税金はあらゆるものに掛かっていますが、銀行の預金につく利息にも、税金が掛かっていることをご存知ですか? 貯金している方なら定期的に利子が振り込まれていると思いますが、実はこの金額、税金を引かれたものです。いったい利息にはどのくらいの税金が掛かるのでしょうか?
銀行は、あなたの預けたお金を他の人に貸し出すなど、運用をして利益を得ています。その運用利益から、私たちに預金利息が支払われているという仕組みです。
この預金利息は『利子所得』と呼び、税金が掛かります。税率は所得税および復興特別所得税が15.315%、住民税が5%。合わせて20.315%もの税金が引かれているのです。
例えば預金に対して1000円の利息がついた場合、税金は203円。手元に残る金額は797円となります。
そしてこの税金、銀行が預金利息を振り込む際に源泉徴収して納税を行います。私たちが貯金通帳で見ていた金額は、税金を引かれたあとの金額だったというわけです。
もしも大きい買い物を考えて貯金をしようと考えた場合、やはり利息も計算に入れると思います。計算に入れていた利息からも税金が引かれるとは、なんともやるせない気持ちにもなってしまいます。
しかし預金利息すべてに税金が掛かるわけではありません。非課税対象となる預金も存在しています。
非課税対象となる預金とは?
ひとつは障害者等の小額非課税制度。障害がある方などの預金は350万円までの利息は非課税となっています。
もうひとつは私たちビジネスパーソンが触れる機会の多い『財形貯蓄』です。
もともと財形貯蓄は『勤労者財産形成促進制度』と呼ばれ、働く人の財産作りのために国と企業が援助、協力するという目的のもと創設されました。国の支援のひとつが、財形貯蓄の非課税化です。
財形貯蓄で非課税対象となるのは『財形年金貯蓄』と『財形住宅貯金』。
『財形年金貯蓄』は年金として受け取ることを目的とした貯蓄で、60歳以降に年金としてしか引き出すことができません。
『財形住宅貯蓄』はマイホームの建設はもちろん、増改築を目的とした貯蓄。
この両方の貯蓄額を合わせて550万円までの利息は非課税となっています。但し共に目的以外で引き出す場合には、5年に遡って課税されるので注意してください。
目的がはっきりしていれば、財形貯蓄で節税を!
最近ではアベノミクス効果か、銀行の長期定期預金の利率も少しずつ上昇しています。これを機に貯金をしよう! と考える人も多いかもしれませんが、老後のため、住宅のためという目的があれば、ぜひ財形を利用してください。