上司が女性だという方はいますか? また会社全体で見たときに、女性の管理職は何人くらいいますか?
女性の社会進出は年々進んでいますが、管理職では未だにその人数は多くないのではないでしょうか。今政府では女性社員の活躍推進を促す『ポジティブ・アクション』に取り組んでいます。ポジティブ・アクションとは、例えば管理職は男性が大半を占めている場合、企業が自主的かつ積極的に男女間の差を無くそうとする取り組みです。
女性が会社で活躍すると、女性が上司になるとどのように会社は変わっていくのでしょうか。
独立行政法人労働政策研究・研修機構は全国1万2000社を対象に『男女正社員のキャリア両立支援に関する調査結果』を発表しました。
調査によると2009年末における女性管理職の割合は6.5%(第1章 調査研究の趣旨)。この割合をポジティブ・アクションの推進を進めることで2015年には10%程度まで引き上げることを目標としています。
具体的なポジティブ・アクションの例としては、『仕事と家庭の両立支援』、『女性の能力発揮のための計画立案』、『ポジティブ・アクションの方針の明確化』などが上げられています(第3章 図表3-1-11)。
既にポジティブ・アクションに取り組んでいる企業では、女性の意識に変化が見られました。
女性社員全体の意識を変えるポジティブ・アクション
ポジティブ・アクションに取り組んだ結果『女性のモチベーションが上がった』と答えた企業は49.1%、『勤続年数が伸びた』は45.4%でした(第3章 図表3-2-3)。また『雰囲気が良くなった』が39.3%であることも見逃せません。
ポジティブ・アクションは『女性管理職を増やす』ために取り組みますが、女性社員全体の意識も変えることに繋がっていました。
そして実際に管理職=上司になった女性は、部下に対する接し方も変わっています。
女性管理職は、男女平等の評価をする
管理職全体への調査によると『男女区別なく評価し、昇進させる』という質問に当てはまると答えた男性の課長は74.0%、部長は72.7%でした。しかし女性の課長では82.5%、部長では91.7%と非常に高い数字で、部長クラスでは実に19%も男女間に差がありました。
また『出張命令や残業命令において男女の区別をしない』では課長クラスで20.8%も女性の方が高いという結果になりました。(第3章 図表3-4-2)
女性の管理職は性別に関係なく、評価も仕事も平等に行っていると言えます。
今後はポジティブ・アクションへ取り組む企業が増えていくでしょう。会社の雰囲気や女性のモチベーションが上がれば、会社にとってプラスになることは間違いありません。性別関係なく全社員を戦力とするためにも、必要な取り組みかもしれませんね。