面接官が最も注視してたずねる質問事項は何だと思いますか? 「あなたの強みは何ですか?」「弊社でどんな貢献をしたいですか?」など、必ず聞かれる質問がいくつかありますが、そのどれよりも大切なのが「何か質問はありますか?」です。
この質問をはさむことで、面接官は面接者のあらゆる面を分析しようとします。人柄やコミュニケーションスキルのみならず、理解力、業界・業種についての知識・経験、興味のあるポイントなど、どんな質問が返ってくるかによって把握しようとするのです。 では、具体的にどんな質問を返していけばよいのでしょう。
質問事項(1) 自分の強みをアピールする質問例
面接官に「何か質問はありますか?」と聞かれたときに、ただ「ありません」と答えるのはやめましょう。その答えは「御社に興味がありません」と伝えていることとイコールです。逆質問の機会は、さまざまなことを伝えるチャンスなのです。 たとえば、このように質問すると、自分の強みをアピールすることができます。
<例>
「私は前職での訪問営業で、○○の部分を工夫して1日の訪問件数をアップし、それによって契約件数も倍増させることができました。この点を御社の営業でも活かせると思っていますが、他におさえておくべきポイントはありますか?」
この質問をシンプルにすると、「御社の営業をする際におさえておくべきポイントはありますか?」となります。これをただ質問するよりも、その前に“前職で培ったスキル”をつけ加えることで、自己アピールに繋げることができます。
質問事項(2) 自分の意志や興味、熱意を伝える質問例
「何か質問はありますか?」と聞かれた際には、自分の興味のある分野やそれに対する熱意を伝えることも可能です。
<例>
「私は御社の○○部門のサービスに魅力を感じていて、普段から愛用もしています。転職して入社した方で、○○部門で活躍している方はいらっしゃいますか?」 「将来的に出産する機会があった場合、私はその後も御社で働き続けたいと思っています。現在、出産後の女性で活躍している方はいらっしゃいますか?」
ここでの質問のポイントは2つです。まずは、自分が興味のある分野や将来のイメージ像を明確に伝えること。その後に、そのような社員が現在いるのかどうかを質問してみることです。
この質問のよいところは、企業に対する前向きな姿勢を示すことができる点です。逆に言えば、企業のことを事前にしっかり研究しておかなければこの質問はできません。熱意を伝えるためには、勝手に熱くなるのではなく、冷静に相手を研究することと心得ましょう。
質問事項(3) 聞きづらいことを失礼のないように聞き出す質問例
面接官から「何でも聞いてください」と言われれば、給料や福利厚生、休日など、仕事以外の面も聞きたいのが本音ですよね。でも、それをストレートに聞いてしまうと、「たくさん休みたいのかな」「仕事には興味ないのかな」と思われてしまうかもしれません。 そんなときは、“仕事に絡めて”逆質問をするようにしましょう。
<例>
「御社に入社したら、営業でトップに立ちたいと思っています。現在、御社で活躍されている営業担当者の方の1日や週の働き方を、差支えない範囲で教えていただけますか?」
「前職では、繁忙期は○月で、その時期は毎日△時間は残業をしていました。御社の場合、繁忙期は何月頃になるのでしょうか? また、その時期はどの程度の残業をされているのか差支えない範囲で教えていただけますか?」
仕事と絡めつつ、「差支えない範囲で」という言葉をつけるだけで印象は変わるものです。忘れてはならないのは、逆質問はただ質問をする時間ではなく、自己アピールと絡めつつ、質問をする時間だということ。これはどのケースの逆質問でも鉄則です。
NGな質問事項または解答例 NGな質問事項または解答例があります。いくつかご紹介しましょう。
<例文>
「御社の強みは何ですか?」
→ 面接を受ける企業の強みも知らずに来たのかと思われてしまいます。新聞やホームページを調べればわかることです。
この場合、「私の強みは○○だと思っています。御社の強みである○○と合致すると思いますが、いかがでしょうか?」など、自己アピールと絡めるようにしましょう。
「御社の仕事のやりがいは何ですか?」
→ これは“逆質問=純粋な質問タイム”と勘違いしている典型的な例です。貴重な面接の時間は全てアピールタイムです。この質問であれば、「私は前職で○○にやりがいを感じていました。御社の仕事でのやりがいは△△だと思いますが、この部署で、転職してきて活躍している方はいますか?」。
「仕事で一番失敗したことは何ですか?」
→ 面接を受けているのは面接官ではありません。純粋に質問をするのはやめましょう。
他にもいろいろありますが、「質問はありますか?」でのやり取りは、企業研究をしておけばあらかじめ用意しておくことが可能です。本番であたふたしないように、事前に逆質問のシミュレーションをしておきましょう。