翻訳の仕事は、外国語に長けていればなれそうな仕事ですよね。外国籍の方としっかりコミュニケーションがとれるなら、翻訳はそう難しいものではなさそうです。
でも翻訳の仕事には、他にも必要なことがあります。
今人気の映画『アナと雪の女王』の中には、翻訳の仕事をするうえで大事なことが見えてきます。
翻訳の仕事にはいくつかの種類があります。
ひとつは『出版翻訳』。外国で出版されている書籍を日本語にして、出版するための翻訳です。ファンタジーや純文学など出版数も多いため、新人でも間口が広く、仕事が多いのが特徴です(スペースアルク 出版翻訳とは)。
次に上げるのは『実務翻訳』。最近は企業のグローバル化が進み、社内で外国語を使う場面が多くなっています。ビジネスレターや商品のパンフレット、会社案内などを外国語で作る際に活躍するのが実務翻訳家です(スペースアルク 実務翻訳とは)。
そして最後が『メディア翻訳』。映画やテレビ番組、ゲームソフトなど、さまざまなメディアに関わる翻訳をする仕事。ただ文字を翻訳するだけではなく、聞いた言葉を日本語に翻訳しなくてはいけないので、ヒアリング力が問われます。
どれも基本的には『外国語を日本語にする』力が必要ですが、どちらかというと『日本語力』が大切なんです。
話題の歌『♪ありの~ ままの~』は直訳ではない!
今、話題の映画『アナと雪の女王』の劇中で歌われている曲『Let It Go』が注目を集めています。日本語訳の曲で「♪ありの~ ままの~」という歌ですね。実はこの訳、直訳とはちょっと違います。
英語音声の字幕版ではこの部分『これでいいの、かまわないの』と訳されています。しかし映画の吹き替え版の場合、映像の口の動きに合わせた言葉が必要。そこで翻訳家の高橋知伽江さんの翻訳で『ありのままの』になったというわけです(NEWSポストセブン 4月20日付)。
日本語の豊富なボキャブラリーが必要!
外国語の歌を日本語に翻訳するためには、ただ直訳するだけでは音楽にうまく乗らない場合がほとんど。高橋さんは「日本語のボキャブラリーを豊かにするように」気を付けているそうです(日刊アメーバニュース 4月26日付)。
翻訳の仕事は、当然ながら外国語が堪能でなければいけません。しかしそれと同じくらいに、日本語についての勉強が必要。細かいニュアンスやボキャブラリーなど、日々の鍛錬が大事なんですね。