求人票でしばしば目にする「試用期間」ですが、実際の条件はどのようなものなのでしょうか。試用期間の正しい知識を身につけて、不当な解雇に遭わないようにしましょう。
試用期間とは
条件付採用と呼ばれることもある試用期間は、会社と労働者の間のお試し期間ともいえます。試用期間は法律で定められたものではなく、試用期間を設けていない会社もあります。その期間は、会社によって1カ月間から半年程度とさまざまですが、一般的には3カ月間というところが多いようです。 試用期間中は、労働条件が本採用された場合とは異なるケースもあります。しかし、最低賃金以下の報酬で働かせることは当然認められていないため、条件はきちんとチェックするようにしましょう。また、試用期間は基本的には継続雇用を前提とした雇用契約に設けられます。3カ月間などと定められているからといって、有期契約ということではありませんから、誤解のないようにしてください。
試用期間中にクビになることはあるのか
試用期間中は、本採用後よりも解雇されやすいという認識が広くあります。しかし、「試用期間中だから明日から来なくていい」などということがまかり通ることはありません。試用期間中であっても、解雇する場合には正当な理由が必要です。就業規則に定められた解雇事由に該当する問題がない場合には、退職勧奨という形になり、労働者が断ることも可能です。 また、採用後15日以上経つ従業員を解雇したい場合には、会社は30日以上前に予告をするか、30日分の賃金を支払う必要があるとされています。これは試用期間中でも変わりません。そのため、試用期間中に突然クビになるということはないのです。ただし、14日以内の場合は、解雇に相当するだけの正当な理由がある場合は、即時解雇される場合もあります。
具体的な期間は?
試用期間を何カ月にするかということは、就業規則によって会社ごとに定められています。 個別に、「しばらくは試用期間で」などということはできないということです。ただし、就業規則で「理由がある場合には試用期間の延長もある」と定められている場合には、当初予定していた試用期間が延長されるケースもあります。試用期間の延長は、欠勤が多い、仕事ができないといった、本採用を躊躇させる理由や合理的な必要性があって行われるものです。 もし、このようなことになってしまっても感情的にならず、延長理由を聞き、話し合いをした上で勤務態度を見直し、働きを認めてもらえるよう一層努力をしましょう。