日本は残業が多い上に、労働時間が長いといわれています。しかし実際に、海外と比べて、労働時間がどのくらい長いのかはあまり知られていないのではないでしょうか?そこで海外と比較されたデータを見ると、やはり残業の多さが他国に比べて突出していることが分かりました。
独立行政法人労働政策研究・研修機構が作成した『データブック国際労働比較』には、さまざまな労働に関するデータが掲載されています。
それでは、労働時間について見てみましょう。『一人当たり平均年間総実労働時間』によると、日本人の総実労働時間は1728時間でした。日本より労働時間が多いのはアメリカ(1787時間)とイタリア(1774時間)の2カ国だけです。
しかし、それでも徐々に労働時間は減ってきました。それというのも、1980年には年間総労働時間約2100時間とダントツの長労働時間でしたが、今ではアメリカ、イタリアよりも労働時間は少なくなっているからです。
では「残業は少ないのでは?」と思うかもしれませんが、そうでもなさそうです。『長時間労働者の割合』では週49時間以上働いている人の割合を調べています。
日本の長時間労働者の割合は2004~2005年で29.3%。これはアメリカの18.1%より多い割合になります。つまり国全体での労働時間では、日本の方が少ないにも関わらず、長時間働いている人の割合では、アメリカよりも多いということになります。それでは、なぜ長時間労働者が増えているのでしょうか?それは残業に対する上司の意識に関係がありそうです。
上司の『残業に対するイメージ』はポジティブなイメージ!?
内閣府が発表した『ワークライフバランスに関する意識調査』によると「残業している人に対してどのようなイメージを持っているか」と聞いたところ「頑張っている人」というイメージが非常に高い割合を示しています。
しかも1日あたりの労働時間が10時間未満の場合は38%ですが、12時間以上になると53%にも跳ね上がってしまうのです。逆に「仕事が遅い人」というイメージを持つのは、10時間未満で37%なのに対して、12時間以上だと26%へと減少していました。
長時間労働につながる残業を減らすには上司をはじめ、会社全体で残業に対するイメージを変えなくてはいけないでしょう。
残業に対するイメージを変えるにはムーブメントが必要!
長時間の労働が続くと、体だけではなく心を壊してしまうケースもあります。
現在日本では長時間労働が問題となっています。問題の解決には、会社全体で考える必要があるかもしれません。
もしも長時間労働者ばかりの会社であれば、行動に移すことが得策かもしれません。