<実績・スキルについての質問>良い回答例とNG例【面接対策パーフェクトガイド】

面接の中盤から終盤では、詳しい職務経歴やこれまでの実績、成功体験、活かせる経験やスキルについての質問が出ます。この質問の意図は、「自社で本当に活躍できるのか」を確認することです。
ここでは「職務経歴(職歴)」または「これまでの実績」と質問された場合と「最も誇れる実績」や「成功体験」という質問の場合、「これまでの経験とスキルを当社でどう活かせるか」と聞かれた場合について、面接官の目的と回答のポイントを詳しく解説しています。

「これまでの職務経歴を教えてください」「これまでの実績を教えてください」

質問の目的は、業務経験の確認とスキルチェック

面接官は職務経歴を質問することで、応募者がこれまでどんな業務に携わって、どのようなスキルがどれくらいのレベルかのスキルチェックを行います。自社が求めているスキルを持っているか、あるいはどのようなスキルが自社で生かせるのかを見極めることが目的です。
さらに、自身のこれまでの業務内容や役割を理解しているか、論理的に説明できる能力があるかもみられています。

回答のポイント

時系列で全て話さない!アピールになるものを選ぶ

現職の会社へ新卒入社してから1~2部署までの経験、といった方は、時系列で職歴を簡潔に述べたうえで、アピールしたい点を実績やエピソードで膨らませます。
しかし、多くの企業や部署経験がある場合、時系列で全て盛り込まなくても大丈夫です。応募企業と応募職種へのアピールになるものを選んで、ストーリーのように話せると良いでしょう。転職が多いなどの場合も、一貫性があるように工夫して伝えます。
このように、職歴を伝える準備には企業が求めている人材についての研究が欠かせません。

具体的な実績(数字)とエピソードを盛り込む

職歴を伝えるには、規模なども盛り込んでどのような業務経験を積んでいるのか、面接官が具体的にイメージできるようにします。その業務で果たした役割や実績も端的に示すことと、自身の強みの経験について面接官がもっと深堀したくなるようなキーワードやエピソードを含めることも大切です。
数値化することが難しい成果は、どのような効果、影響があったかなど表現を工夫して伝えるようにしましょう。

これならGood!良い回答例

転職経験なしの例

私は、旅行代理店の株式会社〇〇〇に平成*年4月に入社以来、営業部配属で品川区担当の店舗に*年間勤務しています。
旅行商品(パッケージツアー)を販売するカウンターセールスとして、交通機関や宿泊施設の手配やチラシやPOPの作成および配布といった業務を担当しています。顧客満足度を実現するためのヒアリング力や提案力を磨き、入社以来、売上目標を毎年達成し、20**年度には関東エリア営業担当のトップ10入りし、社内表彰を頂きました。契約書や管理資料、キャンペーン企画書やチラシなど一通りの書類作成スキルもこの時期に身に付けました。

転職経験ありの例

私は、〇〇不動産へ平成*年4月入社し、平成*年**月まで営業部に所属して、△△△支店へ配属になり、自社建設の分譲・賃貸マンションの新規開拓営業を担当しました。電話、飛び込みによるアプローチで*年目に目標成約数120%を達成しました。
平成*年*月に旅行代理店の株式会社〇〇〇へ転職し、現在まで旅行商品(パッケージツアー)を販売するカウンターセールスとして品川区担当の店舗に勤務しています。顧客満足度を実現するためのヒアリング力や提案力を磨き、20**年度には関東エリア営業担当のトップ10入りし、社内表彰を頂きました。

どちらも端的に担当業務や役割、業績を並べて、面接官にも分かりやすく職務経歴が説明されています。深堀質問につながりそうなキーワードも、自己PRに絡めて盛り込んでいます。

やってはいけない!NG例

本日は面接のお時間を頂きありがとうございます。
私は株式会社〇〇〇に平成*年4月に入社してから、本社で3カ月間の営業研修を受けた後、次は半年間△△支店で先輩MRについてOJTで営業を学びました。その後、□□□支店で営業先を**件担当することになりました。新人MRとして、まずは医師との信頼関係を構築するべく、毎日顔を出すことを続けていました。~~~~~~~

時系列で配属先を並べていくなど、ダラダラとした話で聞き手からすると何が言いたいのかがわかりません。論理的に話ができない人と思われてしまいます。

「これまでの仕事でもっとも誇れる実績は何ですか?」「成功体験はありますか?」

質問の目的は、「自社でどのように活躍してくれるか」の見極め

面接の中盤から終盤で、面接官はこれまでのキャリアで最も高い実績や成功体験を質問してきます。目的は、高い実績を持っている応募者であれば「自社で同じように再現できる方法論を持っているか」の確認です。キャリアが浅いなど、目立つ実績がない場合には「主体性を持って仕事をしてきたか」「どのような努力や工夫をしてきたか」を見ようとしています。そのため、実績や成功体験と言いつつ、思考や行動というプロセスの方を知りたがっていると理解しましょう。

回答のポイント

求人情報を読みこみ、企業が求める経験やスキルを選ぶ

質問の目的が「自社でどのように活躍してくれるか」の見極めですから、企業が求めている人材像にマッチしている実績や経験を選びます。そのため、異なる業界・職種から応募しているなら、確実に活かせると判断できる専門的なテクニカルスキルを選んでも良いですし、職種によらない分析力や発想力、決断力、リーダーシップといったどこででも通用するものを選んでも良いでしょう。求人情報をしっかり読み込むことと、企業や職種研究をふまえて戦略的に選ぶことが重要です。

実績は数字が優先、なければ「効果」「貢献」で探す

実績や成功体験を売上や〇〇率などの数字で示せるならベストですが、そうした仕事ばかりではありませんし、キャリアが浅くて実績と言えるほどのものがない、という方もいるでしょう。その場合は、「Wordで文章ばかりだった提案資料を、写真での事例紹介を盛り込んだパワーポイントにまとめ直して上司や同僚に提案したところ、大変喜ばれました。今では部署で最も活用されているツールです」など、行動によって得られた効果や貢献といった点での実績を探してみましょう。地味でも主体性や努力を伝えることができれば十分です。

プロセス(何を考えて、どう行動したか)を語る

いくら高い実績や華々しい成功体験があっても、ただの自慢話になっては面接官は嫌な印象を受けるでしょう。面接官が知りたいのは「自社で再現してくれそうか」「主体性を持って仕事に取り組む人か」ですから、「何を考えて、どう行動してその結果がどうなったのか」「そこから何を学んだのか」の方を中心に話しましょう。謙虚な様子で、面接官が「自社でどのように活躍してくれるか」を具体的にイメージできるように説明します。

これならGood!良い回答例

もっとも誇れる実績の例

四半期毎に設定される新規顧客数で、20**年度の第2四半期に部署でNo.1になったことがあります。自分に課した四半期毎の「顧客折衝数」という目標があり、それを月、日と逆算すると1日に〇〇件のお客様を訪問や電話営業することが必要で、その数字の厳守を徹底しています。毎朝、リストを確認して1日のスケジュールでどう時間が取れるか考え、隙間時間にも電話営業したり、既存顧客対応のついでに新規開拓の訪問を行うなど効率的な行動を意識しています。既存顧客のフォローだけで一日が終わってしまわないように日々の工夫を積み重ねたことで、No.1を達成できたと考えています。

端的にもっとも誇れる実績を示し、具体的にどう考えてどう行動してきたのかを述べています。さらに「既存顧客のフォローだけで一日が終わらないようにする」ことが結果に表れているという、学び(振り返り)についても触れていて、上手に再現性をアピールできています。

成功体験の例:ウェディングプランナー

私の成功体験は、〇〇〇植物園初のウェディングを担当したことです。あるカップルの要望で園にかけあいましたが、当初は前例がないと全く相手にされませんでした。自分なりにやれることを考え、いくつかの地元情報誌と市役所の広報部をあたり、ウェディング時に取材してもらえるように交渉しました。了承頂いた誌面やWeb掲載の広告効果と、特設したフォトブースなど一部設備を残し、ウェディング後に施設が自由に活用可能という条件をあわせて提示したところ、何とか使用許可をいただくことができました。お客様のウェディングが成功しただけではなく、今では園のウェディング実績が**件と増えており、園や今の会社の売上にも貢献できております。この成功体験から「自分にできることが何かを考え、限界を設けずやってみる」ことを大切に仕事をしています。

成功体験といっても、「成功」の言葉のイメージに引きずられることなく、自分が努力や工夫してよい結果に導けたこと、を思い出して話しましょう。その体験から何を学んだのか、という点まで述べられると、面接官に再現性を感じさせることもできて好印象です。

やってはいけない!NG例

職務経験が浅く、目立った実績というものがありません。

実績が「ない」と思うなら、小さなことでも何か褒められたことや、日頃努力していることを話して「主体的に仕事に取り組んでいる姿勢」を示すようにしましょう。
「大きな実績と言えることは正直ないのですが、上司や営業部の社員の方から『仕事が速くて正確』とお褒めの言葉を頂くことがあります。全ての仕事で最初の納期確認を怠らないことと、データ入力作業では2度確認の厳守を徹底していることがそうした言葉につながっていると考えています。御社でも同じように、ミスなく納期厳守で営業部の方をサポートしていきたいと思っております。」など、プロセスを具体的に説明して面接官に「活躍する姿」をイメージさせましょう。

「これまでの経験やスキルを当社でどう活かせると思いますか?」

質問の目的は、同じく「自社でどのように活躍してくれるか」の見極め

「これまでの経験やスキルを当社でどう活かせると思いますか?」という質問も、面接官の目的は「自社でどのように活躍してくれるか」の見極めです。特に、異なる業界や職種からの応募の場合はこのように質問されるかもしれません。

回答のポイント

企業が求める経験やスキルを選ぶ

これまでの質問と同じく「求人情報を読みこみ、企業が求める経験やスキルを選ぶ」ことが一番大切なポイントです。「どのような業務に取り組んできて、何のスキルを得ているのか」をはっきり伝えましょう。スキルを得たプロセスや工夫や努力した点を盛り込んでも良いでしょう。

「〇〇に活かせる」「〇〇が役に立つ」など実務で明確に伝える

職種によっては専門的な知識や技術要素を具体的に盛り込んで、面接官がイメージしやすいように伝える工夫も必要です。締めとして「〇〇が役に立つ」「〇〇を御社の△△に活かすことができる」のように端的にまとめて、実務面で即戦力になれると印象づけられるように意識しましょう。

これならGood!良い回答例

現職では、顧客管理システムを設計フェーズからプログラミング実装まで一通り経験しました。設計にあたっては既存業務の分析も担当しましたので、御社の主な顧客先である〇〇業界の経験はありませんが、ITコンサルタントとして、顧客企業と業務プロセスを掘り下げながらの折衝に活かせるのではないかと思っております。また、データベースにOracle Database 12cとPostgreSQLを扱った経験は、特に開発現場のエンジニアとのコミュニケーションに役立つと考えています。

端的に業務経験と得ているスキルが示せています。また、異職種からの応募でも、すぐに応募先企業で活かせるスキルと知識を「御社の業務のどのような場面で活かせる」と説明できている点は、面接官に好印象を与えるでしょう。

やってはいけない!NG例

〇〇分野の経験はありませんが、△△のプログラミングができますので、その他の必要な知識ややり方を教えていただければ問題ないと思います。意欲は人一倍あると思っていますので、頑張ります。

転職面接で「仕事を教えてください」という受け身のニュアンスはNGです。さらにこの例では、「御社の〇〇な場面で活かせる」という部分がないために、企業研究の浅さと聞かれたことに答えていないというコミュニケーションスキルへの疑問も感じさせます。この質問では、意欲のアピールではなく、実務(これができる)をアピールすることが必須ですので注意しましょう。

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