給与を上げることは、今取り組まれている『アベノミクス』のひとつの目標です。給与を上げて消費を増やし、企業業績をあげようという目論みです。景気の回復がなかなか見られない昨今ですが、若手ビジネスパーソンの年収はどのようになっているのでしょうか?
キャリアデザインセンターは25~34歳の若手ビジネスパーソンを対象に『前年と比較した現在の年収』を尋ねた意識調査を行いました(キャリアデザインセンター あなたの現在の年収は、1年前と比較してどうなりましたか)。
グラフ:キャリアデザインレポート2012 前年比年収増減調査
1年前と比べて『増加した』という回答は8.4%。『やや増加した』は33.5%で、合わせて41.9%が増加したと答えています。2011年の調査では合わせて42.2%。増加したという人は0.3ポイントの微減となっていました。
逆に年収が『減った』という回答は4.8%。『やや減った』の9.8%と合わせると14.6%が、年収は減っていました。しかし2011年の『減った』の合計は15.4%からは0.8ポイント減少していました。
そして『ほとんど変わらない』という回答は43.4%。前年比1%の増加で、ビジネスパーソンの4割以上は、年収はほとんど変わっていませんでした。
こういった現実からも『アベノミクス』が与えるであろう給与の増加は、私たちビジネスパーソンにとっての願いでもあります。しかしアベノミクス効果が給与に反映されるのは、もう少し先のようです。
所定内給与は10ヶ月連続マイナスだが……
厚生労働省は5月1日に『毎月勤労統計調査-平成25年3月分結果速報』を発表しました。調査によると3月に支払われた基本給や家族手当などの『所定内給与』は前年比10.8%の24万1922円(第1表 月間現金給与額)。所定内給与は昨年6月から、10ヶ月連続でマイナスとなっています。
しかし明るい兆しも見えはじめています。それは『特別に支払われた給与』で、前年比8.2%増の1万5046円でした。金融・保険業では前年比82.3ポイント増の4万2035円が支給されていました。株高や円高のおかげで、臨時ボーナスを支給した企業も多かったようです。
所定内給与へ反映されるのかは、4月の報告待ち!
もちろん『所定内給与』が上がって欲しいところではありますが、臨時ボーナスなどが支給されるとモチベーションも上がります。
そして今回の調査は3月の速報値。4月になると年度が変わり、賃上げを行った企業などの影響が見えるかもしれません。
果たしてアベノミクスの効果は出てくるのか? 4月の毎月勤労統計調査にも注目ですね。