今やどんな職場にでもコンピュータがあると思います。でも全ての従業員がコンピュータに詳しいわけではありませんよね。「印刷出来ない!」とか「ネットに繋がらない!」といった困った時に必ず呼ばれる『パソコン先生』が職場にいるのではないでしょうか? もしもあなたが『パソコン先生』なら、ぜひ獲得しておきたい資格があります。それは『ITパスポート試験』。呼び名は少々軽い感じがしますが、れっきとした国家資格なんです。
この『ITパスポート試験』は2009年4月に新しくなった情報処理技術者試験の最も易しいレベルの国家試験です。出題数は100問で、CBT(Computer Based Testing)方式が採用されました。CBT方式とはコンピュータの画面に問題が出題され、4つの中から正解を選ぶというもの。国家試験では初めて採用された方式で、まさにITのテストという感じがします。
ところがその試験内容というと、ITの知識だけが必要というわけではありません。
社会人として必要な知識が試される!
試験は大きく3つの区分に分かれています。最初に出題される『ストラテジ系』では、企業と法務、経営戦略、システム戦略が出題されます。これらはIT以外の職種でも必要な知識です。『ITパスポート試験』はITの知識があることを証明するというよりも、ITの知識を仕事に活かすことができるかを図る試験です。 情報処理技術者試験センターが解説しているホームページ『5分で分かるITパスポート試験』では、過去に出題された問題を見ることができます。昨年秋に開催されたテストの最初の問題は『営業秘密を保護する法律はどれか』というものでした。 最近では営業秘密をファイルにして保存していることが多くなっています。そのファイルを不正に持ち出された場合に適応される法律が『不正競争防止法』で、問題の答えになっていました。 このようにITに関わりつつ、企業経営にも関係ある問題が多く出題されています。
専門的なIT知識は必要ない?
残りの2つの区分は、システム開発手法などを問う『マネジメント系』と、情報基礎理論などを問う『テクノロジ系』。こちらはITと言える問題が出題されますが、それほど深い知識は必要ありません。ITパスポート試験の専門書などを使えば3ヶ月ほどの勉強で合格が可能と言われています。
ITの知識はもちろんですが、社会人として必要な知識を学ぶことができる『ITパスポート試験』。試験に合格すれば名実ともに『パソコン先生』を名乗ることができますし、国家資格合格という実績を積むことができます。今では各地で随時試験を実施していますので、ぜひキャリアアップのために挑戦してみてはいかがでしょうか。