「貴社」「御社」の違いとは?使い分けの例文や注意点、マナーを紹介

公開日:2023年10月05日 #転職準備 #キャリア #転職知識

「貴社」「御社」の違いとは?使い分けの例文や注意点、マナーを紹介

「貴社」と「御社」の違いが分からないという方は多いのではないでしょうか。とくに就職・転職の場面で使い方を間違えてしまうと、マナーが身についていないとして評価が下がってしまう場合もあります。本記事では、「貴社」と「御社」の使い分けについて、例文を交えて解説します。基礎的なビジネスマナーを身につけたい方は、ぜひ参考にしてください。

「貴社」「御社」どっちを使うといいの?違いを解説

「貴社」と「御社」は、どちらも相手の企業を示す尊敬語です。尊敬語とは、相手を立てて敬意を表す言葉です。「貴社」と「御社」は同じ意味ですが、使い方に違いがあります。「貴社」は書き言葉で使い、「御社」は話し言葉の際に使います。

元々は「貴社」のみが使用されていましたが、「記者」や「帰社」などの同音異義語と区別するために、会話では「御社」が使われるようになりました。メールや履歴書、職務経歴書では「貴社」を使用し、面接や会社説明会では「御社」を使います。

今では、「貴社」と「御社」は使い分けがされています。間違えてしまうと一般常識に欠けているとマイナス評価を受ける可能性があります。就活やビジネスシーンなどの場では、特に注意しましょう。

「貴社」「御社」の使い方の例文

「貴社」は文章で使用し、「御社」は会話で使います。ここでは、「貴社」と「御社」の使い方を例文を交えて解説します。使い方に不安のある方は、ぜひ参考にしてください。

「貴社」の例文

「貴社」の使い方には、以下のようなものがあります。

<メールでの例文>
・貴社の不動産管理部門に大変興味があり、〇〇月〇〇日の説明会に参加いたしたく、ご連絡しました。
・貴社の求人情報を拝見し、営業部に応募いたします。

<履歴書での例文>
・私は、貴社の「従業員を資産と考え、共に成長を目指す」という考えに共感し、志望いたしました。
・私は、年齢に関係なく、能力があれば責任あるポジションを任せるという貴社の社風に魅力を感じております。

メールや履歴書などの文書ではやり直しができないため、記載ミスを無くすことが大切です。印刷して読み返したり音読したりすると、間違いに気付きやすくなります。少し時間を空けてから、提出するのも良いでしょう。

「御社」の例文

「御社」の使い方には、以下のようなものがあります。

<面接での例文>
・私は、御社のチャレンジ精神を重視する姿勢に共感し、志望いたしました。
・御社のSDGsに関する取り組みに興味があります。詳細をお聞かせいただけないでしょうか。

<会社説明会での例文>
・御社の人材育成について、もう少し詳しく教えていただけないでしょうか。
・本日は、御社の説明会に参加させていただき、ありがとうございました。

<電話での例文>
・お忙しいところ失礼いたします。先日、御社から面接のご案内をいただいた〇〇と申します。恐れ入りますが、面接の日時の変更をお願いできないでしょうか。
・内定をいただき、ありがとうございます。ぜひ御社の一員になりたいと思います。頑張りますので、よろしくお願いいたします。

会話の途中で言い間違えても、言い直せば悪い印象を与えることはないでしょう。会話で重要なのは、表情や声のトーン、姿勢を正すなどでポジティブな印象を与えることです。

「貴社」と「御社」を使い分けるときの注意点

「貴社」と「御社」を使用しないケースもあります。ここでは、「貴社」と「御社」を使う際の注意点を解説します。正しい知識を持って転職活動をしましょう。

一般企業以外では別の呼び方がある

銀行や病院などでは「貴社」や「御社」を使用せず、別の呼び方があります。以下を参考にしてください。

・銀行や信用金庫:貴行、御行
・市役所・区役所:貴庁、御庁
・病院:貴院、御院
・機構:貴機構、御機構
・組合:貴組合、御組合
・協会:貴会、御会
・学校:貴校、御校

銀行や信用金庫への転職を目指す際には、「貴社」や「御社」ではなく、「貴行」と「御行」を使いましょう。細かい点に感じるかもしれませんが、銀行や信用金庫を目指すなら、正しい言葉を使えるのは当然と感じる採用担当者もいます。履歴書などの文書で書き間違うと、マイナス評価になる可能性があるため、注意が必要です。

二重敬語にならないようにする

二重敬語にならないように注意しましょう。たとえば、「貴社」や「御社」は尊敬語であるため、「様」や「殿」などは不要です。敬語が重複し、過剰な表現となるため注意しましょう。また、「〇〇部長様」や「〇〇部長殿」のように役職に「様」や「殿」などをつけるのも、二重敬語です。

なおメールや履歴書などの文書では書き直しができません。注意力が不足しているという評価につながる可能性があるため、注意が必要です。応募書類を作成したら、二重敬語がないかどうか必ず確認したうえで提出しましょう。

弊社・当社などの言葉と混同しない

「貴社」や「御社」と混同されやすい言葉に、「弊社」と「当社」があります。どちらも自社を指す言葉です。

「弊社」はへりくだった表現で、取引先やお客様などの社外の方に向けて使用することが一般的です。一方、「当社」は社内の人同士で使う言葉です。転職活動中の場合、応募企業の社員ではないため、面接や履歴書では「弊社」と「当社」を使用しません。自分を指す言葉は「私」を使うのが一般的です。

そのほか、面接や電話などでは「わたし」や「わたくし」を使用します。そして、今の会社を「現職」、既に退職した場合「前職」を使用します。

正しい言葉を使い、ビジネスマナーが身についていることをアピールしましょう。ここからは、「弊社」「当社」の例文を紹介します。

「弊社」の例文

「弊社」の例文には、以下のようなものがあります。

・日頃から弊社サービスをご利用いただき、誠にありがとうございます。
・弊社ではこの度、新商品を発売することとなりました。

「当社」の例文

「当社」の例文には、以下のようなものがあります。

・当社の強みは、技術力の高さと従業員の結束力です。
・当社ではお客様のニーズに答え続けるために、毎年新しいことにチャレンジしています。

ビジネスパーソンとして活躍し続けるためには、細かな言葉づかいに注意して、場と相手に即して適切に言葉を選ぶことが大切です。

「貴社」「御社」の使い方を間違えたときの対処法

「貴社」と「御社」の使い方を間違えてしまったときは、気がついた時点で「失礼しました」と断りを入れて言い直しましょう。説明会や面接であれば、間違えをきちんと訂正すればマイナス評価につながる可能性は低いといえます。

しかし、メールや履歴書などの文書で書き間違えてしまうと、訂正する機会がありません。注意力が不足していると判断されるケースがあるため、注意が必要です。

ここまで敬語を正しく使うことの大切さを解説してきましたが、敬語だけにとらわれてはいけません。企業の採用担当者は、応募者の志望動機や入社の意思、スキル・実績などを総合的に評価し判断します。敬語に間違いがあれば訂正してきちんと自己アピールしましょう。間違えてしまっても引きずらないことが大切です。

また、志望企業に転職するためには、さまざまな準備が必要です。しかし、どのような準備をしたら良いのか、そもそも志望企業をどう選んだらいいのか分からない方も多いのではないでしょうか。そういった転職活動のサポートが必要な方には、typeがおすすめです。履歴書や職務経歴書の書き方のマニュアルが整備され、転職活動のサポートが充実しています。

「御中」と「様」の書き分けにも気を付ける

「貴社」と「御社」だけではなく、「御中」と「様」の書き分けにも注意が必要です。「御中」は「組織の中のどなたかへ」という意味で用いられる敬称で、会社や部署を示す言葉ではありません。一方、「様」は特定の個人を指す総称です。

よくある間違いに「御中」と「様」を併用するケースがあります。たとえば、「〇〇株式会社御中 〇〇様」などです。正しくは「〇〇株式会社 ご担当者様」や「〇〇株式会社 採用担当御中」などです。

以下にまとめました。「御中」と「様」の使い分けを理解して、正しく使いましょう。
株式会社〇〇御中 ✕✕様 NG
株式会社〇〇 ✕✕部御中 OK
株式会社〇〇 ✕✕部 △△様 OK

敬語やマナーの習得は社会人としての第一歩

就職・転職活動で活きる敬語やマナーは、転職後においても求められるビジネスマナーです。転職後に基礎的なビジネスマナーが身についていないと、取引先・お客様や上司からの評価が下がってしまう可能性があります。転職時だけでなく、将来のキャリア形成のためにも、転職活動中に正しい敬語やマナーを身につけておきましょう。

日頃から正しい言葉遣いを意識することで、履歴書の記載ミスや面接時の言い間違いが減ります。そして、正しい敬語やマナーを身につけることで、志望企業への熱意や経緯を伝えられるのです。志望理由を明確にしたうえで返答ができるように準備することが大切です。

まとめ

敬語を正しく使えているかどうかは、就職・転職においてビジネスマナーが身についているかをチェックする重要な判断ポイントです。履歴書や職務経歴書で記載ミスがあると、採用担当者から「注意力が不足している」と評価されかねません。書類を提出する前に間違いがないかをしっかり確認することが大切です。

ただし、とくに面接時では、敬語だけにとらわれてはいけません。言い間違えてしまったら、訂正して自分の思いを伝えることが大切です。

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監修

   type編集部
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