<30代半ば・マネジメント職の転職者への質問>良い回答例とNG例【面接対策パーフェクトガイド】
30代半ばなら、既にマネジメントの役割を担っている方やこれからマネジメント側へのキャリアアップを目指して転職をする方も多いでしょう。こうした場合、面接ではストレートに「マネジメント経験」について質問されます。そのため、きちんと「マネジメントとは何か」について整理しておくと良いでしょう。
また、マネジメントにもステップがあり、業界、企業、職種ならではのキャリアパスとそれぞれの段階で求められるスキルやレベルが異なります。管理職は業績や他の人材への影響が大きく、給与も高いため、企業側は採用に慎重です。応募企業のマネジメント体制や組織についてできる限り研究して、回答の準備をしましょう。ここでは「マネジメント経験」「部下と接するときに心掛けていること」の質問の目的と回答のポイントを詳しく解説し、OK回答例とNG回答例をご紹介しています。
「マネジメント経験はありますか?」
質問の目的は、マネジメント経験の有無とレベルの見極め
多くの企業では、年齢が30代半ばであったり、10年以上の社会人経験アリの応募者へは、組織をリードする役割と成果への責任、そして人材育成といったマネジメントを期待している場合も多いでしょう。そのため、面接官はマネジメント経験の有無とレベルを見極めるため、ストレートに質問します。求人内容や企業研究から、求められる経験やレベルを想定して、回答の準備をしましょう。
回答のポイント
マネジメント経験がある方は、期間や人数、肩書(役職名)や役割、成果を具体的なエピソードで話しましょう。数字を使ってレベルが分かりやすいように示すことやマネジメントを通しての気付き(学び)、またはどのような努力や工夫をしたかを盛り込んで伝えましょう。肩書のつくマネジメント経験がない場合、
後輩やチームメンバーを活かした経験やリーダーシップを発揮したこと、または業務の進捗を管理したなど裁量権の大きい働き方を振り返って伝えましょう。
これならGood!良い回答例
現職では、20**年*月から係長として、部下3名のマネジメントを担当しています。
具体的には営業同行を含む指導やサポート、各自の目標設定のアドバイスとその後のタスク管理、売上管理の他、チーム全体の営業戦略立案も行っております。
特に営業同行を通しての指導に力を入れており、各自の強みに合わせた顧客アプローチ方法をアドバイスするとともに、実践して見せています。折衝のレベルに納得が行くまで何度でも同行すると公言しており、メンバー自身が成長を実感することを大事にしています。時間が掛かる場合もありますが、結果、自走できる人材に育っていると感じます。そのようなチームを作っていることで、四半期毎のチーム目標額を常に5%以上超えて達成しています。
プレイングマネージャーのポジションで、いつからどれくらいの人数をマネジメントしているのか、を最初に伝えて分かりやすいです。また、役割や成果を具体的、かつ端的にアピールできているところも良いですね。
やってはいけない!NG例
3つのプロジェクトでチームリーダーを経験しておりますので、御社でもチームリーダー以上の役職で貢献可能と考えています。
肩書が果たす役割は企業や職種で異なることも多く、面接官は肩書より、具体的な役割、行動と成果を知りたがっています。さらに、プロジェクトもどのような内容でどれくらいの規模かを示さなくては、レベルが判断できません。数字を示して具体的に説明しましょう。現職以上のキャリアアップ希望の場合、上の役職でも活かせる経験を示すなど、根拠とともに伝える必要がありますので、回答に不足が内容に意識しましょう。
「部下と接するときに心掛けていることはありますか?」
質問の目的は、管理職としての資質と自社とのマッチングをチェックすること
部下との接し方の質問は、部下に対するコミュニケーションスタイルやリーダーシップをどう考えているかを確認して、管理職としての資質を判断することが目的です。職種にもよりますが、特に30代半ば以上であれば、ビジネスパーソンとしての対人関係構築力があることが前提で、応募者のマネジメント力やレベルが自社が求めている方向と合致しているか、チームで成果を出せる人材か、ハラスメントなどの危険性はないかといった点も確認しようとしているでしょう。
回答のポイント
この質問には、日頃、部下や後輩に対して「どのような考えを持って、具体的にどう行動しているのか」を分かりやすく伝えれば良いでしょう。例えば、部下の長所を伸ばす・短所をカバーするため、モチベーションを上げるための取り組みなどを振り返ると考えやすいでしょう。部下と仲良くすることがマネジメントではありません。「チームの成果を最大限にするため」に自分がチームに対してどう接しているのかを伝えることを意識して、面接官に不安や疑念を与えないように注意しましょう。
これならGood!良い回答例
私は、部下のモチベーションアップを心掛けて日常的に接しています。3名の部下とも20代半ばで社会人経験が浅いため、1人で問題を抱え込んだり、仕事の進捗が見えないことでパフォーマンスが下がりがちなところがあるため、毎朝の進捗確認ミーティングを行い、報告と相談をチェックして孤立させないこと、日々前に進んでいると実感させることを意識しています。また、「プロセスを具体的に指摘して褒める」こともモチベーションに大きく影響すると考えていますので、納期の達成を褒めるだけではなく、「優先順位の判断が良かった」のか「仕事のスピードが上がった」のかを指摘することで、成長実感を感じてもらいつつ「きちんと見ているよ」というメッセージも伝えるように心掛けています。最近ではメンバー同士でもそういった褒め合う行動も増えてきて、チーム全体の前向きさが上がったように感じています。
どういうマネジメント状況であるのか、その中だからこそ大切にしていること、そのために具体的に行っていること、という構成で述べていて、分かりやすいです。また、そのマネジメントスタイルが成功しているという結果も添えられており、納得感があります。
他にも、例えば育成に苦労した人材から学んだ点やエピソードを語ったり、過去の上司の姿からヒントを得て取り組んでいることを話すなど、自分なりのエピソードを伝えられると尚良いでしょう。
やってはいけない!NG例
「フラットさと自由闊達」を大切にしていて、部下が自分の考えで仕事が進められるように任せています。ただし、相談があれば必ずフォローしています。
本人の正直なポリシーだとしても、企業によっては「ただの放任では?」「マネジメント能力に欠けるのでは?」と受け取られる可能性が高い回答です。例えば、「フラットさと自由闊達」が現職の社風にあわせたものである、という背景を説明したり、任せている中でもここはチェックしているといった点やフォローの一例を具体的にあげるなど、丁寧な回答が必要です。応募先企業の社風に「フラットさと自由闊達」がマッチングしないようであれば、他の切り口に変更するといった配慮も必要です。
現在の役職に限らず、マネジメント職に応募する際は「自身がどういうスタンスで後輩や部下に接しているのか」を言語化しておくことが重要な面接対策になります。年齢が上がれば後輩・部下がいることが自然です。今一度、現在の自分の取り組みを振り返り、応募企業のマネジメント体制や組織についてできる限り研究して、回答の準備をしましょう。
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