『声を仕事にする』というと、どんな職業を思い浮かべますか?
『声優』という答えを思いつく方も多いと思います。最近では深夜帯に放送しているアニメも多いので、ビジネスパーソンの中にもアニメファンが増えています。
声の仕事の中でも華がありそうな『声優』。しかし、なるだけではなく、なったあとも大変なようです。
声優になるためには、もちろん声をうまく出せなくてはいけません。しかし、ボイストレーニングは独学ではなかなか難しいもの。声優を目指す人の多くは、声優を養成する専門学校などに通うことになります。今では大阪芸術大学のように、大学に『声優コース』が設立されているところもあり、人気があります。
しかし、専門学校や大学を卒業しただけでは、すぐに声優になれるわけではなく、卒業後には声優を抱えているプロダクションに所属する必要があります。プロダクションを通して仕事を受けて、初めて声優になれるわけです。
ところが声優の仕事、収入は非常に低い位置からスタートするようです。
国民的アニメの声優の収入は?
今年の1月に亡くなった声優の永井一郎さん。アニメ『サザエさん』の波平役として、日本では有名な声優さんでした。しかし、1988年『オール讀物』に寄稿した永井さんの記事は衝撃的でした(日本俳優連合 ショッキングな実態公表)。
当時、すでに『サザエさん』は国民的アニメ。そのレギュラーメンバーである永井さんの1本の出演料は、4万3200円。年間52本放映されるとしても、1年間の収入は約227万円で、そこから事務所の手数料と源泉徴収が引かれると、手取りで約164万円だったそうです。
その後交渉を重ね1本8万1千円にギャラは上がりましたが、それでも手取りで約305万円。国民的に知られている作品に出ていても、収入はそこまで高くはないんですね。
最近の声優は、声優以外の仕事にも力を入れている!
現在の若手声優は、永井さん以上に厳しい条件で仕事をしています。ではどのように収入を上げていくかというと、声優以外の仕事にも力を入れること。人気声優はタレント活動や歌手活動など、さまざまな仕事をして収入を得ています。
華やかに見える声優という仕事。しかしその華やかな一面の裏側では、多くの努力が積み重ねられているのです。