新入社員は、会社の未来を背負って立つ大事な人材。でもなかなか部下が育たず悩んでいるビジネスマンも多いのではないでしょうか? どうしたら優秀な部下が育てられるのか? そのヒントは女子高生最強サッカーチームにありました。
今年の1月に行われた高校女子サッカー選手権で2年連続5度目の優勝を果たした常盤木学園高校女子サッカー部。2月2日には全日本女子ユース選手権で優勝した日テレ・メニーナと対戦し、3-2で勝利しました(日刊スポーツ2月2日付)。
ユースチームはサッカーのエリートが集まるチーム。ユースチームを学校の部活動チームが破るというのは、非常に難しいとされています。
そんな常盤木学園サッカー部を率いているのが阿部由晴監督。1995年の創部以来監督を務め、数々の選手を日本代表に送り出しています。昨年行われたロンドンオリンピックには鮫島彩、田中明日菜、熊谷紗希の3選手が出場していました。
阿部監督は長年の指導の末、あるひとつの決断をしました。
『叱らない』という指導
その決断とは『叱らない』こと。叱るということは、指導する者が指導される者に、一方的に何かを叩き込むということ。一方的に叩き込まれた者は、叩き込まれることを待ってしまうことに気が付きました。いわゆる『指示待ち人間』しか育てられないというのです。 そこで安倍監督は『考えさせる練習』をさせることにしました。例えば、練習中にある一本のパスが通らなかったとしましょう。パスを出した選手には、何故パスが通らなかったのか。パスを受ける選手には、どのように動けばパスを受けることができたのか。他の選手はどういう動きでフォローすれば良かったのか。そういったことを徹底的に考えさせることで、選手は自発的に動くことができるようになったのです。
雑用を新人に押し付けない
もうひとつは、上下関係を作らないこと。創部3年目の時、阿部監督は3年生に雑用を率先してやるように伝えました。用具の手入れや掃除などを、最上級生が行うのです。そんな先輩の姿を見ている下級生は、学年が上がると先輩の様に雑用をこなします。
これを実践したことで先輩と後輩に垣根が無くなり、後輩が先輩に率直な意見を述べることができるようになったといいます。
時には伝統を壊すことも必要
新入社員には叱りたくなる時も当然あるでしょう。しかし叱る前にどうしたら良かったのかということを考えさせることで、自発的に仕事をこなす人材を育てていきます。
また、新入社員にコピーなどの雑用をこなさせることもあるでしょう。もしそれがあなたの会社の伝統でも、それを壊すことも必要です。
叱らずに、雑用は自分でこなしてみる。それが新入社員を大きく成長させることに繋がるかもしれません。