<仕事への不満や失敗体験の質問>良い回答例とNG例【面接対策パーフェクトガイド】

転職面接では、応募者の考え方や人柄を深く知ろうと「今までの仕事への不満」や「失敗体験」「つまらない仕事への取り組み方」を質問することがあります。どれも応募者の仕事観につながる質問ですから、しっかりと自己PRになる回答を準備しましょう。
ここでは3つの質問の目的、回答のポイントを詳しく解説し、OK回答例とNG回答例もご紹介しています。

「今までの仕事で不満に感じたことは何ですか?」

質問の目的は、問題に対する主体性の有無と転職理由(退職理由)の会話のきっかけ

面接官は今までの仕事への不満をただききたいわけではありません。応募者がどんなことや状況に不満を感じるタイプなのかを知ること、またそれに対して主体的に改善努力をしてきたかを知りたいと思っています。また、「不満を述べていい」という状況を作ることで本音や素を引き出そうとしているかもしれません。
転職理由(退職理由)と不満は切り離せないものなので、この話題をきっかけに転職理由(退職理由)を探ろうとしている可能性もあります。

回答のポイント

「今までの仕事」と聞かれているので、業務内容、仕事のやり方といった点で不満に感じていたこととそれをどうとらえていたか、を伝えます。注意すべき点は、「つらい」「きつい」「やらされている」「やりがいを感じない」などネガティブワードを使わないことです。面接官は「不満」と聞くものの、不満だけでいっぱいな人は敬遠します。「これが不満で、こうなりたいから転職する」という流れで答え、ネガティブな印象にならないようにしましょう。内容が「転職理由」や「志望動機」と矛盾しないことにも注意します。

これならGood!良い回答例

昨年度から、Web制作案件数の目標が倍になり、制作効率化のためWebデザインを固定してフォーマット化する方針になりました。今では案件のほとんどがクライアントから提供された写真やイラストを差し替えるだけになっています。少しでもデザインのコンサルティングができる案件を受注できないか、会社に相談しましたが、営業人員の点から方針変更は無理と言われました。私自身はWebデザインの仕事は、クライアントの課題をデザインを通して解決することだと考えております。そのため顧客の幅を広げてコンサルティングスキルを高めたいと、転職を決めました。

現職の仕事のやり方では、希望するスキルが得られないという不満を伝え、その不満に対して自分がどのように行動を起こしたのか、まで盛り込めています。やりたい仕事やスキルアップしたい、といった前向きな理由に転換してまとめており、面接官へネガティブな印象を与えることはないでしょう。

やってはいけない!NG例

昨年度から、Web制作案件数の目標が倍になり、制作効率化のためWebデザインを固定してフォーマット化する方針になりました。今では案件のほとんどがクライアントから提供された写真やイラストを差し替えるだけ、と単純作業化しています。マンネリ化してしまった仕事に、全くやりがいを感じられなくなりました。

不満の内容は「これならGood!良い回答例」と同じですが、不満だけを回答しているために、ネガティブな印象を残したままとなっているのでNGです。「これならGood!良い回答例」のように、面接官へは「不満を解消できて働いている姿」をイメージしてもらえるように工夫しましょう。

「今までの仕事でもっとも大きな失敗は何ですか?」「失敗体験を教えてください」

質問の目的は、「失敗から学ぶ姿勢」や「思考や行動のプロセス」の確認

面接官は、失敗体験の質問から、応募者が「どのように考えて、行動して対処したか」「何を学んで今に生かしているか」を確認します。そのため、失敗の内容そのものではなく、「失敗から学ぶ姿勢があるか」と「応募者の思考や行動のプロセス」を知りたがっています。つまり、成功体験を聞く質問と目的の本質は同じです。あわせて「主体性を持って仕事をしてきたか」「失敗を乗り越えるタフさがあるか」のチェックでもあると心得ましょう。

回答のポイント

失敗やミスそのものより、「なぜ失敗したのか」原因を分析したことや、再発を防ぐため具体的に行動していることをエピソードとして話しましょう。企業が求めている職務経験や人材像とのマッチングを前提として、PRにつながる「失敗からの学び」となるエピソードを選びましょう。

これならGood!良い回答例

ある調理器具の販促企画で、一般参加者による料理コンクールを開催しました。審査発表までの間、番号をふって皿を冷蔵庫へ入れておくように近くのスタッフに指示したのですが、番号無しで保管されて誰が調理した皿かわからなくなりました。急遽、司会者にお願いして運んだ皿は誰のか、会場で聞いてコメントをもらうという進行に変え、場は盛り上がり結果オーライでした。
この経験から、イベント前のシミュレーションを丁寧に想像してチェックポイントを洗い出して備えること、可能な限り実施スタッフへ直接指示すること、指示を中継する場合は伝えたかの確認を徹底するようにしています。今では本番での凡ミスはほぼありません。

失敗に臨機応変に対処できたこと、失敗の原因分析から学んで改善の対策をたてたことが、分かりやすく話せています。その後も、仕事に十分に活かせていることもアピールできています。

やってはいけない!NG例

お客様に見積書を提出した際、社内決済用の損益計算書が紛れ込んでいたことに気付かず、後でお客様から指摘されました。背中から汗が噴き出るほど焦った経験でした。

「失敗体験」のみを伝えていてNGです。また、取り返しのきかなかった失敗体験よりも「その場をこう対処できた」と話せる体験を選びましょう。もちろん、失敗の原因分析と、学びからの改善アプローチはエピソードとして必ず必要です。

「つまらない仕事を任されたらどう取り組みますか」

質問の目的は、仕事観や意欲、責任感をみること

この質問は「仕事をどうとらえているか」という仕事観と、「実際に興味のない仕事を与えられたときにも努力できるか」「任された仕事に責任を持って全うできるか」という意欲や責任感を確認する目的もあるでしょう。「つまらない仕事」と聞いてどのような仕事をあげるのか、またそう感じる仕事にどう取り組むと考えているのか、を知って深く人物像を理解しようとしています。

回答のポイント

具体的な仕事例をあげて、どう考えてどう取り組んできたのか、を伝えましょう。仕事を面白くする、または成果アップや効率化などの目的で行った工夫や努力を振り返って、エピソードを選びます。面接官へ「一緒に働きたい」と印象づけられるエピソードかどうかも意識すると良いでしょう。
ただし、ウソのエピソードは、面接官から本当にその人がやったことかを確認する深堀質問があると、見抜かれてしまいますのでNGです。

これならGood!良い回答例

披露宴の引出物を袋にセットして座席に置く、という仕事があります。カップルにとっても、参加者にとっても特別な日ですから、見た目が美しくない、箱がつぶれた、など縁起がよくないことがあってはいけないと考え、袋に収めた様子を事前に写真で確認して頂くようにしました。それから、作業手順を決めて1袋あたりのセット時間から、当日の必要作業時間を決定します。一緒に作業するスタッフへ、必ず引出物に込めたお2人の気持ちを伝えるとともに、作業手順と時間を決めることで仕上がりがバラつかず、目標時刻よりも早く仕上げられるようになりました。どんな仕事でもその意味や背景、影響を考えること、そして小さくても目標を立てることを意識しています。

具体的な仕事を挙げて、どう考えてどう取り組んできたのかを示せており、説得力があります。最後に仕事へ取り組む姿勢をまとめていますが、最初に伝えてからエピソードを話しても良いでしょう。

やってはいけない!NG例

創意工夫次第で、つまらない仕事はないと考えていますので、何事も全力で取り組んでいます。

本質的には「創意工夫次第で、つまらない仕事はない」かもしれませんが、抽象的な言葉のみを述べては、説得力がありません。この回答に続いて、具体的にどう取り組んだ経験があるのか、エピソードで示しましょう。

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