2009年に深田和範著『「文系、大卒、30歳以上」がクビになる』という書籍が発売されました。筆者は「数年以内に100万人のホワイトカラーがリストラされる」ということを述べていましたが、2012年、企業による大規模なリストラ策は現実のものとなりつつあります。
8月の時点で大手電機メーカーを中心に50社で15000人以上の早期退職者募集を行っており、リーマンショック時の2万人を上回るのではないかと言われております。早期退職者募集のリストを見る限り40、50代の従業員が中心となっていますが、正規社員、非正規社員を問わずに全従業員を対象にしている企業もありますし、年齢制限をする企業の中には27歳からリストラの対象として見ていることになります。(参考資料:ZAKUZAKU 2012.09.03)
これまで30代は『将来の幹部候補』として育成することを前提に重宝されていました。しかし、現在はこの世代の人材を育成する余裕のある企業が少なくなってしまい、リストラの対象となっているのです。
ぶら下がり型社員はリストラの標的
30代以降、リストラに弱い社員とリストラに強い社員は明確に違いが現れてきます。20代のうちは会社側も『まだ転機があるだろう』と見逃してくれる部分もあるのですが、やはり『ぶら下がり型社員』と呼ばれるような指示待ち社員は不況時になると、高給与でありながら若い人材とそれほど変わらない能力の社員として見られ、早期退職者として見られてしまいます。
企業は『自分で考えて行動できる人材』を求めています。社員一人ひとりが経営者の立場に立って、業務の効率化やコストダウン、下の社員の管理などに取り組んでくれる存在が必要なのです。つまり、いつまで経っても経営者や管理職に従うぶら下がり型社員は、どこかでリストラされてしまうのです。
自己変革は気付いた瞬間からはじめることが重要。30代になってからでも十分に自己啓発を行う価値はあります。
20代から目指すリストラされない社員の条件
リストラされない社員になるためには20代のうちから自己啓発や能力開発に取り組むことが大切。特に、自分が今の企業でどのようなポジションを目指すべきなのか、あるいは、自分が今いるポジションにおいて伸ばすべき能力や足りない能力を知ることがリストラされない社員の前提条件なのです。
自己分析を繰り返す中で、企業が自分に求めている能力や資質に気付くようになります。つまり、経営者に近い目線で自分の事を見ることが出来るため、どうすれば自分がリストラされない社員になるかを考えることが出来るのです。
また、こういった考え方をすることで危機意識を持つことが出来ます。企業はこうした社員を重宝するもの。正社員でも非正規社員でも20代のうちから自己研鑽を続けること。幹部候補として、会社に残ることの出来る社員を目指しましょう。