年収が10年前に比べて約10%も下がっている現在。その中でも20代の年収が低くなり、世代間格差が大きくなっていることが問題視されています。収入が下がってくれば生活への影響も考えられますので、今の20代は生活に不満を抱えているのではないかと思われます。ところが実態調査からは予想とは違う答えが出ていました。
国税局が発表した『平成23年 民間給与の実態調査』の『事業所規模及び年齢階層別の給与所得者数・給与額(その3 平均給与)』によると、20代の平均年収は246万6千円。30代の336万2千円、40代の385万1千円と比べると、20代と30代には大きな壁があるように見受けられます。
20代と30代の間には89万6千円の差があります。今30代で平均年収を得ている人から見ると、20代はそうとう苦しい生活をしているのではないか? と思われるかもしれませんが、実は今の20代は生活をエンジョイしていました。
20代の生活に対する満足度は高かった!
内閣府が行った『平成24年 国民生活に関する世論調査』では、『現在の生活について』の調査を行っています。この中の『(2)現在の生活に対する満足度』は、『満足している』が10.4%、『まあ満足している』が56.9%。合計67.3%が現在の生活に『満足』しているという結果となりました(1.現在の生活について (2)現在の生活に対する満足度 図3)。
これを20代で見てみると、『満足している』が16.7%、『まあ満足している』が58.7%、合計75.4%が満足していると答えていました(1.現在の生活について (2)現在の生活に対する満足度 表2-1)。
では20代は日頃の生活の中で、どんな時に充実感を感じているのでしょうか?
20代で多かった充実感を感じるときとは?
『(4)現在の生活の充実感((4)現在の生活の充実感 ア 充実感を感じる時 表12-1)』を見てみると、20代で最も高かったのは『友人や知人と会合、雑談している時』で64.1%。これは全体の44.5%と比べても約20%も差がありました。20代だとまだ学生時代の友人などと交流があることが多いと思います。その影響で全体よりも高い数字になったようです。
次に『趣味やスポーツに熱中している時』で56.7%。これも全体での43.8%より20%以上多くなっています。休みの日は趣味の日、仕事の日は仕事をがんばるというメリハリをつけることで、日常生活に充実感が生まれてきます。またスポーツで体を動かすことは、普段のストレス発散にもつながります。
こうしたことが、「お金がない」と言われながらも生活に満足する20代の生態のようです。
「今の生活に満足していない」「充実していない」という方は、世論調査の結果を参考に、お金の掛からない趣味を見つけたり、年収をアップさせるため、転職やスキルアップの活動を検討してみてはいかがでしょうか。