今の職場では給与が少ない! という理由から、転職を決意する人が少なくありません。しかし「今は不況だし、そうそう今の給与を上回る仕事はない」と思いがち。その思い込みから転職を断念している方もいるでしょう。では実際に、転職をすると給与は上がるのでしょうか?
厚生労働省が行った平成24年上半期雇用動向調査では、転職入職者の賃金変動の現状も調査しています(参考資料:厚生労働省 平成24年上半期雇用動向調査)。
転職者全体で見ると、『給与が上がった』のは31.8%、『変わらない』のは34.8%、『減った』のは30.6%となっています。この調査は不況真只中の昨年1~6月に行われたものの、31.8%は給与が上がっているのです。そしてこの数字を年齢別に見ると、給与を大きく上げている世代がありました。
20代は大きく給与を上げるチャンス!
20~24歳の転職者で、給与が上がったのは44.9%。全体と比べても大きく上回っています。そして『1割以上給与が上がった』のは、なんと31.4%。年齢別で見ると、一番給与が上がっているのです。20~24歳となると、大卒で就職した場合で3年未満の社会経験を有しています。既に社会人としての経験があれば、転職して給与を1割以上上げることも可能です。
もちろん年齢別の給与差もあります。20~24歳の平均給与は247万円でした(参考資料:国税庁 平成23年民間給与の実態調査結果)。元々の給与が低いことも、大きく上げる要因のひとつです。転職を考える若い人の中には「今は給与が低くても、実績を積まなくては」と考えているかもしれません。しかし、今よりも給与を上げたいのであれば、思い切って転職をするのも悪くない選択です。
25~29歳の転職者で給与が上がったのは39.3%。この内1割以上給与が上がったのは27.1%。やはり全体の数値を上回っています。この年齢になると平均給与も336万円と大きく上がっています。20~24歳と仕事の内容を比べると、仕事を経験するところから実績を残し始める年齢です。実績を武器に転職活動を行えば、大きく給与を上げるチャンスになります。借りに1.5割給与が上がれば、ひとつ上の世代である30~36歳の平均給与385万円を超えることになります。
不況下でも転職で給与を上げることは可能です。特に20代は大きく給与を上げるチャンスがあるのです。もし今の給与に不満があれば、自分の実績と経験を加味して、転職活動を始めることをお勧めします。