独立開業時や転職先でのつながりもあることを忘れずに
退職時、社内の人間だけでなく、社外の人間に対する挨拶は欠かせません。営業職や渉外担当として働いていた方は当然ですが、事務員として来客・電話対応をしていた方も退職時メールを送るべきでしょう。
退職後、今までお世話になっていた方と再会する機会があります。これはプライベートで付き合いがある場合はもちろん、ビジネスのみでも起こりうることです。
特に同じ業界内での転職や独立開業の場合、必ずといっていいほどその担当者の方と出会う機会があります。同じ地域で仕事をしている限り、やはり対象となる顧客層なども重なっているからです。
好印象な退職メールを送ることで、新しい職場でもすぐに相手から信頼される存在となります。反対に「退職時だから」と無礼な対応を取ると、後々後悔することになりますから注意が必要です。特にお世話になった方には、必ず退職メールを送るように心がけましょう。
退職メールの内容は「お礼」目的が8割
退職時のメールの書き方ですが、普段書くものではないだけに難しいものです。ビジネスメールマナー推進協議会会長、平野友朗氏が「好印象を与えることで、退職後の付き合いも継続しやすくなる。したがって退職メールはとても大切」と力説するように、今後も公私ともに付き合う可能性があることを考慮すると、良い退職メールを書きたいものです。
退職メールの内容についての複数回答のアンケートで、82%の方が「お世話になったお礼を書いた」と回答しています。退職メールの主要な目的はお礼にありますから、これは当然のこと。したがって、好印象を与える退職メールとしては少し弱いのです。(参考資料:R25 退職メールで印象アップのコツ)
思い出に残ったエピソードを書くこと
平野氏は「退職メールは仕事に関して思い出に残ったエピソードを書くべき」と答えています。先ほどのアンケートでは22%の方が「退職メールに思い出に残ったエピソードを書いた」と回答していますが、実は思い出のエピソードは非常に効果的。
受け取った側も「一緒に仕事が出来たから、今の私があると言われたときは嬉しかった」「2人で協力した仕事の話を読んで、思わず電話をしてしまった」という回答があり、退職時のメールに感動している人は少なくありません。受け手側の心に響くことを忘れないようにしましょう。
対面や電話での挨拶と比べて、メールは文字情報以外がないため、冷たい印象を与えてしまいがち。だからこそ、相手のことを思いやった内容が喜ばれるのです。忙しくて対面や電話での挨拶は難しいとしても、相手を意識してメールを書きましょう。