転職活動と今の仕事バランスの取り方が重要
仕事の関係上、すぐには今の会社を辞めることはできないが、転職活動をする時間がないほど多忙ではない人は、100日コースでの転職がぴったりだ。現在の仕事の状況、後任者の有無など個人の置かれている環境によって差はあるが、100日(約3カ月)を転職活動期間に設定することは一般的といえる。最初の1カ月半弱で内定まで、その後の1カ月半で退職手続きや引き継ぎなどの時間に充てる。このコースの特徴は、転職情報誌やインターネットで会社を見つけ、自分でその会社に応募する直接応募≠ニ、採用活動を行っている企業と転職希望者とをマッチングさせる人材紹介会社を通した応募とを併用すること。そうすることによって初めて、両方のメリットを得ることができるのだ。
直接応募のメリットは、自分の希望に合わせ行きたい会社を見つけ、現時点での自分では多少無理があったとしても応募し内定を勝ち取ることができる可能性があること。また、人材紹介会社を利用するメリットは、キャリアアドバイザーが自分の経験やスキルに合った企業を紹介してくれ、効率的な転職活動ができること。さらに、情報誌やインターネットでは掲載されていないような求人も扱っており、思ってもみなかった企業と出合えることが挙げられる。
直接応募と人材紹介会社を通した応募で、選考過程に大きな違いはないが、人材紹介会社を通すと選考過程の一部が省略されることもある。企業がどんな人材を求めているかを把握し、それに合った人物を引き合わせる人材紹介会社は、企業からの信頼もあり、企業が求めている人材とはずれていないという前提があるからだ。
1カ月半という期間で妥協することなく転職活動をし、その後の1カ月半で退職準備ができる100日コース。引き継ぎも滞りなく行え、さらに有休を消化する時間までが取れ、次の会社への入社までの間にリフレッシュすることが可能だ。転職希望者にとって、100日コースは最適な転職活動期間といえるだろう。
給料UPの希望などわがままでいいから本音を語ってほしい
株式会社A・ヒューマン
コンサルタント
田中邦彦氏
「登録者とは、登録から1週間以内に会うようにしている」と話すのは、人材紹介会社で主にIT企業の人材コンサルタントを担当している田中邦彦氏だ。
「最初の面談から、3週間以内で会社を紹介することを心掛けています。それ以降になると長引いているという印象を与えてしまいます」
転職希望者が人材紹介会社を利用するメリットはどんなところにあるのか?
「プロの人材コンサルタントがマッチングしてくれるので、より希望に近い会社が早く見つかる可能性があります。また、コンサルタントが本人の考えを代弁するので、企業に本人の意図が上品に、しかも早く伝わりやすいでしょう。同じ転職を希望しているライバルと競合しているかもしれないので、給与を上げてほしいとはなかなか言えない。しかし、コンサルタントが介入することでライバルがいるか、いないかを探れるので、具体的に給料を上げてほしいと言えるのです」
転職希望者に求めることは、できるだけ本音を話すことだという。
「その人のことを知っているか、知らないかで作戦の立て方も大きく違ってくる。いつまでに転職したいのか、本当に何がしたいのか、わがままでもいいから言ってほしいです」
また、田中氏は、転職希望者の言葉にならない気持ちをわかってあげられるかが大切、とも。田中氏に「仕事とは?」との質問に「お金がもらえる最高の時間潰し」との答が返ってきた。転職で重要なことは、夢中になれ、寝食を忘れて取り組める仕事に就くこと――。転職の達人に学ぶことは多い。
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