営業職にやりがいを感じて、職種はそのままに他業種への転職を考える方も少なくありません。その場合、できれば年収アップも目指したいところ。今回は、営業職の業種ごとの年収についてお届けします。
営業職の業種別の年収は？
同じ業種内で転職される方は大体の相場が分かると思いますが、他業種のことはさっぱり…という方もいるでしょう。そこで20～30代の営業マンの平均年収を業種別にまとめてみました。
■「MR」「証券会社」─30代で年収700万円超えも
主に病院などで医師の処方箋により利用できる医薬品を医療関係者に提供するMR（Medical Representative）は500～750万円、株式の売買を仲介する証券会社の営業マンは450～700万円と、営業職のなかでも高い年収となっています。
■「IT・通信」「医療機器メーカー」─20代でも年収400万円以上
システムやソフトウェアなどを取り扱うIT・通信業界は400～510万円、MRIや超音波診断装置、心電計など医療関連の機器を扱う医療機器メーカーは400～550万円と共にやや高めです。ITのなかでも、SE（システムエンジニア）などの技術者を派遣するSES（システムエンジニアリングサービス）や、クライアントの要望によりシステムの企画や導入、保守などを提案するSI（システムインテグレーション）はさらに高年収が見込めます。
■「広告・メディア」「電機メーカー」「化学・素材メーカー」─どれも370～490万円が相場
無形商材である広告・メディアの営業は新聞や雑誌、Web媒体などの広告掲載を企画・提案します。短期商談で新規顧客をあたるケースが多いでしょう。電機メーカーの営業は家電以外にも電子部品、デバイス、または半導体など、扱う製品が幅広い業界です。化学・素材メーカーは石油、ガス、繊維、紙・パルプ、電子材料など原料や素材、またはそれらを使った製品などを扱います。電機メーカーや化学・素材メーカーは新規よりも既存顧客のフォローがメインになることが多く、契約が継続されないと収入に響く傾向があります。
■「不動産」「食品・生活消費財メーカー」─不動産はインセンティブで振り幅が大きい
不動産は350～480万円が年収の目安となっていますが、建売住宅など販売商品が高額だとインセンティブが発生し、平均よりも高めの年収が見込めます。一方、生活に密着した食品・生活消費財メーカーは350～450万円とやや低めです。
営業職の年収の傾向について
業種や年齢などの条件によってさまざまですが、営業職の平均年収は400～480万円と言われています。営業職の場合、手当やインセンティブが発生することで個人によっても差が出ます。そのため、基本給を目安に転職を考える方が多いでしょう。こちらも条件によるものの20～30代の場合、月18～23万円が平均的と言われます。
基本給が低い場合、インセンティブの割合が高い傾向があります。外資系のように成果主義の企業の場合、特にその傾向が大きいかもしれません。また、医療系など専門的な知識が必要な業種は比較的高い年収が見込めます。
営業職は外回りや人づきあいで別途費用が発生する場合がほとんどです。いわゆる営業手当や経費の精算方法、福利厚生が自分の営業スタイルと合っているかというのも重要でしょう。また、退職金の有無も考慮に入れたいところ。退職金制度がない企業はその分、前払いという形で給与が高い傾向があります。年収いくらという全体的な金額だけでなく、その内訳も念頭に入れておきましょう。
転職活動で希望年収を聞かれたとき、あれこれ考えて間をおいてから答えるのと、臆せずサッと答えられる営業マンとでは心象が違います。そして気をつけなければいけないのは、なるべく現職を辞めずに転職活動を行うこと。辞めてしばらく転職先が決まらない場合、先々の判断ができない人と思われてしまうからです。先見の明は営業職にとって優位な能力。転職活動中もその能力を大いに発揮しましょう。
