ビジネス実務法務検定とは、東京商工会議所が主催する検定試験で、法律的な知識が実践的かつ体系的に身についていることを示す資格です。会社によっては資格取得の奨励制度や、人事面で採用・異動時の評価基準とするところもあります。今回は、法務部門以外の職場でも取得していると一目置かれるビジネス実務法務検定についてご紹介します。
ビジネス実務法務検定は現場から管理職まで幅広い人に必要!
ビジネス実務法務検定は、ビジネスパーソンに求められる法律知識の習得を目的に設立されました。近年、企業のコンプライアンスに関する意識は高まっており、就職活動や転職活動、キャリアアップに大いに役立つと考えられます。
例えば、お客様と接する現場社員はトラブルが生じた際など、法律知識を理解していないことで会社に多大な損害を与える判断をしてしまう可能性があります。営業スタッフや接客業、商品の企画立案を行うスタッフなど、法律の理解はさまざまな立場の人材に求められていると言えます。
また、管理職の方は部下への指示や業務上の判断など、責任者として一定の法律知識を身につけなければなりません。十分な法律理解のもと、部下をリードするだけの法的スキルが求められるからです。
3級は民法、2級は商法・会社法が出題範囲の中心
ビジネス実務法務検定は、学歴や年齢、実務経験など、受験資格の制限はありません。マークシート方式の試験で、いくつかの選択肢のなかから回答します。ここからは、級別に試験対策について見てみましょう。
3級は、民法が主な試験範囲です。特に、商取引に関する法律が中心なので、ビジネスパーソンの方は身につけておくべき知識といえます。過去問では、製造物責任法上、適切な項目と不適切な項目について取り上げられました。
2級は、商法・会社法の出題が多い傾向にあります。法律実務について指示や対応ができる能力を問われる試験です。管理職や一定以上の役職に就いている方にとっては習得していなければならない知識とも言えます。過去問では、自社の公式サイトで消費者向けに商品を販売する際の、広告表現等について出題されました。
資格取得後のキャリア
自分の会社で働く際には、3級に合格できていれば十分ですが、転職活動の際に高い評価を受けるのは2級です。弁護士とスムーズに法務の会話ができる能力の証明なので、会社のコンプライアンス担当や経営企画など、管理職や統括部門で活躍できる人材として見られます。将来のキャリアアップを見据えている方は、ぜひとも資格取得にチャレンジしてみましょう。