失業すると会社で加入していた健康保険の資格は喪失してしまいます。今までほとんど病院に行くことが無かった方も、健康保険の資格が無くなってしまうと不安に思うもの。なるべく早く健康保険に再加入したいものです。しかし失業時、次の健康保険には複数の選択肢があることはご存知でしょうか?
失業した理由が解雇や倒産、正当な理由のある自己都合退職だった場合、国民健康保険料は軽減されます。通常、国民健康保険料は前年の所得などから算出されますが、失業中は所得金額を30/100とみなし国保税額の算定を行うことで軽減が行われます。軽減は離職日から翌年度末まで有効。就職して会社の健康保険に加入した段階で軽減は終了しますが、失業中には心強い制度です。
しかし対象者に制限があります。退職した理由が解雇や倒産、正当な理由のある自己都合退職に限られています。つまり「転職するので前の会社を辞めました」というような理由では、この軽減を受けることはできません。
では正当な理由がない自己都合退職の場合はどうすればよいでしょうか? この場合には、ふたつの選択肢が用意されています。
各市町村で変わってくる、国民健康保険料
選択肢のひとつは国民健康保険に加入することです。ここで注意が必要なのが、国民健康保険料の金額です。国民健康保険は各市町村が管理しているために、住んでいる場所によって保険料が変わっています。例えば神奈川県のある市では1世帯あたり2万4800円ですが、隣の市では2万7900円。なんと市が違うだけで3100円もの違いがあります。
まずはあなたの住んでいるところの国民健康保険料を調べましょう。金額を調べておくことで、もう一つの選択肢とどちらがお得かを判断することができます。
お得な場合が多い『任意継続』
もうひとつの選択肢は、現在の保険に入り続けることができる『任意継続』。前の会社で保険に2ヶ月以上加入していた場合、会社の保険に2年間継続して入ることができる制度です。こちらの保険料の算出方法は、退職時の標準月額報酬に、各都道府県で決められた税率を掛けたものになります(全国健康保険協会 任意継続被保険者の健康保険料額)。
例えば標準月額報酬が20万円だった場合、神奈川県の税率は9.98%ですので、保険料は1万9960円。先ほど参考にした両市よりも断然安い保険料です。
しかし任意継続を行うためには、退職後20日以内に手続きを行わなくてはいけません。20日を過ぎたら手続きができなくなってしまうので要注意です。
なるべく早めに住んでいるところの保険料を知ろう!
国民健康保険の軽減はさかのぼって軽減を受けることが可能です。しかし任意継続の場合は時間的な余裕があまりありません。いつの間にか手続き期間を過ぎていて、割高の国民健康保険に加入せざるを得ないことになってしまいます。
もしも失業してしまったら住んでいるところの保険料を調べて、どちらが得なのか素早く把握したいところです。