起業という言葉に、みなさんはどんなイメージを持っていますか?
会社を起業して成功するとなると「すごい!」と感じ、中には「自分も続きたい」という思いを持つ方もいるのではないでしょうか。ところがあなたの周りに目を向けてみると、あまり起業している人というのは少ないと思います。
なぜ日本では起業する人が少ないのでしょうか?
内閣府が発表した『第1章 第3節 持続的成長への課題 1持続的成長を考える際のイノベーション』で、日本における起業の現状に触れています((3)研究開発投資以外の投資の動き)。
『(1)起業活動率の推移(第1-3-7図)』では各国の起業活動率を比較しています。起業活動率はまだ給与をもらっていない起業に向けての準備段階の人と、給与をもらい始めて3.5年以内の人の割合となっています。
最も起業活動率が高いアメリカでは約12%ですが、日本では約5%に留まっています。日本の割合はイギリス、フランス、ドイツといった国よりも低くなっていました。起業活動率が低い原因のひとつに、起業への意欲が低いことが上げられます。
日本では起業家精神が育ちにくい?
『(2)2011年度の比較(第1-3-7図)』では、起業家精神を構成する5項目を先の4カ国と比較しています。日本では『起業家の社会への浸透(周囲の起業動向)』、『事業機会の認知(起業機会の発生見込み)』、『経営能力』、『職業選択に対する評価』の4項目は大きく差を付けられて最下位。失敗を恐れる程度も高いことが分かりました。
日本では起業家の具体例が少なく、起業できるような事を認知できず、起業するための知識も乏しいという結果です。これらに加えて失敗のリスクを恐れるあまり、起業する人が少なくなっていました。
もちろん起業にはある程度の知識が必要になるので、いきなりの起業は難しいでしょう。しかしビジネスパーソンであれば、経験を積むことで起業家精神を育むことができます。
起業家精神を伸ばすために、意識して仕事に取り組もう!
例えば経営能力は、会社の中にいれば自ずと数字が目に入ってきます。今どういう状況なのか、どうしたらいいのかということを常に考えながら目にすることで、経営能力は養われます。また広くアンテナを張ることで、自分の持っているアイデアや商品が起業に結びつくのか認知することができます。
起業家の具体例が少ない日本では、まずはビジネスパーソンとして経験を積んで、起業家精神を養う必要があります。
今何かアイデアや商品の構想がある方は、起業家精神の各項目を意識して、仕事に取り組んでみてはいかがでしょうか?