派遣労働者数の数はここ数年減っていますが、それでも約270万人が派遣というかたちで働いています。ネガティブなイメージがある派遣ですが、働き方のひとつとして派遣を選択する人も少なくありません。派遣にもいくつかの種類があり、場合によってはそれなりの給与を貰っている場合もあります。実際に派遣の給与はどのくらいになるのでしょうか?
意外と知らない派遣労働の仕組み
厚生労働省は『労働者派遣事業の事業報告の集計結果(平成22年度)』をまとめています。『集計結果の報告書』によると、派遣労働者の数は約271万人となっています。
派遣には大きく分けてふたつの仕組みがあります。ひとつは『一般労働者派遣』。労働者は登録制となっていて、常時雇用、常時雇用以外の労働者も含まれるもので、登録者は約177万人。もうひとつは『特定労働者派遣』。こちらは登録制ではなく、派遣会社が労働者を正社員として雇用して派遣するもので、約29万人が特定労働者派遣で働いています。
派遣には製造業や販売といったものも当然ありますが、注目されるのは『政令26業務』です。専門的な知識や技術を持っている人が就くことができ、時給も高くなっているのです。
政令26業務の中でも、高い時給の業務は?
一般労働者派遣で最も時給が高いのは『事業の実施体制の企画、立案業務(18号)』。主にコンサルタント業務が当てはまりますが、時給に換算すると2163円(都道府県別集計結果 一般労働派遣事業)。この場合1日8時間で月20日働くと、月給は約34万円になります。また特定労働者派遣だと2667円にまで上がります(都道府県別集計結果 特定労働者派遣業務)。この場合は1日8時間20日で約42万円。
次いで時給が高いのは『ソフトウェア開発関係(政令1号)』。システムエンジニアやプログラマーがこれに当たりますが、平均時給は2041円。特定労働者派遣では2310円です。専門的な知識があると、派遣とはいえかなりの給与が貰える計算になります。
専門的な知識があれば、派遣という働き方もアリ?
現職で政令26業務にあたる専門的な知識や技術を学べば、派遣という働き方を選択することができるようになります。例えば体調を崩した人は、体と相談しながら働くことも可能になります。また同じような業務でもいろいろな現場を体験することもでき、将来的に転職する際に様々な現場での体験が役立つかもしれません。
もしも専門的な知識を持ち合わせていて、ワークライフバランスを考えたいと思っている人は転職だけでなく派遣という手もありかもしれませんね。