輸入する商品には税金が掛けられ、輸出する商品には輸出先の国で税金を支払います。この税金を『関税』と呼び、各国の産業保護に役立っています。しかしグローバル化を進める中で関税を撤廃しようとしているのが『TPP』。昨年はこのTPPへ参加が議論となっていましたが、ビジネスパーソンはグローバル化と自身のキャリアについて、どう感じているのでしょうか?
キャリアデザインセンターは25~34歳の若手ビジネスパーソンを対象に『国際化やグローバル化が、仕事のキャリアに影響』に関する意識調査を行いました(キャリアデザインセンター2012 グローバル化の影響調査)。
グラフ:キャリアデザインレポート2012 国際化やグローバル化が、キャリアに影響するか
『大きく影響する』は16.3%、『ある程度影響する』は40.2%、合わせて56.5%の若手ビジネスパーソンが、国際化やグローバル化が今後のキャリアに影響すると答えています。
そして『TPP』への参加は、あなたの仕事やキャリアにも大きく影響してくる可能性があります。
『TPP』とは?
TPPとは環太平洋戦略的経済連携協定で、アメリカやカナダ、オーストラリア、マレーシアなど、環太平洋地域の国々の貿易を自由化しようというもの。参加国同士で貿易を自由化し、大きな経済圏を作ろうというのが目的です。
日本では長い間TPPへの参加が議論されてきましたが、2013年3月15日に安倍晋三首相は正式にTPPの交渉に参加することを表明しました。
TPPに参加すると、どのような影響があるのでしょうか?
TPPのメリットとデメリット
TPPに参加して関税が撤廃されると、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか?
例えば自動車の場合、日本に輸入される自動車に関税はかかっていません。しかし日本車を輸出する場合、アメリカでは2.5%、EUでは10%、韓国では8%の関税が掛かっています。今回TPPに参加するアメリカでの関税がなくなると、自動車産業の輸出額は増えると見られています。関税が障壁になって輸出額が伸びていない産業にとって、TPP参加は大きなチャンスとなります。
しかし関税の撤廃が、国内産業に打撃を与える可能性も秘めています。
例えば日本人の主食である米。米を輸入する際にはなんと778%もの大きな関税が掛けられています。これは国内の米農家を守るために設けられていますが、関税が撤廃されると米農家にとって大きな打撃となり、米農家が減少すると言われています。
あなたの仕事はTPPに関係ある?
TPPは物だけではなく保険といったサービスの自由化も目標に掲げられています。今扱っている商品やサービスが国内向けのものでも、TPPに参加することによって加盟国から注目され、輸出されることになるかもしれません。TPPへ参加すると、国内企業がいきなりグローバル企業へとなる可能性を秘めているのです。
あなたの仕事はTPPに影響があるものでしょうか? 今のうちにどのような影響があるかを把握し、グローバル化に備えておきましょう。