「こんな会社辞めてやる!」こんな事を思った時、あなたならどうしますか?
その場では感情を抑えて、仕事に戻る人が多いと思います。一方で感情を抑えきれず、その場で会社を辞めてしまう人がいることも事実です。しかし半ば勢いで会社を辞めてしまった場合、陥りやすい落とし穴が潜んでいます。なかなか抜け出せないその落とし穴とは、どんなものなのでしょうか?
感情を抑えきれずに
Aさん(32歳・男性)は、感情を抑えきれずに会社を辞めてしまったひとりです。ある工場で生産管理を担う部署に配属されて1年ほど勤務していたものの、そこで上司と衝突しました。
「直属の上司は、仕事を教えてくれる事が少なかったんです。分からないことを聞いても「そんなことも分からないのか!」と怒鳴られるだけ。さらに上の上司にも相談したんですが改善されないまま1年ほど経ってしまいました。限界でしたね」
ある日Aさんは、どうしても分からない事があって上司に質問しましたが、やはり怒鳴られてしまったといいます。そして感情が爆発、その場で会社を辞めてしまいました。
「今思うと、もう少し考えて行動すればよかったかな、と思いますね」
Aさんはそうつぶやきました。
生活のために、アルバイトに多くの時間を費やしてしまった
勢いで会社を辞めてしまったAさんは、ほとんど貯金がなかったそうです。
「退職して3週間後にはアルバイトを始めていました」
運良く週5日のアルバイトを見つける事ができたので、なんとか日々の生活はできていました。ところが今度は、アルバイトに精を出すあまり、転職活動ができなくなってしまいました。
感情を抑えること、貯金をしておくことでリスク回避を
「失業給付金の1日分はアルバイトの1日分よりだいぶ少ないので、失業給付だけに頼れませんでした。またアルバイトをしないと生活が出来ないので、転職活動に使える時間がなかったということも響いてしまいました」
実はAさん、アルバイトを始めてからすでに1年が経過してしまい、未だに就職はしていません。今では勢いで会社を辞めたことを後悔しているそうです。
「あの時少し我慢して、仕事を続けながら転職活動をしていれば良かったと思います。それから貯金ですね。少しでも貯金があれば、じっくり転職活動に臨めたでしょうし……」
仕事をしている上で「辞めてやる!」と思うことがあるかもしれません。
しかし実際に辞めてしまうことには、大きなリスクが伴います。Aさんが言うように「仕事を続けながら転職活動をする」「貯金をしておく」ことが、様々なリスクを回避するためには必要です。