年収を上げたいという思いは、多くのビジネスパーソン共通の悩みではないでしょうか。では、もしも年収が上がった時、増えた分のお金は何に使いますか?
年収の意識調査から、ビジネスパーソンのお金に対する思いが見えてきます。
キャリアデザインセンターは25~34歳の若手ビジネスパーソンを対象に『年収を現在よりも上げたい理由』を尋ねた意識調査を行いました(キャリアデザインレポート2012 年収増希望理由意識調査)。
グラフ:年収を現在よりも上げたいと思う理由は何ですか
年収を上げたい理由のトップとなったのは『将来のために貯蓄をしたい』で88.0%。9割に近いビジネスパーソンは、年収を上げて貯蓄にまわしたいと思っていました。
2位には『結婚や子育てのため』で47.2%。やはり結婚や子育てにはお金が掛かります。年収が増えれば結婚資金や結婚後の生活に見通しを立てることができますね。
3位には『欲しいものがあるから』で33.4%。車や家など、欲しいものにお金がかかる場合、年収が低いとなかなか購入に踏み切れないもの。年収を上げて、欲しいものを手に入れたいと思っているようです。
結婚や子育てのためにも、また欲しい物を手に入れるためにもある程度必要なのが『貯金』です。1位の『将来のために貯金をしたい』も含めて、ビジネスパーソンは『貯金』をしておきたいという気持ちが見え隠れしています。
そこで気になるのは、周りの人の貯蓄額。みんないくらぐらいの貯金をしているのでしょうか?
平均金融資産額は1108万円! しかし26%の家庭は資産を持っていない!
金融広報中央委員会は『家計の金融行動に関する世論調査(平成24年)』を行いました。二人以上の家庭を対象に、預貯金や有価証券などの金融資産の保有額を調査。
調査によると1世帯の金融資産の保有額は1108万円! 金融資産の中で預貯金が占める割合は56.9%で、2012年の預貯金の平均は630万円でした。みなさん結構貯めているという印象ですね。
『「家計の金融行動に関する世論調査」(平成24年) 2012年金融商品別構成比』は以下の通り。
預貯金:630万円
貸付信託・金融信託:13万円
生命保険:195万円
傷害保険:24万円
個人年金・保険:63万円
有価証券:146万円
財形貯蓄:27万円
その他:10万円
しかし、これはあくまで平均値。金融資産を持っていない家庭は全体の26%。そして金融資産を持っていない家庭は、年収によって大きく変わっています。
年収が300万円未満の場合、金融資産を持っていない家庭の割合は36.6%。300~500万円未満は24.3%、500~750万円未満は18.2%で、当然ですが年収が上がらないと貯蓄にまわす余裕がない家庭が多いことが分かります。
しかし金融資産を増やした人の理由からは、少しずつでも貯金ができるヒントが見えてきます。
定期的な収入から、貯蓄する割合を増やそう!
金融資産残高が増加した人に理由を聞いたところ『定期的な収入が増加したから』が36.6%でした(図表4)。しかし次に多い理由は『定期的な収入から貯蓄する割合を引き上げたから』で28.9%。3割ほどの人は貯蓄の割合を増やすことで、金融資産を増加させていました。
若手ビジネスパーソンの場合、預貯金にまわすお金がないということが多いと思いますが、日々お金を管理して、少しでも預貯金をしていくことが大事なのかもしれません。今から始めておけば、年収が上がった時に預貯金できる金額も多くなり、将来の不安も解消できるでしょう。
今は預貯金がなくても、将来のために、今の収入から預貯金を始めることが第一歩になりそうです。