<第二新卒・20代の転職面接対策>「成功体験」「仕事で大切にしていること」の質問目的、回答例

転職面接では、第二新卒や20代で職歴経験の浅い方に向けて「これまでに成功体験はありますか?」「仕事で大切にしていることは何ですか?」といった質問をされる場合はよくあります。「成功体験がない…」と回答に悩む方もいるかもしれませんが、ここで面接官は華やかな成功体験を聞きたいわけではありません。
この記事では、そんな成功体験についての質問の目的や良い回答例・NG例をご紹介しています。ぜひ、チェックして面接対策に役立ててください。

「これまでに成功体験はありますか?」

成功体験を聞く質問の目的は、「自社でどのように活躍してくれるか」「主体性の有無」「仕事への価値観」の見極め

面接官がキャリアでの「成功体験」を質問してくる場合があります。「成功体験」と言わず、「どんな実績がありますか」「最も高い実績は何ですか」などの質問の仕方もあるでしょう。
こうした成功体験についての質問は、第二新卒、20代や応募職種のキャリアが浅いなど、目立つ実績がない、少ないと見なされる方に向けてされることが多いです。要は、成功体験と言いつつ、「主体性を持って仕事をしてきたか」「どのような努力や工夫をしてきたか」という仕事への姿勢や考え、行動の仕方を確認しようとしています。成功体験が少ないことを前提として、「自社でどのように活躍してくれるか」のイメージを具体的に持ちたいと考えているのです。
また、目標達成のために頑張れる人か、そこそこで満足する人か、受け身で仕事をする人か、を見極めようとしているとも理解しましょう。つまり、「目立った成功体験がない」からといって恐れる必要のない質問だと言えます。

成功体験がある場合

成功体験として、実績で数字で伝えられるもの、伝えられるレベルに達しているものであれば、まずそれを示しましょう。売上額、契約件数の他、前年対比の達成率や業務効率化率など、伸び率などがあって示せればベストです。そのうえで、「何を考えて、どう行動してその結果がになったのか」「そこから何を学んだのか」の方を中心に話しましょう。つまり、「再現性がある成功体験」として面接官に伝えることで、「自社でも同じように再現してくれそう」「うちでも活躍してくれる」とイメージさせることができます。
明確な成功体験や高い実績があっても、謙虚な様子で「主体的に仕事に取り組めます」とアピールすることを忘れないでください。

成功体験がない場合

成功体験がない場合の答え方ですが、決して嘘をつかないようにすることが大事です。バレないからと実績を作ったり盛ったりしてはいけません。面接官の深堀質問で、必ずバレてしまうと心得ましょう。

数値で示せる実績、例えば営業職でいう売上額などのようなものでなくて良いのです。「成功体験」というのですから、お客様から高い信頼を得た、クレームを収めた、他の社員の失敗をこうフォローした、独学で勉強していたものがプロジェクトのここでこう活かせた、などのエピソードをキャリアの棚卸しで見つけ出しましょう。自身の失敗体験をどうフォローできたか・そこから何を学んだか、という視点で深堀しても良いかもしれません。
すでに説明しましたが、「主体性を持って仕事をしてきたか」「どのような努力や工夫をしてきたか」を面接官に伝えることを目標にしてください。

また、そもそも数字で測れる仕事ではない場合もあります。そんな時には「Wordで文章ばかりだった提案資料を、写真での事例紹介を盛り込んだパワーポイントにまとめ直して上司や同僚に提案したところ、大変喜ばれました。今では部署で最も活用されているツールです」など、行動によって得られた効果や貢献といった点での実績を探してみましょう。地味でも主体性や努力を伝えることができれば十分、です。

これならGood!良い回答例

財務・会計部門からの送金ミスで、海外の取引先とトラブルになることがありました。そこで、業務アプリケーション上で期日チェックの二重化、当部によるアラートが出せるような手順の変更を上司に提案したところ、社内決済されました。現在、システムの追加開発中です。

貿易事務の例ですが、トラブル対応の経験があることに加え、「同じ失敗を繰り返さない」という姿勢があること、そのために主体的に考えて行動したこと、が示せています。同じ貿易事務への応募なら、守秘義務に触れない範囲でもっと具体的な内容で説明すると説得力が増すでしょう。

やってはいけない!NG例

新卒入社でSEになって、1年半なので目立った成功体験(実績)はありません。

職種の経験期間やプロジェクトの経験数などの「実績」や、自己の技術レベルにとらわれすぎているかもしれません。担当した役割のなかで工夫した点などを示しましょう。コミュニケーション力など、技術以外を具体的なエピソードとともにアピールすることもできますよ。

「仕事で大切にしていることは何ですか?」

質問の目的は、「成功体験」の目的と同じ

第二新卒・20代などへ成功体験を質問するのと同様に、職務経歴書を見て「入社後の働き方を具体的にイメージする」ことが難しい求職者の場合、面接官が「仕事で大切にしていること」を質問することがありえます。
この時の面接官の目的も、成功体験の質問目的と同じで「主体性を持って仕事をしてきたか」「どのような努力や工夫をしてきたか」という仕事への姿勢や考え、行動の仕方を確認しようとしています。つまり、何とか「自社でどのように活躍してくれるか」のイメージを具体的に見極めたいと考えて、この質問で「仕事への姿勢やモチベーション」をチェックし、自社や応募職種に合う価値観や人柄か、今後期待するような成果を出せそうかを判断します。

回答のポイント

社風や職種とのマッチングが重要

質問の目的が、自社や応募職種に合う価値観や人柄か、今後期待するような成果を出せそうかを判断することですから、応募先企業の社風や職種とのマッチングを第一に考えた「大切にしていること」を選びましょう。例えば、営業職のように顧客の要望を掘り下げることが求められる職種で「常に最先端の知識を身に付け、仕事に生かすことがやりがい」というアピールをしたのでは、面接官に不安を与えてしまいます。求人情報を読み込み、企業と職種について理解を深めた上で自分の仕事ポリシーとの接点を見つけましょう。

エピソードで具体的に話す

「私が大切にしていることは〇〇です」と話すだけでは、本当かどうか面接官には判断できません。そのため、根拠を具体的なエピソードとして伝えます。地味であっても気にしなくてかまいません。例えば、事務職の方が「上司や周りの社員が仕事を頼みやすいように、いつも笑顔で明るい雰囲気でいるように心がけていました。『仕事が頼みやすくて、忙しいときに本当に助かる』とお褒めの言葉を頂いたことがあります。」などでも、十分に伝わります。

これならGood!良い回答例

私が仕事で大切にしていることは『お客様のプラスアルファの満足』です。具体的には、パンフレットに記載されている商品情報以外に、商品開発にまつわるストーリーや原材料の産地、生産者に関する情報などを調べ、お客様に適宜ご紹介できるようにしています。 そういったプラスアルファの満足を感じてもらえる工夫をすることで、お客さまに名前を覚えていただき、再来店時に名前で呼んでいただけると、非常にうれしく思います。御社でも、お客様に買い物の楽しさを感じていただけるような努力を大事にしたいと考えています。

販売職から販売職への転職を目指している事例です。最初に結論を述べて、具体的なエピソードで説明できています。さらに、お客様から指名される機会が多いという効果(または実績)を加えて、説得力を持たせています。最後に「御社でも主体性を発揮して取り組みたい」と意欲のアピールできているところも、面接官に好印象でしょう。

やってはいけない!NG例

私が仕事で大切にしてることは「お客様の立場で考える」ことです。具体的には、お客様の要望をお聞きしてできる限り、ニーズに合った商品を選んでいます。

この回答例では、具体的な努力として披露している行動が接客業では当たり前のことで、アピールになっていません。他の人と差別化できる、あなたが独自で意識している行動を示すことが大切ですし、ノウハウを持っていることのアピールにもなります。それが、ちょっとしたことでも、地味でも問題ありません。「自分で考えた行動ができる」=主体性のアピール、という点を意識してもっと自己の棚卸しをしてみましょう。

「最近、気になっているニュースはありますか?」

質問の目的は、社会人としてのアンテナ、価値観、考え方をみること

キャリアの浅い応募者には、「最近、気になるニュース」について質問し、応募者の社会情勢や業界動向等への関心の高さ、日頃からニュースをチェックしているかという社会人としてのアンテナや情報収集力を見ています。また、関心の方向や価値観、考え方などから、さらに人物像を理解しようと意図しています。面接官によっては「ここ数日で」「今日のニュースで」と指定して「日々、ニュースをチェックしているか」確認する場合もあります。社会人のマナーとして、特に転職活動を始めたら毎日欠かさずニュースをチェックしましょう。

回答のポイント

企業の業界、応募職種に関連するニュースがおすすめ

あくまでも転職面接の場なので、企業の業界、応募職種に関連するニュースを選んで、関心の高さや意欲のアピールができる話題がおすすめです。芸能やスポーツニュースは、単なるゴシップへの興味ならNGですが、仕事への取り組み方、もしくは応募先の業界・職種への意見(考察)へとつながることならばOKでしょう。
また、政治や宗教に関しても初対面の面接官を前にして話題にするのは、社会人マナーの観点からも避けるべきでしょう。

「なぜ関心を持ったのか」と「意見(考察)」の両方を伝える

面接官はニュースを知りたいのではありません。むしろ、面接官の方が詳しいことが多いでしょうから、知識を中途半端に説明すると墓穴を掘るかもしれません。ニュースの内容は簡潔にして、「なぜ関心をもったのか」と「それに対する自分の意見(考察)」の両方をあわせて伝えることが大切です。謙虚に「自分はこう考えた」と意見を中心に伝えましょう。そのためには、ニュースの背景や今後業界に与える影響を考えることが欠かせません。

これならGood!良い回答例

日本経済研究センターが今月発表していた「日本の約半分のGDPのインドが、2029年には日本を抜いて世界3位の大国になる」というニュースを見たとき、御社の中期経営計画のグローバルカンパニー化の推進で、進出する国の一つとしてインドが挙がっていたことが頭に浮かびました。インド市場を獲りに行く国際競争がし烈になり、市場調査から入ってローカリゼーションを探るといった時間的猶予はあまりなく、最初から大きなリソースを注がなければ競争に勝てないのでは、と感じました。そのため御社がどのようにインド市場でスタートするのかという点に注目しておりますし、私も御社の海外事業で大きな役割を担えるようになりたいと考えています。

直近で、応募先企業のグローバルカンパニー化という戦略とつながるニュースを押さえていて、鮮度やテーマに問題がありません。自分の考えや仕事への意欲を追加しており、入社後にどんな考え方で仕事をする人なのかイメージできるアピール例です。

やってはいけない!NG例

英総選挙で保守党が勝利して、ブレグジットが確実になったニュースです。大学時代に3カ月ロンドンに短期留学したことがあり、その時の友人からイギリスが分断している状況を聞いていて心を痛めていましたので、とにかく前に進めてみることで何かが変わればいいなと感じています。

選んだニュースに問題はありませんが、ごく個人的な感情が理由で選んだことと、意見がふわっとしていて「自分の意見がないのかも?」という印象を持ちます。「(そのニュースが)応募先の業界や企業などにもたらす影響について、私はこう考えている」といった内容が加えられると良いでしょう。

このように、採用企業は転職面接で「どんな仕事をしてきたのか」という直接的な質問だけではなく、「仕事で大切にしていること」や「関心のあるニュース」などさまざまな切り口で応募者の本質を理解しようとしています。しっかりと企業研究をして、自分が応募職種に合う価値観や人柄であること、入社後に成果を出せる人材であることを伝えましょう。

この記事に興味がある人へのおすすめ

<30代半ば・マネジメント職の転職者への質問>良い回答例とNG例【面接対策パーフェクトガイド】

<30代半ば・マネジメント職の転職者への質問>良い回答例とNG例【面接対策パーフェクトガイド】

30代半ばなら、既にマネジメントの役割を担っている方も多いでしょう。ここでは「マネジメント経験」「部下と接するときに心がけていること」の質問の目的と回答のポイントを解説し、OK回答例とNG回答例をご紹介しています。

<ブランクあり、転職回数が多い転職者への質問> 良い回答例とNG例 【面接対策パーフェクトガイド】

<ブランクあり、転職回数が多い転職者への質問> 良い回答例とNG例 【面接対策パーフェクトガイド】

ここでは「ブランク(職歴の空白期間)の理由・何をしていたか」「転職回数が多い理由」の質問の目的と回答のポイントを詳しく解説し、OK回答例とNG回答例をご紹介しています。

面接対策パーフェクトガイド
この記事が気に入ったらいいねしよう!

その他のコンテンツを見る