コミュニケーション障害とは
コミュニケーション障害は、ネット上ではネットスラング(俗語)である「コミュ障」と表現されることも少なくありません。そこで使われる意味としては、他人とのコミュニケーションが苦手な人という意味で使われがちです。しかし、ADHDや自閉スペクトラム症など発達障害が原因である可能性があります。
コミュニケーション障害はさまざまな症状を伴います。相手の言葉の意味を表面通り受け取ってしまう、人の気持ちがわからないなど、通常であれば円滑にできるコミュニケーションが、ほかの人よりもうまくできないという特徴があります。
知覚や感覚にも特徴が現れます。大きな音が怖い、人の顔が覚えられない、フラッシュバック(トラウマになった記憶を思い出す)や聴覚過敏で睡眠のリズムが乱れやすいなど症状はさまざまです。
コミュニケーション障害診断と治療法
「自分はコミュニケーション障害かもしれない」と不安に思う人もいるかもしれません。まずは自己診断用のチェックリストを見てみましょう。あなたは、以下のようなケースはありませんか?
・周囲が気になって電話に出るのが怖い
・人前で食事をするのが不安だ
・学校や職場で疎外感を覚える
・会話を論理的に組み立てられない
・自分の声や滑舌に劣等感がある
・余計なことを言いそうで自分の意見が言えない
・人と接するときに身体が震える
不安に陥ってしまったり、身体に症状が出てしまったりすることもあります。しかし、コミュニケーション障害の治し方は、気持ちの問題だという意見もあります。
たとえば、自分の挙動が気になって話に集中できない人は、相手が意外と自分のことを見ていないことがわかると、コミュニケーションができるようになる例もあるそうです。
ただし、コミュニケーション障害を抱えている人のなかには、病院で治療を受けたほうが症状が改善するという人もいます。正確な診断を受け治療に臨むことができるので、心療内科や精神科へ通院しましょう。
コミュニケーション障害の人との接し方
職場の同僚、あるいは上司や部下がコミュニケーション障害だという可能性もあります。一緒に仕事をするとき、どのような点に注意した接し方をするのがよいでしょうか。
まずは、その人の前で批判的な話をするのはよくありません。その場にいない人の話であっても、批判的な意見を言う人に対し、コミュニケーション障害がある人は「自分も批判されるのではないか」と恐怖を抱きます。その結果、攻撃されないよう距離を取ってしまうのです。
次に、あいまいな表現を避け具体的な指示や報告をしましょう。言動をそのまま受け取ってしまう可能性があるので、抽象的な指示や報告は控えたほうがよいです。
ビジネスコミュニケーション上、あいまいなやりとりは避けるべきですが、相手がコミュニケーション障害の人の場合は、とくに注意して接するようにしましょう。
コミュニケーション障害の人は、人と話し仲良くなるのが苦手です。しかし、ほかの人とまったく異なる心理状態というわけではありません。そこで、心理学の「単純接触の効果」を利用してみましょう。小まめに顔を見せたり、近くにいたりすると、心を開いてくれる可能性が高くなります。
悲観しすぎず素直に受け入れよう
コミュニケーション障害は発達障害の可能性もあります。しかし、「なぜ、そうしなければならないのか」を理解すると納得し、徐々に環境に適応できるようになるケースもあるのです。現状に悲観し過ぎず、自分の生きづらさを受け入れるところから始めましょう。