「やりがい」…就職活動のときに限らず、誰でも一度は必ず考えたこの問題。お金?人間関係?はたまた自分のスキルアップ?ここ最近「やりがい(の搾取)」なんて言葉を耳にする方も多いと思います。不況のこの世の中、「やりがい」なんて・・・。生きるためにある程度の収入を得ないと・・・。また、「やりがい」 と合わせて「ブラック企業」なんて言葉もよく耳にするのではないでしょうか。ここで少し、近年の「やりがい」にまつわる事情を垣間見てみましょう。
「楽しさ」を考える
先日読んだ本の中に興味深いエピソードが一つあったので、ご紹介したいと思います。主人公は20代OL。彼女が毎日同じような業務を粛々とこなしていたある日、突然上司から「あなたは誰にでもできる仕事だと思いながら淡々とこなしてくれているけれど、 それは誰にでもできる仕事ではないのよ」と言われ、激しく動揺してしまいます。
もしあなたが主人公だったなら、この時どのような思いが浮かんでくるでしょうか?「私のやっている仕事はクリエイティブではないけれど、誰にでもできる仕事ではないんだ!」と、充実した気持ちになるでしょうか。それとも「はいはい、そうやっておだてながら辞めないように囲ってくるのにはもううんざり」というような思いが込み上げてくるでしょうか。
仕事の「楽しさ」を考える、というのはとても悩ましく難しいこと。まして、不況のこの世の中、「“楽しさ”とか“やりがい”とか二の次でしょ!お金お金!」という意見はそうたやすく否定できません。先ほどの例で言えば、仮にあなたが充実を感じて、自分の仕事が承認されたように思えたとしても、その上司 が上から「非正規社員やアルバイトにはおだてる言葉を忘れないように!」と言われていたならどうでしょうか。何だかやりきれない思いがこみ上げてしまいます。
少し視点を変えてみませんか?
自分で打開できるような職場環境はそれほど多くないでしょう。しかし、ほとんどの人にとって仕事はしなければいけないもの。毎日が我慢の連続で仕事が嫌だと思っている方もたくさんいます。そのような方は視点を変えてみてください。取引先のお客様が感謝してくれた。褒めてくれた。他にも同僚から感謝されたことなどありませんか?あなた自身がそれで満足を感じることができたなら、少しは仕事が楽しくなるのではないでしょうか。