ドアインザフェイスで同僚にお願いを聞いてもらう
日々の業務の中で同僚に頼みごとをしなければならないタイミングがあります。例えば、マーケティングデータの収集や顧客リストの作成、あるいは顧客や取引先との折衝など、自分よりも得意な同僚がいればお願いしたいところでしょう。
しかし、同僚だってあなたと同じように毎日仕事をしています。したがって、忙しくて仕事のフォローに応じてくれないというときは多々あります。また、業務に余裕はあるが他人の業務まで手伝う気になれないという同僚だっています。そこで、同僚に対して自分のお願いをどうにかして聞いてもらう方法をご紹介します。
ドアインザフェイスという心理学的手法があります。営業マンの方なら耳にしたことがある言葉かもしれませんが、最初に絶対に無理というお願いをしてから、実際にお願いしたい内容を頼むということです。周囲に頼んでばかりいる人間は嫌われてしまいますが、業務の効率化を考えたときに時々であればお願いをするのも1つの手段。ここぞというときにドアインザフェイスの手法を使うことで効果を発揮するのです。
ドアインザフェイスの活用事例
例えば、同僚に対してマーケティングデータの収集か取引先の折衝のどちらかを手伝ってもらいたいとします。この時、同僚にはマーケティングデータの収集と取引先の折衝の両方をお願いしてみましょう。もちろん、ここで快諾してくれるのであれば非常に儲けものです。
しかし、多くの場合は断られるでしょう。断られたタイミングで、すかさずどちらかに関してお願いをするのです。無理と言われた時は「じゃあ、マーケティングデータの収集だけでもお願い出来ますか」と、このように切り返すのです。
多くの場合、同僚はしぶしぶでもお願いをOKしてくれるでしょう。次の項目では、何故ドアインザフェイスが効果的なのかを解説します。
罪悪感に対してのアプローチなので注意が必要
なぜ、ドアインザフェイスが効果を発揮するのか。最初の依頼を断ってしまった同僚には返報性の心理というものが働きます。これは、断ったことに対して罪悪感が働くため、次に妥協したお願いを依頼されたら引き受けてしまうということです。
せっかく相手が妥協してくれたのに、もう一回断ってしまうのは悪いなと思う人は多いのです。これがドアインザフェイスの根本的な理屈。相手が罪悪感によって開けた心のドアの中に顔を突っ込んでしまうということです。
もちろん、ドアインザフェイスの手法に関して多様は禁物。なんとなく、同僚はあなたに対して「いつも断ってばかりで申し訳ない」と、少し距離感を感じてしまいます。一方で、こうした心理学的手法を知っている人はもちろん、この方法を多用されていることに気付いた同僚は「無理やりお願いを通そうとする嫌なやつ」と感じてしまいます。どうしても手伝って欲しいというタイミングに絞るべきです。