若い社内ニートが急増している現状
内閣府の調査の結果、2012年9月現在、雇用者のうちの8.5%(465万人)が雇用保蔵、つまり、社内ニートと呼ばれる状態にあるという統計が発表されました。完全失業率は2010年の5.1%から2012年9月現在4.2%まで減少していますが、リーマンショック以前はほとんど0と言われていた雇用保蔵は、ここ数年で爆発的に増加しています。雇用に関する法令などから、簡単に失業させることが出来ず、企業は人員過剰の傾向にあるのです。(参考資料:総務省:労働力調査)
社内ニート、特に20代の若手社員が雇用保蔵状態になってしまうことは日本の将来を考えた上で大きな問題。企業は若手社員を育成する余裕が無いため、現状戦力となっている社員で企業活動を行っています。したがって、若手社員はいつまで経ってもビジネスパーソンとして活躍出来ず、スキルを覚えることもなく、モチベーションは低下してしまう一方です。
若手社内ニートの将来は憂うべき事態にある
若手社員がビジネスで活躍できる機会を与えられないことは日本経済全体にとっても大きな損失です。社会人として様々な経験を積むべき20代のうちに、ビジネスの現場に立つことが出来ないとなると、学ぶ機会を与えられないまま30代、40代と年齢だけを重ねてしまうことになります。そして彼らが若い世代に教えるべき立場になったときにそのノウハウを持っていないと、さらに下の世代にとっても悪影響があります。
大局的な視点から見ると日本経済全体への衰退ということが懸念されているのですが、この問題は社内ニートとして過ごさざるを得ない本人にとって非常に深刻な問題です。つまり、スキルを磨くことが無いまま年齢を重ねてしまうと、キャリアアップや転職、独立などを視野に入れることが難しくなってしまいます。今まで社内ニートとして勤めていた企業をリストラされてしまったとすると、再就職は非常に厳しいものとなります。
自己啓発や新天地を自ら進んで求めること
したがって、社内外を問わず、自分から積極的にスキルを磨くことが重要。会社の先輩に同行して営業活動を見学する事も良いことですし、業務において改善できる部分を1つでも見つけることでも良いのです。また、社外で自己啓発セミナーを受講したり、資格取得に向けてチャレンジするというのも能力開発の一環です。
少しでも利益追求のために行動できる人材は企業にとって価値のある存在。上述した行動が直接的に利益に結びつくこともあります。また、意欲を行動としてアピールすること自体が繋がることもあります。
社内ニートとして会社に出社せざるを得ない若手社員は自己啓発や能力開発を積極的に行いましょう。それでも会社でビジネスに携わる機会が与えられないのであれば、思い切って自分がスキルを磨ける場を求めて転職することも自らを高める方法の1つです。