<ブランクあり、転職回数が多い転職者への質問> 良い回答例とNG例 【面接対策パーフェクトガイド】

転職面接では、職務経歴書に3カ月以上のブランク(空白の期間)があると、その間どう過ごしていたのかを質問されます。また、転職回数が多い(2回以上)場合も、一社ずつ退職理由を確認されると想定しておいた方がよいでしょう。どちらもマイナスイメージを持って質問されている可能性が高いので、慎重に回答を準備しなくてはいけません。ここでは「ブランク(職歴の空白期間)の理由・何をしていたか」「転職回数が多い理由」の質問の目的と回答のポイントを詳しく解説し、OK回答例とNG回答例をご紹介しています。

「ブランクの理由を教えてください」「ブランクの間は何をしていましたか?」

質問の目的は、働く意欲、体調の不安がないかの確認

職務経歴で3カ月以上のブランク(空白の期間)があると、面接官は「入社後の職務遂行に懸念があるかも」と不安を感じ、どう過ごしていたのかを質問します。他にも、「特殊な事情があるのか」「体調に懸念はないか」といった点を確認する目的もあります。けがや病気療養が理由の場合は、入社後の業務へ支障がないかを重ねて質問してくるでしょう。

回答のポイント

資格取得や語学留学など仕事に活かせる勉強をしていたなど、行動実績がある場合はそのまま伝えましょう。職務経歴書にも書いておくべきです。それ以外の理由でブランクが長い場合でも、ウソや言い訳をするより、正直に本当のことを伝えた方が印象は良いでしょう。その上で「充電し、今は切り替えができている」「キャリアプランが持てずバイトをしていたが、やりたいと思う仕事が見つかった」「公務員を目指していたが、友人たちの話から企業で働くことに魅力を感じ、考えが変わった」などのように、長く勤める心構えができていることをアピールするようにしましょう。けがや療養中だった場合は、客観的に「大丈夫だ」と思ってもらえる根拠(医師の診断など)を準備しましょう。

これならGood!良い回答例

例1

短期のアルバイトと海外旅行を繰り返していました。前職では、月に80時間以上の残業や休日出勤が多く、ほとんど休めなかったため、充電と自己研鑽を兼ねてバックパッカーで5カ国を周りました。世界を見て視野が広がり、充実した毎日を過ごしている中で、またエンジニアとして頑張っていきたい意欲が湧き、転職活動を始めました。転職活動と並行して知人のスタートアップの手伝いでコードを書くなど、社会生活に復帰するリハビリを始めています。

正直にブランクの間の行動を話し、休みが必要だったと根拠を示して説明できています。また、働く意欲があることのアピールとして、仕事の準備も行っていると伝えることで、マイナスイメージを払拭しています。

例2

〈病気療養中の場合〉
体調を崩し、療養しておりました。自宅療養で体もすっかり元気になり、主治医からも復職に問題はないと診断されています。前職では毎日終電で帰宅し、土日のうちどちらかは出勤せざるをえない状況が3年続き、気が付かないうちに体に無理がたたっていました。早く対策をすべきだったと反省しております。仕事復帰のため短時間のアルバイトからスタートし、今ではフルタイムでの勤務が問題なく自信もついたため、転職活動を始めております。

医師の診断を根拠とした仕事復帰であり、さらに体調を崩すのも無理はないと思える状況を説明できています。また、同じ過ちを繰り返さない気持ちも伝えている点も印象は良いでしょう。さらに、アルバイト実績を準備しており、面接官から業務に支障がないか、具体的にすり合わせる質問が続くかもしれません。

やってはいけない!NG例

例1

特に何かをしていたわけではなく、しっかり休養していました。

仕事への意欲がない、と不安を与える回答です。続けて「なぜ前職を辞めることになったのかを振り返り、将来についても考える余裕を持ちました。結果、大学時代から興味があって今後有望な医療分野に関わり、前職の経験を活かせる営業職で再出発したいと考えるようになりました」など、切り替えができていて働く意欲がある、と感じさせるように工夫しましょう。

例2

仕事がハードだったので、体調を崩して療養していました。今ではすっかり元気になり、勤務も大丈夫です。

「仕事がハード」と抽象的な言葉では、面接官が「うちもハードだけど、大丈夫なのか」と疑問に思うでしょう。具体的にどれくらいだったのかを示すことが必要です。また、自分自身の「大丈夫」という主観だけでは、面接官の不安を払拭できないため、客観的に大丈夫だと思ってもらえる根拠を用意しておきましょう。

「転職回数が多いのはなぜですか?」

質問の目的は、「すぐ辞めてしまう人かどうか」の見極め

企業は一般的に「長く働いてもらいたい」と考えるため、転職回数が多い応募者には「すぐ辞めてしまう人か?」とマイナスイメージを持ちます。そのため、理由を聞いて長く働いてくれそうかを見極めようとしています。面接官によっては少々厳しく質問してくるかもしれません。きちんと回答を準備しておいて、動揺することなく、落ち着いて自分の考えを伝えましょう。

回答のポイント

「転職回数が多いのはなぜですか?」の聞き方の他に、「転職回数が多いようですが、○○社はなぜ辞めたのでしょうか?」と一社ずつ、退職理由を確認してくることもありえます。転職回数が多くても、自身のキャリアプランを考えて転職を手段としてきたなら何も問題ありません。きちんと自分の考えを述べましょう。
退職理由に一貫性がない、短期間で退社を繰り返しているなど、「行き当たりばったり」と自分でも感じてしまうような場合は、正直に「自分の失敗」として認め、反省を述べて「これが最後と決意している」ことを示しましょう。また、痛いところを突かれて、目をそらしたまま話したり、挙動不審になったりしないよう、落ち着いて話すことを心掛けましょう。

これならGood!良い回答例

例1

新卒で入社した会社では、希望通り法人営業部へ配属されましたが、会社の経営方針が変わり、法人営業から広告部門へと異動になりました。コンサルティング力を高めて、将来は経営課題にも取り組めるようになりたいと考えていたため、思い切って転職しました。2社目はベンチャー企業で忙しかったですが、希望通り法人営業に就き充実していました。しかし会社業績が思うように伸びず、別の会社に買収となった際に事業部ごとなくなってしまいました。そのため、腰を落ち着けて法人営業に取り組みたいと思い、事業拡大で営業職を募集している御社へと応募いたしました。

やりたい仕事に一貫性があるため、「転々と」のイメージが薄くなっている例です。これなら、自社の業務へのマッチングを意識した深堀質問へと面接官の方向も変わるかもしれません。

例2

最初の転職は収入アップのためでしたが、収入だけを重視していたため、やりたい仕事とズレてうまくいかずに退職しました。次の転職はマーケティング職ということで入社しましたが、実際は営業の仕事を担当していたため、会社側と話し合ったのですが、状況が変わらないと判断し、退職しました。
自己分析や自身のキャリアについての考えが浅く、また企業研究も甘くて安易に会社選びをしてしまったと、深く反省しております。そのため、今回を最後の転職と考えて、やりたい仕事と自分に今できることを棚卸して、慎重に応募先を探しました。

正直に伝えていることと、自分に何が足りなかったかという分析と反省を述べており、面接官へ可能性を感じさせます。「今回は反省を踏まえて、やりたい仕事に応募した」と述べていることでも、印象が上向くかもしれません。

やってはいけない!NG例

入社後、事前に聞いていたことと違う仕事内容だったり、事業所が移転してしまい通勤の負担が大きくなったことが理由で退職しましたので、人間関係に問題があったわけではありません。周囲とはうまくコミュニケーションがとれていたと思います。

人間関係に問題はなかったとアピールしているようですが、それぞれの退職理由に一貫性がないことで、「会社で不満があるとすぐ辞める人」という印象を与えてしまっています。それぞれの退職理由を「それはやむを得ない」と思えるように丁寧に事情を説明するか、もしくは安易な転職だったと反省を述べて意欲を示す、のどちらかの方向で「今回を最後としたい」という決意が感じられるように内容をまとめた方が良いでしょう。

転職回数が多いかどうかは、年齢によって異なるでしょう。キャリアにブランクがある場合も、さまざまな理由があり必ずしも悪いことではありません。つまりどちらも、自身のキャリアにしっかりと向き合っていて、なぜその選択をしたのかが語れるのであれば恐れる必要はない質問と言えるでしょう。
企業側としても、安心して仕事を任せられる人材であることが確認できれば、しっかりと応募者の能力を評価して採用を決めることができるのです。採用側の目線に立ち、慎重に回答を準備して面接に臨みましょう。

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