企業により、年収には差がありますよね。同じ業界でも会社が違うと、給料の額に差があることは一般的です。では、何が要因で差がついてしまうのでしょうか?
要因のひとつとして考えられているのは『企業規模』。企業規模が違うと、年収にどのくらいの差が出ているのでしょうか?
国税庁では毎年『民間給与実態統計調査』を実施しています。よく『ビジネスパーソンの平均年収』というニュースで使用されている調査ですが、細かく見ると業界別、企業別年収も調査しています。『平成24年 民間給与実態統計調査』から、企業規模別年収を見てみると、おおよそ予想どおりの結果が見えてきました。
企業規模が大きいほど、平均年収は高かった!
平成24年の平均年収は352万1千円でした(表2給与所得者・給与額・源泉徴収義務者数(続)上から3段目「平均給与」以下数字はこの表から)。では企業規模別の平均年収を見てみましょう。従業員数10人未満の事業所に勤める人の平均給与は、290万6千円! なんと平均よりも約60万円下回っています。10人以上の事業所の平均は312万円。企業規模が10人未満と10人以上を比べると約20万円も年収に差がありました。
また30人以上の事業所でも、やはり規模により差があります。30人以上の企業は322万3千円、100人以上で366万2千円、500人以上で389万7千円、千人以上で412万1千円、5千人以上で427万3千円と、企業規模が上がるにつれ、年収も高くなっていることが分かります。
しかし、すべての業種で、人数が多い方がいいかというと、そうでもなさそうです。
企業規模が大きいと、平均年収が下がる業種も!
例えば『卸売・小売業』の場合、全体の平均年収は306万6千円でした。そして10人未満の場合は301万1千円です。しかし10人以上の平均年収は、281万円と低くなっているんです。民間給与実態調査では、正規雇用者だけではなく、パートやアルバイトも集計に入っています。特に小売業の場合、週に2、3回といったパートやアルバイトの力を借りなくてはいけません。パートやアルバイトの力を借りるような業種の場合、人数が多くなると平均年収は下がってしまうというわけですね。
年収を上げるなら、企業規模が大きいところを狙うのがベストだが……
「転職して年収を上げたい」という場合、基本的には企業規模が大きい方が、年収は高くなる傾向があります。しかしいくら従業員数が多くても、業界によってはパート・アルバイトの占める割合が非常に大きいところもあります。
年収を上げる転職を目指すなら、企業規模の大きいところを狙うと同時に、正規雇用者の人数も把握しておいた方がよさそうですね。