましょう。

逆質問は自由に自分をアピールする場

逆質問でも自己アピールの場であることは変わりません。ですから、戦略的にいくつかの逆質問を準備しておき、面接官とのそれまでの会話の流れを大事にして質問します。

では、戦略的とは何でしょう。それは、面接官へ「自分が入社したらこのように活躍する」というイメージを与えることや「どうしても入社したい」という意欲を伝えることです。

そのためには、上述したように「自分が入社して働いたら」をイメージすると出てくる疑問や仮定を質問する、丁寧な企業研究に基づく一歩踏み込んだ質問をすることが有効なのが、理解できるでしょう。

逆質問のマナー

面接の逆質問には、その他にも注意して欲しいポイントが3つ、あります。逆質問のマナーともいえるものですから、しっかりと押さえておきましょう。

(1)条件(待遇面)の質問は最後に

もし、どうしても条件(待遇面)の質問があるなら、逆質問の最後にします。最初に質問してしまうと、「結局、条件が大事なの?」と面接官へガッカリな印象を与えます。

また、質問の仕方を十分に工夫します。例えば、残業や転勤は「あることが前提」とした聞き方にしましょう。「さきほど、繁忙期はほぼ残業で営業先から直帰することが多いと聞きましたが、通常の時期はどれくらい残業すると考えておけば良いでしょうか。」などのようにです。

面接官が忙しくて質問が1つのみの場合は、条件の質問をする理由も示すといった工夫をすると、「意欲がない」と思われるのを避けられます。

(2)面接官が応えられる質問をする

逆質問では、面接官の所属や立場を考慮して質問することが大切です。複数回の面接があるなら、大抵の場合、一次面接は人事部の採用担当者、二次面接は応募部署の上司、最終面接は役員や社長などが面接官となるか、同席しているでしょう。例えば、人事部の方が面接官なら会社全体のことや制度について、部署の責任者クラスの場合は現場で実際に担当する業務のこと、社長や役員の場合なら経営方針や今後の計画などを質問しましょう。そうすると、面接官も無理なく回答できます。

(3)仕事に関係のない質問はNG

どれだけ面接で話が弾んだとしても、逆質問で仕事と関係のない質問をすることはNGです。爪痕を残そうと思って、変化球すぎる質問をすることもリスクが高すぎるので、やめておきましょう。

これならGood!OK回答例

一次面接の例

①中途採用の方は、応募部署ではどれくらいの割合いらっしゃいますでしょうか。
②先ほどお話にあった御社のフラットな社風ですが、維持するために、どのような取り組みを行っているのでしょうか。
③御社でしっかり実績をあげてマネジメントへのステップアップを目指したいと考えていますが、御社の〇〇〇という昇進制度は具体的にどのようなものでしょうか。
④お子さんがいて、仕事でも活躍している女性社員はいらっしゃいますか。
⑤先ほど、選考に通ると次の面接では〇〇部の方がいらっしゃるとお聞きしましたが、どのような業務を担当されている方かお聞きしてもよろしいでしょうか。

面接官が人事部の場合、①や④の人事に関わることや、②③のような全社的な取り組みや制度については詳しく回答できるでしょう。頂いた回答を踏まえて、自然な会話のキャッチボールを心掛けましょう。例えば、①の回答を踏まえて「なかでも特に活躍されている方は、入社後にどのように成果を出していかれたのでしょうか」など続けて尋ねてみても好印象かもしれません。他の質問を終えて最後であれば、⑤のような次の面接についての情報収集を行ってもかまわないでしょう。

二次面接の例

①営業の方は、どれくらいの顧客数を担当されていますか。
②現職では消費者リサーチを担当していたのですが、御社ではどのようなリサーチを主に行っていますでしょうか。
③営業目標の設定の仕方はどのようにされていますでしょうか。チーム目標、個人目標のどちらもあるのでしょうか。
④インセンティブが用意されているとありましたが、どのような制度かお聞かせいただけますでしょうか。
⑤転勤があるとのことですが、実際にはどういったタイミングと目的で転勤になるのでしょうか。

①や②のように、自身が働く姿をイメージした質問はとても良いでしょう。また、ノルマや評価方法、昇給・昇進についても「自分が働くことをイメージして浮かんだ疑問を解消したい」というスタンスで質問すると、面接官に入社志望度が高そうだとの印象が与えられるでしょう。

仕事の内容について質問した後、⑤のように「転勤あり/残業ありは前提」といった聞き方なら、前向きな質問との印象になりますので、参考にしてみてください。

最終面接の例

①実際に〇〇店と△△店とに足を運んでみたのですが、それぞれ商品のラインナップや展示スタイルもかなり違う印象を受けました。店舗毎の裁量がとても大きいということでしょうか。
②直近の事業報告で、〇〇部門が突出して好調と拝見しました。市場要因ではないようですが、何か特別な取り組みをされたのでしょうか。
③昨年、全社的な組織改革を行ったそうですが、一番の目的は何でしょうか。
④御社のシステム開発の今後の方向性として「技術的負債を解消し、身軽なデータドリブンの経営へ貢献」とありましたが、具体的にはどのような再構築を意図しているのでしょうか。
⑤御社に入社するなら、ここは覚悟しておいてほしいという点はありますでしょうか。

最終面接では、社長や経営層による合否判断となるため、①のように店舗に足を運んでの質問をして入社意欲をアピールしたり、②③④のような「御社の経営方針を理解したい」という姿勢と長く働いていきたいといったニュアンスを伝える質問もおすすめです。また、⑤のように直球の質問をしてみても良いでしょう。

ここでも、面接官の立場や社長のキャラクターにあわせて会話をする、というスタンスで臨みましょう。

やってはいけない!NG回答例

特にありません

「特にありません」は関心の低さや深く考えていないことを感じさせるのでNGです。もしも、面接の流れで聞きたいことが全て聞き出せ、準備していた逆質問が必要なくなった場合、無理やり質問してズレてしまうよりは「知りたかったことは十分にご説明いただいたので、こちらからは何もございません」「もう十分お聞きしましたので、とくにございません」などのように丁寧にお伝えしましょう。続けて、面接への感謝の気持ちをあらためて伝えるなど、そっけない印象にならないように工夫しましょう。

①御社の強みは何ですか?
②転勤はありますか?
③残業はかなりありますか?
④◯◯について勉強したいと考えています。勉強できる環境はありますか?
⑤「仕事はどうですか?」「社風はいいですか?」

企業のホームページや求人情報を見れば分かる①や②のような内容は、入社意欲の低さ、企業研究の浅さに加え、主体性のない人と思われる可能性があるためNGです。③のような条件面の質問は、「月どれくらい残業があると思っていた方が良いでしょうか」など、面接官に「残業が嫌なの?」と感じさせない表現へと工夫しましょう。

④は、会社を与えてもらう場とはき違えているようで、印象が良くありません。⑤のような抽象的な質問は、企業研究不足を感じさせるだけではなく、面接官がどう答えようかと戸惑うのでNGです。漠然とした聞き方をせず、「部署を超えてのコミュニケーションの場、イベントなどは多いですか?」など、具体的に質問しましょう。

「社長の趣味は何ですか?」
「今日のネクタイはどちらのものですか?」

【逆質問のマナー】としてもお伝えしましたが、仕事と関係のない質問、意図が不明な質問、単なるその場の思いつきの質問はNGです。「その質問に何の意味があるの?」と面接官をイライラさせたら試合終了です。

まとめ

面接の「逆質問」でも面接官はあなたを観察していますから、仕事への意欲、入社志望度の高さや企業研究の深さを示せる、戦略的な質問をしましょう。

面接の対話の流れで「何を」「どんな風に」質問するかアレンジできればベストです。もし「仕事の適性アピールが足りなかったかも…」と感じたなら、「前職の営業職ではアフターフォローまで担当しており、月に一度の連絡は欠かさずに新規のお客様をご紹介頂くことも多かったのですが、御社はどのようにアフターフォローに取り組まれていますか。」などさりげなく自己アピールを盛り込んでみるなど。

この記事を参考に、逆質問でも気を抜かずに最後まで自己アピールを続けましょう。

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