事前の意志固めを徹底し3カ月で決めるのが理想
ここまで、在職中と退職後からの転職活動の流れを見てきた。どちらにもメリットとデメリットが存在することがお分かりいただけたと思う。
本来は、在職中に転職活動を行い、トラブルなく前職を退職して入社に至るというのが理想的。最も美しいのは、あらかじめ前職に辞めることを伝えておき、数カ月後の退職日を決定し、会社公認で転職活動をするというスタイル。有給消化などの期間を有効に使いつつ、引き継ぎをしながら次の職を探すというものである。
そんな勇気はない、あるいは、会社がそのような状況を許してくれないという人は、会社には公表せず、転職活動をするしかない。自分で時間を管理できる職種や、フレックス制で時間の融通がつく人は、できれば在職中に転職活動をすることをおすすめしたい。
退職後活動?10月末退職意思表示で収入面のリスク軽減
ただし、市況的には、辞めてからの転職もタブーではなくなっている。空前絶後の売り手市場の今、辞めるという社員を引き止めることに、どの会社も力を入れているため、退職手続きに多大なパワーと時間が必要なこともある。強力な引き止めが予想される場合、または、自分の性格上、転職活動と引き継ぎを両立できないという人の場合は、退職してから活動するのも手だろう。
退職後の転職活動について、最も気をつけるべきなのは、3カ月以内には転職先を決定するという強い意思を持つことである。転職活動は、応募から面接数回を経て結果が出るまで、おおよそ3カ月程度。その3カ月で数社を受け、その中で決定するのが理想である。長くても、3カ月のクールが2回、すなわち6カ月以内で決定したいところだ。職に就いていない期間が半年を過ぎると、企業側の心証が悪くなる可能性が高まるからだ。また、本人にも焦りが生まれ、冷静な判断ができなくなる恐れもある。
逆に、流れに任せて転職活動を続けてしまいがちなのが、在職中の活動である。こちらも、なるべく3カ月で決めるという意志を持って転職活動に望まなければ、理想とする会社へ転職することは難しくなってしまうだろう。
在職中、退職後、いずれの活動においても欠かせないのは、「転職に求めているのは何か」、「それは、本当に転職をしないと手に入らないものなのか」などの考えを巡らせ、転職への決心を固めることだ。これをしないまま転職活動に入ると、内定が出ても自分でジャッジが下せないなどの弊害が出る可能性もある。特に在職中に転職活動をしたいという人は、「転職をしない」という選択肢もあるだけに、安易な転職活動をしてしまいがちだ。周りへの迷惑は最小限にとどめ、幸せな転職をしていただきたい。
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